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いいなづけ -08- 大学生 秋山澪の場合【Last1】

Category : SS( いいなづけ 【Last-1】 )
そんな風に私が少し後悔していると、律は急に私の左手を取ってそのまま歩き出した。

「え、ちょ、ちょっとどうしたの、律?」
そう聞いても、律は無言のまま私を引張ってずんずん歩いて行く。律は少しきょろきょろと周囲を見渡すと、ちょうどビルとビルの間にある狭い通路に私を連れて入って行った。
ネオンから少し離れたそこは暗く、街の喧騒が少しだけ遠くに感じる。

「な、なんだよ、いきなりこんなとこへ」
けっこう強く握られていたので、手も少し痛いしさ。
訳もわからず連れてこられた私は、まだちょっと不機嫌な表情を見せる律にそう文句を言ってみる。でも律は何も答えぬまま、不意に私の両手を掴んだ。そのまま私の背中をビルの壁に押しつけるようにしたかと思うと…。

私にキスをした。

「…!!」
突然の事に、私は内心かなり驚いていた。
いくら人通りから離れ、隠れるように暗い裏道に入ったとはいえ、正直こんな場所でキ、キスするなんてありえないのだけど。
でも私は律を振り払おうとはしなかった。

何度かキス(しかもちょっとその…深い方)をした後、律はようやく私から体を離した。
「ごめん」
抑えていた私の両手から離すと、少し赤い跡が残る私の手首を見て律は申し訳なさそうにそう言った。
「…大丈夫だけど。もうちょっと力抜いてよ」
なるべく私は冷静を装おいながらそう言ったけれど、顔はもう真っ赤になっているに違いない。

少しだけ痛む手と熱い頬を持て余す私は、手加減しろよな、もうと内心では文句を言っていたけれど、律の少しバツが悪そうな表情を見ていると、なぜか私の方が少し申し訳のない気持ちになる。やっぱり今日はすぐに帰れば良かった…。

「あ、やばい。まじ急いで戻らなきゃ」
少しだけ気まずい雰囲気になっていた私たちだが、律がハッと思い出したように顔を上げてそう言った。そうだ、律は店に戻らなきゃいけないんだっけ。
私たちは慌ててその場から表の道へと戻った。すぐに明るい街の光と通り行く人たちの喧騒が私たち二人を包む。

「バイト、頑張ってな」
「ん。澪も気をつけて帰れよ」
律はそう言うと私に背を向けて、素晴らしいスピードで走り去って行く。

私は人々が行きかう表通りの道端で、彼女の後ろ姿が見えなくなるまでずっと見ていた。

To be continued…
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