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君の側にある旋律 【25】 西からの転校生/第五章 -09-

Category : SS( 君の側にある旋律 【25】 )
「くそ!」
姿が見えないのは仕方ないとしても、僅かな気配すら感じられないとは。
子供の頃から鍛練した「気」を持ってしても、まるで捉えらることが出来ない霊体に、律は苛立ちを隠せなかった。

「澪」
床に倒れたままの我が「主」を、律は急いで抱きあげた。
気を失っているようだが、どこにも怪我した様子のない澪を見て律はホッとする。
彼女をベットに運んだ後、律ははずしたカチューシャで再度前髪を上げると、すぐに部屋を飛び出した。すでに消灯時間を過ぎた寮の廊下は暗かった。
ほんのりと淡い蛍光灯だけが周囲を照らしている。

無駄だろうと思いつつも、律は寮の各地に配備している式神たちに探索を命じてみる。
だが式神たちが見つけられるのなら、当の昔に報告があっただろう。
「なんて隠密性の高い霊だ」
あの唯すら気付かないのだからなかなかのものだな、と律は内心で感心したが、今はそれどころじゃないと思い直す。

律は慎重に周囲を見渡しながら廊下を歩く。
しばらくして少し離れた場所から、誰かの叫び声が聞こえてきた。
「あっちか!」
暗闇の中、慌てて声のした方へ向かう。
しばらくすると律のクラスメイトを含む数人が、興奮した様子でそれぞれ何か話しているのが見えた。

「あれ、律?」
チーム毎に分かれて幽霊探しをしているクラスメイトの一人が、律に気づいて声を掛ける。
「あんたも参加してたっけ?」
「いや、そうじゃないけど。何かあったの?」
「あった、あった!さっきさ、私らの前をスーと何か白いもんが横きったんだよ!」
横から別の子が、律にまだ興奮した様子でそう言った。

「どっちに行った?」
「あっちの方にスーとさぁー、もうびっくり!」
参加しといてなんだけど、絶対居ないと思ってからさー。
そう言うクラスメイトに軽く礼を言うと、律はまた急ぎ足で廊下を歩く。
歩く途中で、そこらかしらから悲鳴が聞こえてきた。
- 見た見たー!
- マジー!?写真!、写真撮れたー!?
断片的に聞こえてくる話の内容を耳にして、律は小さく舌打ちした。

「あの霊体へ。わざと姿を見せているんじゃないだろうな」
退魔師である律自身、気配すら感じる事ができなかったのだ。
なのに一般人である皆が見えているということは、霊体自ら姿を見せているに違いない。
「一体、何が目的なんだ?」
律は首を傾げつつ、寮内を早足で歩いて行く。

見えぬ何者の存在を、追いかけながら…。

To be continued…
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ジャンル : 小説・文学

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