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君の側にある旋律 【27】 西からの転校生/最終章 -13-

Category : SS( 君の側にある旋律 【27】 )
律は澪を起こさないように注意しながら、少し彼女から体を離した。
片腕に自分の頭を乗せて枕にし、もう片方の手でずれた毛布を掛け直すと、そのままその手で澪の体を軽く抱きしめた。
「澪…」

いつかは離れる時が来る。

それはわかっていた、もうずっと前から。それを承知で長にお願いしたのだ。
お嬢様の護衛をさせていただきたいと。

澪の力がいつ目覚めるのか?
それは幼いころはまだはっきりしていなかったが、常に彼女の側に居た律には、だんだんとわかってきていた。それはもう決して遠くないと。
その時が来れば、澪の眠る力が目覚めたその時は…。

「なあ、澪。明日はどこに行こうか…」
律は先程から隣で自分に体を寄せたまま、小さな寝息を立てている彼女にそう聞いてみる。

そういえば行ってみたい店があると澪が言っていたっけ。
よし、まずはそこだな。澪に似合う服は…まあ、何でも似合うけどな。
とにかく私が選んでやろう。…いや、それは要らぬお節介てやつかな。
でも澪は優柔不断だからな、最後は私の押しが必要なんだよな、うん。

他にもいろいろお店を歩き見てー、んでお昼だな。何がいいかな?
まあ、澪しゃんの事だからー、おっしゃれーなイタリアンとかがいいんじゃないかな。
カロリー高そうなのを選んだら、また太るぞってからかってやろう。
怒るかな、怒るだろうなー。

「あはは。…あー、楽しみだなぁ」
そう言った律の気持ちは、けっして嘘偽りのない気持ちだったけれど、その声はとても弱弱しかった。律はただ暗闇の中で目を開き、すぐ側で安心しきって眠る幼馴染であり親友であり、…そして我が唯一「主」をじっと見つめる。

たとえその時が来て、澪と離れる時が来ても。私はずっと君を守る。
どこに居ても、どんな時も。会えなくても澪の側に居るよ。
でも、澪。そうなる前に、あとほんの少しだけ澪の傍に居させて。
あと僅かな、刹那な時間を私はこれからもずっと覚えておくから。

「澪、好きだよ…」
眠る彼女に聞かれないように、小さな小さな声で律はそう呟く。
彼女が起きている時には言えない言葉、けっして言ってはいけない言葉。
何も知らなかった、無邪気な幼いころとはもう違うことを、律は誰よりも理解していた。
でも今だけは許して欲しいとばかりに、律は少しだけ手に力を入れると彼女の体を抱きしながら目を固くつぶった。

すでに時刻は草木も眠る時間をとうに過ぎている。
だが律の体は、少しも眠りの門を叩こうとする様子もなかった。

end
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ジャンル : 小説・文学

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