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月を見上げて -06-

Category : SS( 月を見上げて )
「あずにゃんは誰にも渡さないもん!」
「そうだね、今回はちょっと急すぎるから。やっぱり結婚は両家のご挨拶から…」
毎度の如くいちゃいちゃしている夫婦を尻目に、思いっきり孫に抱きつく唯おばあさん。
いまだどこか誤解したままなのか、世間的な常識問題を口にする憂おばあさん。
そんな二人の祖母にも、内心でまた溜息が出る姫君。

どこか呑気な様子の家族を見ながら、姫は内心では悲しい気持ちで一杯になっていました。いかにムギが引きつ入れてきた兵士たちを持ってしても、月の使者を追い払うことなど出来ない事を梓はよくわかっていたからです。

「梓、心配するな!私たちとムギでお前を絶対守ってやる」
妻を腕に抱きながら堂々とそう言って笑う父。
「ま、実質的に戦うのは、都の兵士だと思うけどねー」
その父の横で他人事みたいに話す祖母を見ながら、「かぐや姫」は悲しそうな表情を浮かべながら顔を俯かせるのでした。

***

満月の夜。
かぐや姫が住む家の周りには、都から来た剣や槍を手にするたくさんの兵士たちと、噂を聞いた近隣の住民たちがやじ馬よろしく集まり、周囲はお祭り騒ぎと化していました。

「えー、かぐや姫まんじゅうはいかがっすか~、まんじゅう~」
「はーい、まだチケット余ってるよ。今ならまだかぐや姫が月に帰っていくのを見るためのいい場所残ってるよ」
「姫が月に帰って行く方に20銭!」
「こっちは都の兵士たちが勝つ方に10銭だ!」
露店や行商、さらに賭け事まで。
何か勘違いしている人々で小さな村はごった返していました。
今宵満月の下、何がおこるのやらと人々は期待を胸に楽しんでいる様子です。

「なにか間違っているような…」
「どうしたの、梓ちゃん」
縁側に座り月を見上げながら、「竹取物語てこんな話だったっけ?」と悩む姫に、律から連絡をもらってすぐに兵士を引き連れてやってきたムギが話かけてきました。
「ムギ様。いえ、ちょっとしたカルチャーの違いを感じていたというか…」
「あら、平安時代なのに横文字はご法度よ、姫君」
くすくすと笑いながらそう言う宰相に、梓は一応「そうですね」とは答えたものの、内心では携帯で父と連絡を取り合っているムギ様に言われたくないと思っていました。

周囲の楽しそうな喧噪を耳にしながらも、梓の心は悲しみに揺れていました。
どうあがいても、自分が月に帰ることは決定事項。
父や母、祖母たちやムギ様の気持ちは嬉しいが、これは変えられないのだと。

「梓ちゃん」
目に僅かに涙を浮かべる姫の頬に優しく触れながら、女宰相は姫の名前を呼んだ。
「泣かないで。私たちが側に居るわ」
「ムギ様…」
「そうだぞ、梓」
そう言って部屋に入ってきた澪も、梓の側に座ると頭を優しく撫でました。
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