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君の側にある旋律 【28】 嵐の前の静けさ(前編)-02-

Category : SS( 君の側にある旋律 【28】 )
だがいちごの手が伸びだ瞬間、亀はようやく自分の背後にいる存在に気付いたのか。
丸いくりっとした目をいちごに向けたかと思うと、そのまま突然四つん這いの大勢から、すくと後ろ脚で立ちあがった。

「な?」
僅かに驚いたいちごを尻目に、亀は二本足のまま大急ぎで歩く。
階段の踊り場にある窓の下まで行くと、右側の窓が少し空いているのを確認するように一度首を伸ばした後、後ろ脚を使ってポンとジャンプした。
亀の体は弧を描いて、窓の外へと吸い込まれるように消えていってしまった。

「な、なんなんだ…」
あんなに早く動けるなら、さっさとそうすれば良かっただろうに。
そう思ういちごだが、結局なんだかんだいってあっさり逃げられたことに気付いてやや気分が不快な気分になってきた。

「あの亀もどきめ」
何の用があるか知らんが、この学園で私に逆らったらただじゃおかないってことを今度きっちり教えてやる。
苦々しい気分の抱えながら、いちごは内心でそう呟いた。
だがいちごとしては、これ以上わざわざ探しに行く気はもうなかった。
私が気にかける程の存在でもない。
そう断定したいちごは、また屋上にでも行くかと踵を返した。

振り返ってすぐに、いちごは廊下の向こうから女性教師が一人歩いてくるのを見えた。
「あら、若王子さん」
教師はいちごのクラスの担任でもある、山中さわ子だった。
「こんにちわ、先生」
「こんにちわ、じゃないわよ若王子さん。今は授業中でしょ」
さわ子は苦笑交じりながら、サボリ魔の生徒を注意する。
「ええ、だから廊下に誰も居なくて歩きやすいですね」
担任の注意にも、どこかとぼけて返すいちご。

「もう。天才といわれる貴女だから高校の授業がつまらないのはわかるけど、出来ればなるべく出席してくれないかしら」
若王子いちごが特別な生徒であることは、学園の教師全員が知っていることだ。
「気が向いたらそうします、先生」
その気は毛頭ないが、いちごは一応そう答える。
以前学園の生徒を数人襲い血をすったことが学園側にばれていた。
だから今はあまり派手に動いて、これ以上学園側を刺激する気はなかった。

普段は大人しく、問題を起こさないようにしておこうかと思っている。
別に学園に居る結界師や退魔師たちが恐いからではない。
己にかけられたふざけた魔法が、彼女の「真祖」としての能力を抑えていること。
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ジャンル : 小説・文学

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