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君の側にある旋律 【29】 嵐の前の静けさ(後編)-08-

Category : SS( 君の側にある旋律 【29】 )
「そんなの、そんなのどうかな、て思う」
「…唯」
「離れる前に思い出を、みたいなことして。それで後で澪ちゃんがもっと悲しむと思わないの」
「…」
「何があってもさ、別にりっちゃんは澪ちゃんの側にいればいいじゃん」
どうしてそう思えない訳、りっちゃんは。
そう話す唯には、いつもの能天気でほわほわした雰囲気は欠片もなかった。

はじめてみると言っていいような、真剣な表情を見せる唯を見ながら、律はあらためて半年程同じ部屋で共に暮らしている「平沢唯」という名の同じ年の友人をじっと見つめた。
彼女は自分のルームメイトで、さらにクラスメイトでもあり、同じ部活の仲間でもある。
そして時には命を賭けた仕事を共に行う、頼れる相棒…。

「唯、もう行っていいか」
完全に時間に遅れたよ、と抑揚のない声で律はそう言うと部屋のドアノブに手をかけた。
「りっちゃん!」
「…ありがとう、唯」
小さな声で律はそう言うと、律はもう唯の方を振りかえらずにドアを開けて出て行った。

***

ポップコーンとジュースを買いに行くから、ここで待ってて。
そう言うと律は早足でフード売り場に行ってしまった。
一人残された澪は、所狭しと並べられたこれから上映される映画のポスターの前で、彼女が帰ってくるのを待つ。

ぼんやりとポスターを見ていた澪は「映画観に来るの久々だなぁ」と内心で思っていた。
前に来たのは確か…そう高等部にあがってすぐの頃。
律が他のクラスの子からチケットもらったとかで、それで一緒に行こうかて言われたんだっけ。
澪はふとそんな事を思い出す。
今回も考えてみれば、同じようなパターンで律はチケットをゲットしている。

相変わらず社交的というか、八方美人というか。
澪はそんな律の性格を感心しながら、多少呆れてもいた。
子供の頃澪は、律の誰とでも仲良くなる性格を羨ましいと思っていた。
今ももちろんそうは思っているが、それだけではなくなっていた。
羨望以外の、なんだか少し醜い感情も感じていることに澪は気付いていた。

他のクラスの子たちと楽しそうに話しているのを見た時も。
夏休みに本家に戻った際に、家に仕える巫女たちと楽しそうに話をしていた時も。
二学期になって突然転校してきた立花姫子を学園を案内すると言って連れていった時も。
澪は本当は嫌な気分で一杯だった。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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