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「Y・O・Iパロ」SS第二弾「異邦人」05

Category : 【2】異邦人
「本当か?どれどれ」
私の言葉が信じられないのか、律は疑わしそうにちょっと首を傾げている。
一瞬の沈黙の後、彼女は後ろから両腕を伸ばすと、私の両手の上に優しく触れてきた。
彼女の手の温かさが伝わってくると同時に、私の心臓は小さく音を立て始める。

「結構体冷えてるじゃん」
「…そうかな」
「そうだよ。ったく、どれくらいここで立ってたんだか」
少し苦笑交じりにそう言った律は、さっきまでは壊れ物を扱うように優しく触れていた手に力を入れて、私の体をギュッと抱きしめた。

「り、律」
「…嫌か?」
そう私の耳元でそっと囁くように彼女は聞いてくる。
その声が僅かに揺れているのに気付いた私は、ゆっくりと首を左右に振って彼女に体を預けた。
嫌ではない。むしろ嬉しい。

ただ、なんだかほんの少し不安になって、ほんの少し…寒いような気がする。
お風呂上がりの熱い体温を持った彼女に、後ろから包むように抱きしめられているのに。
さっき一人でいたときよりも、ずっと温かいはずなのに。

***

宇宙船操縦士として、荷物の配送途中だった律がエンジントラブルの為、この星に墜落寸前に着陸してからもう五ヶ月程過ぎた。

あの日、墜落した(墜落じゃない、何とか「着陸」したんだ、と律は今だ言い張っている)宇宙船から脱出した律を自宅へと連れ帰り、すぐに治療にあたった。但し治療…と言っても私は血を見るのが大の苦手で、彼女の頬や腕にあった傷の治療は全て機械にまかせてしまっているのだが。

幸い傷は大したこともなく、心配した頭部の打撲による怪我も脳には影響はなかった。
律自身も怪我がそれ程大した事がなかった事を証明するかのように、私の家で治療を受けてから三日後にはすっかり元気な様子を見せていた。さらにしばらくしてから、私の家に様子を見に来た長老に自分が宇宙操縦士である事と、今回の事故の経緯を簡単に説明していた。
律から事情を聞いた長老は「次の磁気層が弱まる時期になるまで、ここで世話になればいいさ」とあっさりとした口調でそう言った。

「ここ」とは、私の家なんですが長老。勝手に決めないで下さい。
最初内心でそう思ったものの、現実的考えてもそうせざるおえなかった。
村に一軒空いている家を借りて住む、という手もなくはないが、それはちょっとした事情ではばかられた。ちょっとした…とは言ったものの、ある意味そう簡単なものでもないかもしれない。

「いやー、それにしても久々じゃの」
「え?何がですか?」
物珍しそうに律を見つめる長老が、のんびりとした口調でそう言ったので律が聞き返す。
「いやの、ほれ、あれじゃ」

澪以外の「人間」を見たのは久しぶりだからのぉー。

人間、の部分を少し強調しながらそう言った長老は、白く長い「毛」を手ならぬ「前足」で、何度も撫で上げていた。

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