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君の側にある旋律 【29】 嵐の前の静けさ(後編)-01-

Category : SS( 君の側にある旋律 【29】 )
居ないわね。

姫子は内心で一つそう呟くと、重い頭を自分の両腕に預けた。

昼休みに姫子はクラスメイト数人と一緒にお弁当を食べた後は、少し眠くなったからといって友人たちから離れると一人眠そうに頬杖をついていた。
どこかうつらうつらと頭の中がぼんやりしてくる中、姫子は何気なくクラス全体を見渡す。
眠気でぼんやりしていながらも、姫子はそっと「魔眼」を発動させた。

普通の人にはない、異形の力。あらゆる「魔」や「霊」を見通す千里眼。
実は姫子のそれは、眠る前など意識がはっきりしていないときの方が力は強く出るのだ。
睡魔に身を預けそうになりながら、周囲を確認した後で心地よい眠りにつこうとしたが、無理な体勢をしているせいか、なかなか姫子の意識を預けきることが出来ない。

こんなに眠いのは、昨日報告書を書くのに時間がかかったせいだ。
姫子はそう思うと、少しだけ苛ただしい気持ちになった。
学費を全て援助する代わりに、学園での姫君の様子やその護衛の行動を逐一報告する。
それが報告書の受け取り主である、秋山の大叔父と交わした条件だった。

正直くだらない事をしているな、と姫子は思う。
だが自分自身の事もあるが、大叔父に頭が上がらぬ両親の問題もあった。ここは大人しく従っていた方が、立花家には得策だということは娘である姫子にはわかっていた。
秋山の大叔父は、権威主義で頑固な頭の固い老人であったがケチではなかったし、また「魔眼」の持ち主といっても、まだ高校生である姫子にそれ程きつい仕事を与えたわけでもない。

ただお前が見たことをわかる範囲で報告してくれればいい。
そう大叔父は言った。報告だって無理のない範囲でいいからな、とも。
けっしてまるっきりの悪人というわけでない。ただ頭が固いのだ。
それはもう大理石よりも固いんじゃないかしら、と姫子は内心でそう思うと少し笑う。

とにかく姫子はやや不本意ながらも、一度引き受けた自分の仕事をおろそかにするような真似はしなかった。数週間程前に、高等部寮の屋上で聞いた話もちゃんと報告している。
大叔父はさぞや驚いていたことだろう。なんせ土地神様まで絡んでいるんだから。
律に聞くと彼女の方もすでに「長」に報告済みだそうだ。

「協会」で緊急の会議も行われたそうだが、これといって打開策が急に出る訳もない。
また長が「娘の事は律君にまかせています」ときっぱり宣言したらしい。
なのでこちらから何かを仕掛けるのは、もうしばらく様子を見てからでいいと。
協会の幹部たちはもちろん長の言葉に全面的に納得した訳ではないけれど、かといってこれといった案が浮かぶ訳でもない。
結局不承不承ではあるが、承諾した形になったようだ。
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