スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「Y・O・Iパロ」SS第五弾「傭兵」01

Category : 【5】傭兵
下から聞こえる酒場の喧騒は、いつだって絶える事はない。

そんな場末の酒場にある、二階の狭くて安っぽい部屋の中。
私達はしっかりと抱き合っていた。

「寒くないか」
シーツを彼女の肩まで上げながら、私はそう聞いてみる。
すぐに「大丈夫」と言った彼女は、ますます私に身を寄せてきた。
素肌に直に感じる温かさを少しでも逃がしたくなくて、さらに私は強く彼女を抱き締めた。
灯りを消した暗い部屋の中で、僅かにドアの隙間から漏れ入る光が私の視界を掠める。

「リツ」
暗闇の中、腕の中で彼女は私の名前を呼ぶ。
喧騒の音が消え、彼女の声だけが私の耳にはっきりと聞こえる。
その声を聞くと、いつも私が今まで感じた事がない、何かあたたかいものが心の中に染み渡っていくような気がしていた。

「ん?」
「もう傭兵や賞金稼ぎは辞めて」
「…ミオ」
廊下から誰かが歩く音がする。どこか陽気な声が二つ。
また誰かが、金で買った娼婦と一緒にどこかの部屋に入るのだろう。
「無理だよ」
私は素っ気無く答える。
「リツ」
「私はこれ以外知らない」
これ以外にどうやって金を稼ぐのかわからない。
危険が伴う仕事。だからこそ報酬も高い。
それが私が今まで生きてきた、己の糧を得る仕事。

「嫌だよ、リツ」
私の肩を強く掴みながら、涙声で彼女はそう言う。
「他には何もできないんだ」
暗闇が支配する部屋の中で、ポツリと私は呟いた。
それは事実であり現実だった。
私の呟きを聞いた彼女は、僅かに体を震わせながら静かに涙を流していた。

いつも私は、彼女の希望通りの答えを出せないでいた。

関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。