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スカイハイ【8】 - 06 -

Category : スカイハイ【8】
その日はあいにくの雨だった。

しかし雨ごときで澪と会える貴重な時間を削る気はない私は、意気揚々と彼女が通う大学近くのカフェに来ていた。今日はここで会う約束をしている。
久しぶりに会える喜びが私の心を明るくしていたけれど、それでも窓から見えるどんよりとした暗い空を見ていると、少しだけ憂鬱な気分を感じさせた。

紅茶を飲み始めて十分程立った頃、カランと店のドアが開く音が鳴った。
「律」
暖かそうなマフラーに身に付けた澪が、私を見つけて声を掛ける。
「澪、こっち」
私は手を上げて彼女を迎え入れる。
私の向かい側の席に座った澪は、少し息をきらしているのか肩を上下に揺らしていた。
「そんなに慌ててこなくても良かったのに」
「だって約束の時間過ぎてたから…」
息を整えながらそう言った澪は、注文を取りにきたウェイトレスさんに私と同じ物を注文した。

「時間大丈夫なの、律?」
「私は大丈夫だよ。澪こそ大丈夫か?」
うん、大丈夫とはにかんだような笑顔を浮かべながらそう答える澪を見ていると、さっきまでの曇り空を見て憂鬱な気分になっていた私の気持ちが一変に晴れた。

澪が私の部屋に泊りこむ事も無くなったし、互いに大学や学校、私は就職活動やバイト等もあって、最近は会える機会が以前よりぐっと減っていた。
それでも僅かな時間が割いてでも、私たちは二人で会う時間を作った。
もちろん本音はもっともっと会いたいし、いや、許されるならずっと一緒に居たいのだけど。

「律、最近はどうなんだ。学校もちゃんと行ってる?」
「そりゃあもう。真面目、真面目。就活だってちゃんとしてるんだぜぃ」
澪にそう聞かれて、私はちょっとおどけながら答える。
「偉い」
「だろー、…でもまあ、今の処成果はさほどではありませんが…」
もちろん一緒に居たいけれど、今は互いの責任(とでもいうのだろうか?)なるものを果たさなきゃいけない時だと私は思っている。社会人としてきっちりとした生活を送れば、澪のご両親も少しは私を気に入ってくれるかもしれない。

「まあ、まだ一月だし。会社だってそんなに求人応募はしない頃だよ」
焦らない、焦らないと言って澪は励ましてくれる。
「まあ、そうかもしれないけど。…あ、それつけてくれてるだ」
「え?あ、うん。もちろん…」
私が指で示す先に気付いた澪は、照れたのか少しだけ頬を紅く染めながら、胸に付けているペンダントを指でそっと触れている。それは先日澪の誕生日に渡した、私からのプレゼントの品だ。

一月産まれの彼女に合わせた、ガーネットのペンダント。
生活費の分をギリギリ残して、他はバイト代の全てをつぎ込んで買ったそれは、自己満足かもしれないがやっぱり彼女に似合っていると思う。

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ジャンル : 小説・文学

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