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君の側にある旋律 【29】 嵐の前の静けさ(後編)-11-

Category : SS( 君の側にある旋律 【29】 )
ハロウィンの夜、生徒たちが思い思いのいわゆる「コスプレ」をして楽しむ…のだが。
「魑魅魍魎が跋扈する夜」に相応しく、生徒たちは吸血鬼とか狼男、もしくは定番のカバチャのお化けに扮し、照明をいつもより抑えた寮内を徘徊するのだ。
それが人一倍の恐がりである澪としては、なんとも勘弁して欲しい代物だった。

「大丈夫だって」
そんなに恐けりゃ、私の側に居たらいいよ。
律はそう言った後、少し照れくさくなったのかぷいと視線を澪から逸らした。
「…律」
「あー、でも私も今年はなんかまたコスプレしよっかなー」
恥ずかしさを誤魔化すように、律はわざとらしくそう言う。

「へー、どんなの?」
「そうだな…。やっぱ狼男、いや私の場合は狼女かな?」
そう言うとガオーとふざけたように吠える振りをふる律に、静かにしろと澪はたしなめる。
「結構いけると思うんだけどな」
「そうかな?律の場合狼というより、ただの雑種犬だな」
「なんだとー」と文句を言いながらも、律はワンワンと言っておどけてみせる。

「ほらほら、やっぱり。そっちの方が似合ってる」
「るせー。よーし、今年は狼男でいこう」
見てろ、ムギにお願いして無駄にリアルな狼男のコスプレを用意してもらって…。
と、そこまで言ったところで、映画の始まりを告げるブザーが鳴った。
「ほら、律。始まるから静かにしろ」
「へいへい」
ブザーと共に徐々に劇場の照明は落とされ、周囲が暗闇の染まっていく。

「律」
本編が始まる前のCMの途中で、澪は小さな声で隣り座る幼馴染に声をかけた。
「んー」
何?と律は聞き返す。
「…側に居てくれるの?」
小さな小さな、それこそ隣に居る律になんとか聞こえるくらいの声で、澪はそう聞いてきた。

澪の言葉を聞いた律は一瞬、ほんの一瞬だけ目を閉じた。
目に見えぬ、何か鋭いナイフみたいなもので胸を刺されたかのような痛みを堪えるために。

「ハロウィンの事?もちろん。このりっちゃんにまかせなさい」
そうだ、澪は狼男に捕らわれた赤ずきんの格好でもする?
そう言ってククッ、と律は声を殺して笑った。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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