スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「Y・O・Iパロ」SS第二弾「異邦人」10

Category : 【2】異邦人
そんなどこか憂いを帯びた長老の様子を見たのは、私は初めてだった。
しかし長老が私を心配してくれているのはわかっていても、納得いかない事もある。

「な、なぜですか?律は別に何も悪い事などしていませんよ。私や村の人たち皆に親切で…」
「それはわかっておる。もう一度言うが、あれは悪い人間ではない」
「なら…」
「だが、危険な人間だ。では聞くが澪よ、お前はあの者が言っている事の全てが真実だと信じておるのか」
「え」
「儂はそうは思えぬ。お前はどうじゃ」
「…」
私は思わず何も言えなくなってしまった。
この場合、無言は肯定を意味しているとわかっていても。

「…どちらにしよ、あと数カ月もすればポートが開くだろう」
長老が言う「ポート」とは、この星で唯一の宇宙船が寄港できる宇宙港のことだ。
磁気層が弱まる一時期だけ開かれる、普段は馴染みのない場所。
「そうすればあ奴はここを出ていくだろうさ」
長老の言葉が、私の胸に小さな石をパラパラと落としていく。
石は胸の中で弾けるたびに、小さな痛みを私にもたらした。どうしてだろう。
後数か月もすれば、律がこの星を出ていくことなんてとっくにわかっていたことなのに。

「だがそれでいい。いや、それがよいのじゃ」
あの者はここに留まれるような性質でもあるまい。
そう言うと、長老はゆっくりと椅子から立ち上がろうとした。
私は長老の体を支えて、立ち上がるのを助ける。

「長老」
「…許せ、澪。儂がもう少し早く気付いておればな。儂も年を取った」
何度も言うが、あの者は悪い人間ではない。それはわかっておる。
「お前や村の者を傷つけるような真似はすまい。それだけは間違いないはずじゃ。だが…」

けっして引きとめるような真似をするものではないぞ、澪。

「それがお前のためでもあるし、あの者のためでもある」
私の手をそっと触れた後、長老は杖をつきながらリビングを出て行った。

***
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。