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「Y・O・Iパロ」SS 第一弾「モンスター」02

Category : 【1】モンスター
ほら、人間たちだって不景気が続く昨今、会社だけに頼ってられるかーと、ばかりに独立したり副業始めたりするでしょ。あれと同じで人狼たちも、いかに闇の世界でもかなり上位にいるヴァンパイア、いわゆる吸血鬼とはいえども、そればかりに頼っていられないぜー…てな感じで個々人それぞれ勝手に動いているのが現実。

さらに私たちが仕えるべきヴァンパイア自身も、最近じゃ「科学でうるさいこのご時世だし、最近風紀も乱れて乙女の血を探すのも、なかなか大変だしね」とか何とか言って棺桶から起きるのさえ面倒くさがり、延々眠り続けるニートみたいなヴァンパイアも多くなっちゃった次第だ。

そんな訳で、もちろん私自身もさして誰かに仕える…なんて事考えたこともなく、人間界において気軽な人狼生活(て、なんか変な言い方だな)を楽しんでいる、のだけれどね。
しかしそんな私は、実は二年前まではとある事情で「ヴァンパイア」と一緒に暮らしてたりする。

だけど私とそのヴァンパイアの関係は別に「主人と従者」みたいなものじゃない。
そうだなー、今の私たちの関係は人間たちの言葉でいえば「幼馴染の友人」てやつかな。
たまたま私の両親が、ヨーロッパの小国にある古城で眠る幼いヴァンパイアを見つけたのがきっかけで、我が家で面倒を見ることになったわけ。

ああ、でも「面倒を見る」なんて父さんたちの前で言ったら怒られるな。
お世話させて頂く、とか言わないと。
モンスターと人間界の橋渡しなんて仕事をしているくせに、案外うちの両親は古風な処があって、ヴァンパイアを深く敬っている一面がある。ただ両親の考えがそうであっても、ほぼ見かけは同じ年にしか見えないその子に、私は従者としてより友人として接するのは当然だと思う。

小さい頃から一緒に居て、共に大きくなった私たち(ヴァンパイアの年齢とか、よくわかんないけど)は、今は人間として同じ高校に通っている。それはまずは人間界をよく知った方がいい、との両親の配慮からだった。
ちなみに中学までは私と同じ家に住んでいたのだが、高校になってからマンションを一室借りてそこに一人で住んでいる。それも私の両親がそう勧めたからだ。

「別に今まで通り、うちから通えばいいじゃないか」
高校に入学する前、私は再三両親にそう言って反対したのだが、私のその主張はまったく通ることはなかった。さらにその理由も聞いても、両親は教えてくれなかった。
結局、うちの両親からどうさとされたかは知らないが、私の「幼馴染」は大人しくそれに従った。
だから高校生になってからは、学校のある日はマンションまで迎えに行くのが、私の朝の日課となっている。今も迎えに行く途中、ちょうどマンションのエレベーターに乗った処だ。

「澪ー、迎えに来たぞー」
チャイムを数回鳴らした後で、私はドアに向かってそう叫んだ。
「そんなに鳴らさなくても聞こえてるよ」
そう文句を言いながらドアを開けた彼女は、長く伸ばした美しい黒髪を手で少し整えている。

あ、そろそろちゃんと紹介しておきましょうか、私の種族を超えた幼馴染。
古の世なら、深いヨーロッパの古城かなんかで我がマスターとして仕えていたかもしれない彼女。

彼女の名前は澪。秋山澪。

もちろんそれは由緒ある「真祖」の血を引く彼女の、人間界での仮の名前…。

To be continued… ??

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