スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「Y・O・Iパロ」SS第三弾「スカイハイ」02

Category : 【3】スカイハイ
「あー、ちょっと、今は。悪いけど皆先に…」
行っておいて、と言いながらふと後ろを見てみる。
するとさっきからずっと探していた彼女が私の視界に入った。

「あ」
思わず声を上げた私は、そのまま無意識に携帯を切ってしまった。
彼女は後輩らしい女の子と話をしていた。
少し泣いている後輩の頭を、優しく撫でている。
さっきまであんなに焦って探し回っていたのに。
いざ彼女を見つけると体を急に固まったように動けなくなってしまった。
心臓の動悸も明らかにさっきより二倍は早くなってきている気がする。
後輩にサイン帳のようなものを渡すと、その子は軽く頭を下げた。
そして名残惜しそうにしながらも、後ろで待っていくれていた友人たちの元に戻っていった。
彼女は今、一人だ。

「い、行かなきゃ」
ここまで来て今さら引き下がれるか!軽音部元部長、田井中律の名が泣く!
よし!と小さく自分にだけ聞こえるように気合の声を上げると、足早に彼女に近づいた。
そんな私に気付いた彼女がこちらを見ている。
「あ、秋山さん!」
心臓の動悸を抑えながら彼女の名前を呼んだ。

「…田井中さん」
ほんの少しばかり吹く冷たい風が、彼女の長い黒髪を軽く揺らしている。
私と持っているのと同じ卒業証書が入った筒を左手に持つ彼女の目は少し潤んでいた。
卒業が悲しいのか、後輩たちの気持ちが嬉しかったからか。
彼女の涙の理由はわからないけれど。

…綺麗。

でも思わずそんな姿を見て、今さらながらに内心でそう呟いてしまった。
そんな風に私が彼女に少し見蕩れていると、秋山さんは指で少し涙を拭った。
私が近づくと彼女は急に少し噴き出すように笑った。

「え、え?」
「後輩にあげたの、それ」
人差し指で示すのは、本来なら五つのボタンがついてあった私の上着。
「ああ、そう!」
確かに我ながら焦ってたからあんまり気にしなかったけど、これってちょっとあられもない格好ってやつかもしんない。指摘されて少し恥ずかしくなった。

「モテるんだね、軽音部の部長さんは」
彼女はまだくすくすと笑っている。

関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。