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「Y・O・Iパロ」SS第二弾「異邦人」07

Category : 【2】異邦人
背中から彼女の体温が伝わってくる。
さっきまで震える程に感じていた寒さが、今はちっとも感じない。

「律」
彼女の名前を小さく呼びながら、私はゆっくりと体を回し正面に向ける。
そのまま両手を彼女の背に回すと、私は少しだけ躊躇った後そっと彼女に胸に体を預けた。
律もすぐに私の背中に両手を回してきた。
そしてまた少し手に力を入れて、私を引き寄せるとそのまま強く抱きしめてくれた。
互いの心臓の音が聞こえてくる程近くで、私たちはそのまましばらく抱き合っていた。

いつまでもこうしていたい…。

彼女の服を軽く握りながら、私はそう思う。
だがそれと同時に、ふとこのままではいけないとも思うのだ。

律の体温が私にも伝わり、私の体温も律へと伝わっているだろう。
それを嬉しく思いながらも、同じくらい切ない気持ちになるのはなぜ?
答えの出ない疑問が私の心を埋めていく中で、頭の中では以前長老とした会話が、何度も繰り返されていた。

それは律がこの星に来て、私の家の居候になってから一ヶ月程過ぎた頃。
律に私の子供の頃や学生時代の事を、少しづつ話をしていた時と同じくらいの頃だったと思う。
村に用事を終えた後、久々に村のある長老の家を訪ねた時だった。
長老が私が自宅から持ってきた豆を挽いて淹れたコーヒーを美味しそうに飲みながら、ふと律の様子はどうかと尋ねた。

「すごく順応性が高いと言うか、なんともうまくやってますよ」
私は普段の感想そのまんま、長老にそう言った。
「ほほほ。みたいじゃの。いまじゃ村の子供たちの人気者じゃな」
長老はコーヒーの香りを堪能しているのか、鼻をヒクヒクと動かしている。

「村の連中ともうまくやっておるようじゃが。お前はどうなんじゃ、澪」
「え?」
「居候されているお前さんはどうかな、という意味じゃよ」
「はぁ…」
学校の寮を出てから、私はずっと一人で暮らしていた。研究生の時もそうだし、この家に帰ってきてからもそうだ。(ちなみに両親は仕事の都合で、現在は別の惑星にいる)

人より多少怖がりではある私だが、それでも何とか一人でやってきた。
それに私はやや人に気を使い過ぎる傾向にあるらしく(学生時代の友人はいつもそんなに気を遣わなくていいよと言ってくれていた)、一人が方が精神的には過ごしやすかった。
だから最初はちょっと律がうちに居候することに、多少心配していたのだけれど、それはどうやら杞憂だったようだ。

人一倍の人見知りで恥ずかしがり屋の私と、明るく誰とでもすぐに仲良くなる律。
どう考えても、私と彼女は真逆の性格だ。
でもだからといってそれでうまくいかない…ということもなく。
自分でも意外だったけれど、私と彼女は案外ウマがあっているように今は思える。

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ジャンル : 小説・文学

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