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「Y・O・Iパロ」SS第二弾「異邦人」04

Category : 【2】異邦人
この「惑星」の内部は、森が支配している。

海以外の土地はほぼ八割が森に覆われ、生物の居住に適した土地は二割程度。
しかもその二割もあらゆる地域に分散した形で点在していて、一つのエリアから別のエリアに行くのは大変な時間が掛かった。
四季もちゃんとあるものの、深い森が熱を奪い冬はとても寒い。
但し夏は過ごしやすく、豊富な森の恵みと良質なたんぱく質が取れる魚が川にあふれていた。

しかしそれ以外にこれといった鉱物資源も乏しく、外へと輸出するようなめぼしい物はない。
さらに特殊な磁気層(この星の住人は「ゲート」と呼んでいる)がこの惑星の周囲を囲んでいて、それが宇宙船の機器を乱れさせる原因となっていて、周囲に宇宙船が近寄らなくなっていた。
一年の内二度程、その磁気層が弱まる時期があり、その時だけ契約している外部の運送業者がこの惑星にやってくる事もあるが、それも昨今減りつつあった。

***

寒い…。
部屋からバルコニーに出た私は小さくそう呟いた。
それと同時に一瞬だけだが白い息が、私の目にかすめていった。
羽織っていたカーディガンの前を両手で押さえながら、私は黒い闇をすら覆うような森をぼんやりと眺めていた。

もう暦の上では春も近いとはいえ、まだまだ寒さは衰えていない。
もし家の内部だけでなく、外側からも断熱させる装置が稼働していなければ、五分とここには立っていられないだろう。科学の進歩は素晴らしいが、私だけがその恩恵にあたっているのが何とも心苦しい。

とは言っても、この家からものの五分もかからない場所に住む村の皆は、元来機械類があまり好きではない。それに彼らは昔ながらの独自の知恵で、誰もがしっかり暖を取っているのだから、私が別に気にする必要はないのだけど、それでも何となく気になってしまう。
熱だけでなく、音さえも奪っているかのように錯覚させられるほど静まりかえった森を見渡すこの家は、私の両親がこの惑星に来た時に建てたものだ。

「澪?」
不意に後ろから名前を呼ばれた私は、ほんの少し肩を揺らす。
私は首だけ後ろに向けてみると、肩にバスタオルをかけた律が立っていた。
いかにもお風呂上がりと言った感じだ。
「律、ちゃんとゆっくり入ってあったまったのか?」
「大丈夫だよ。いいお湯でした」
律はそう言いながら頭からバスタオルを被ると、ワシャワシャと音を立てた。

「澪はそんな所で何してるんだ?」
「別に。何となく外の風に当たってみたくなっただけ。…て、ちょっと律」
私は風呂上がりの律にはこの寒さはよくないだろうと思い、手で止めるジェスチャーをしたけれど、彼女は気にした様子もなく鼻歌交じりに私に近づいてきた。

「…まったく、風邪ひくぞ」
「大丈夫だよ。それに澪だってずっとここに立ってたら寒くて風邪引くだろ」
「まだ出てからそんなにたってないよ」
律にそう言い返したつつも、体はそれなりに冷えているのを感じていた。

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