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「Y・O・Iパロ」SS第三弾「スカイハイ」01

Category : 【3】スカイハイ
桜のつぼみが開くまで、あともう少し。

まだ少しだけ肌寒い校舎の外を、卒業証書が入った筒を片手に早足で歩いていく。
やや気せわしい気持ちでいくつかの廊下を過ぎる途中、何度か後輩たちから卒業お祝いの言葉を投げかけられた。

先輩、ご卒業おめでとうございまーす!
田井中先輩、ご卒業おめでとう、ございます。

中には涙交じりのお祝いの言葉にも。
後輩たちの心遣いに私はにっこり笑って「ありがとー」と答えるばかりだ。
何人かの後輩たちは、お祝いの言葉だけでは終らず、いったいいつからこんな風習が出来たんだろう、と以前から疑問に思っていた、好きな人とやらの「上着のボタン下さい」攻撃が、私に向かって次々と繰り出してきた。

そんなこともあり、お願いされる度に私は足止めをくらう形になってしまった。
ここで時間をロスしたくなかった私は、先着順にボタンの大判振る舞いをしたので、十分もしたら上着のボタンは全て消えた。さらに袖についているボタンや、中に着ているシャツの上の方のボタンまでもいくつか上げてしまい、ちょっと卒業式に相応しくない格好になってしまった。

「はい、もう打ち止めー。ごめんねー」
これ以上ボタンをあげたら、校舎内に無料でサービスを振りまくことになってしまう。
後からお願いしてくる後輩たちにそう言って、もう止まる事なく校舎内を歩き回った。

「もう、外に出たかな…」
下駄箱で慌てて靴に履き替え、校舎の外に出る。
外でも中と同じく、別れの挨拶を交わす同級生同士、先輩後輩でいっぱいだった。
一人一人の、それぞれの卒業式後がドラマが繰り広げられている。

「…どこだよ」
そんな卒業式後の光景に目もくれず、私はさっきからずっと人を探していた。
校舎の外に並ぶ桜の木々はまだつぼみだ。その木々を横目にさっきと同じように、いや、それ以上に焦る気持ちを抑えて辺りを回しながら歩いた。

「まさか、もう帰っちまったかな…」
校門にもおらず、そのまま体育館近くまで来たところで足を止めた。
少し息を切らせながら、私は内心焦っていた。
今、会えなければもうおしまいだと思っていたから。

不意に上着のポケットに入れた携帯が鳴る。
今それどころじゃない、と思いつつもとりあえず携帯に出ると相手は唯だった。
「りっちゃん、どこにいるの?」
「体育館の近く」
「なんでそんなトコいるの?もう帰ろうよ、卒業パーティーが待ってるよ~」
唯の能天気な声と共に後ろから、軽音部の仲間の声が聞こえてくる。

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ジャンル : 小説・文学

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