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君の側にある旋律 【24】 西からの転校生/第四章 -03-

Category : SS( 君の側にある旋律 【24】 )
「だから第二段発行もこりゃありかな、てムギちゃんと」
「なにがこりゃありかな、だ!」
「でもね、りっちゃん。…この昨今デフレが進む日本で珍しく需要が供給を上回るこの本は、やっぱり貴重な存在だと思うのね。だから今後も需要の声に答えて生産を止めることはよくないのかなって私は思うんだけど…」
「意味不明な長い言い訳はもういいから、ムギ…」
ムギの流暢かつ滑らかな、留まる事を知らないかのような話を律はすっぱりと止める。
それにしても一学期の終業式で散々律に文句を言われたのに、ちっとも応えていない学園創業者の曾孫にして優雅なお嬢様。

「とにかく駄目!」
断固反対する部長に「えー」「そう…」と残念そうな部員二人を冷めた目で見ながらも、律は内心では慌ただしく思考を巡らせる。
冷静に考えたら学園でこんな本発行しているなどと長にばれたら…。
しかも私も黙認してたなんて知られたら。いやいや、長の前に姫子だ。
この事を知ったら絶対あの爺さんに包み隠さず報告するに違いない。

姫子は別に私に悪意を持っているわけじゃあないとは思うが、知り得た情報はそのまま垂れ流しなのは間違いない。あのうるさいジジイに知られたら、長の耳に入るのも時間の問題だ。
律の脳裏に鮮やかに浮かぶのは、口元が微笑んでいても目が笑っていない長の姿。
「い、いろいろおしまいだ」
「何が?」
「…い、いや。とにかくもう駄目!第二段は無し!」
強硬に反対する秋山家の護衛。
それを見て「残念だわ」と言いながら、ため息をつくのは学園のお嬢様。

「どうしても駄目かしら…。今回は第一弾よりもっと貴重な写真が撮れたのに」
「駄目に決まって…貴重?どんな?」
再度発刊を禁止する旨を宣言しておきながら、そこはちょっと気になる律。
そんな律に穏やかな微笑を向けながら、ムギは少し思い出すかのように視線を上に向ける。
「大した写真じゃないんだけど、そうね、例えば…」

夏休みに行った、合宿最後の日の深夜に撮った写真とか…。

クスリと口元に少し笑みを浮かべながらムギがそう言うのを聞いた瞬間、律は思わず体を膠着させてしまった。

動悸が激しくなる胸を抑えて、律はギギギと音を立てながら体ごとムギの方へと向けた。
「………………………ムギさん。い、い、今、なんて?」
聞きながら、背中には嫌な汗が流れるのを律は感じていた。
最後の日の「深夜」が…なんだって?

「へー、どんなのムギちゃん?」
「うふふ。唯ちゃん、見てみたい?」
己のムームメイトの動揺を尻目に「見たいー、見たいー」と叫ぶ唯。
律の胸に嫌な予感がぐるぐると渦を巻く。
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