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君の側にある旋律 【23】 西からの転校生/第三章 -09-

Category : SS( 君の側にある旋律 【23】 )
「…おい、澪」
「だ、だ、だって今、ゆ、ゆう」
「誰かがふざけて言ってるだけだって。なんだよ、今頃。夏はもう終わったよ」
律がそう言っても、澪は離れそうにもない。
「毎年この手の怪談騒ぎがあるけど、どれも嘘くさいだろー」
少し震える澪の背中を優しく触れながら、律は「大丈夫、大丈夫」と言って澪をなだめた。

「そ、そうだよね。はは、まったく悪ふざけはやめて欲しいなぁ」
律になだめられて少し安心したのか、澪は引きつった笑いを浮かべながらもそう言った。
まだ怖さは多少あるのだろうけど、なんとか落ち着いたようだ。
「相変わらずの怖がりだな、澪は」
「う、うるさい」
「はは、まあまあ」
少し拗ねたようにそっぽを向く澪に、律は笑ってまたなだめようとする間にも、まだ部屋の外からは複数の声が聞こえて少し騒がしかった。

「幽霊なんて、何かの間違いだろうけど…」
でも何かあったのかな?と澪は部屋を出てみようかと、今だしがみつく幼馴染の腕を放そうとした時、律の手が彼女の左腕を掴んだ。
「出る必要ないよ、どうせ単なるお祭り騒ぎの一つなんだから」
「…そうかな」
「そうだよ。おやー、澪さん。やっぱりまだ怖いのかな」
少しからかった言い方をする律に、澪はまたすぐにムッとした表情を見せる。

「ま、まだ怖いなら、今日はこのりっちゃん様が、澪と一緒に寝てあげようかー?」
「…え?」
からかわれて少し腹立だしい気分だった澪は、律のその言葉に少しドキッと胸を高鳴らせる。
「そ、そんなの…」
「へへへ。たまにはいいじゃん。ムギに代わってもらってさ」
ヘラヘラと笑う中にも、どことなく自分の身を案じる様子が目の前の幼馴染から澪は感じられた。律はいつだってそうだった。なんだかんだいって、いつも自分が本当に不安な時や悲しい時は、さりげなく側に入てくれる。

「な、そうしよ」
「…」
いつもの澪なら表面的には「ま、律がそうしたいならしょうがないな」なんて素直じゃない言い方をしながらも、彼女の提案を受け入れるのだけれど。
「…いい」
「え?」
「別にいいよ。もう怖くないし」
なぜだかわからないけれど、今日はどうにも素直になれない気分だった。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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「…おい、澪」「だ、だ、だって今、ゆ、ゆう」「誰かがふざけて言ってるだけだって。なんだよ、今頃。夏はもう終わったよ」律がそう言っても、澪は離れそうにもない。「毎年この手の怪談騒ぎがあるけど、どれも嘘くさいだろー」少し震える澪の背中を優しく触れながら、律...
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