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君の側にある旋律 【22】 西からの転校生/第二章 -05-

Category : SS( 君の側にある旋律 【22】 )
「さてと。話はこれで終わりにしていい、律?」
もう私行くわね、と言って姫子はフェンスから離れてドアに向う。

「話はもう無いけど。…おい、ちょっとまだ寮には」
「わかってるわよ、歓迎会の準備中なんでしょ」
一時間くらいはどこかで時間潰すから、心配しないでいわよ。
律に背中を見せながら、姫子はスタスタと歩いていく。
「じゃあ、また後でね、律」
ドアに手を掛けた姫子は律に笑ってそう言うと、屋上を後にした。

屋上に一人取り残された律は、先程姫子が居たフェンス際に向ってゆっくりと歩き出す。
フェンスの向こうに見える運動部の練習をぼんやりと見ながら、律は姫子と話した内容を思い返していた。

***

「また厄介事のタネが増えたんじゃないか、律」
ぼんやりと立っていた律の後ろから、なんとも愉快そうな声が聞こえてきた。
「…盗み聞きなんて、あんまりいい趣味じゃないぞ、いちご」
律は振り向くことなく、後ろに居る相手にそう返してみる。

「盗み聞き?人聞きの悪い」
私は元々ここに居たんだよ。
律と同じクラスで万年授業をサボっている若王子いちごはそう言うと、音もなく律と同じ屋上に舞い降りてきた。律と同じ一年A組に所属する若王子いちごは、屋上にあるコンクリート製の物置の上で、日向ぼっこよろしく眠っていたようだ。

「吸血鬼のくせに、日向ぼっこなんてしていいのか、いちご」
第一まだ暑いだろうに、今は。
そう言いながら律は後ろを振り返ると、そこには腕を組んで仁王立ちしている小柄な少女。
彼女は正体は人間ではない。
学園最強の魔法使いであり、百年以上生きているヴァンパイアだ。

「私のことなんてどうでもいいだろ。それより律、お前も報われない奴だなぁ」
どこかニヤニヤとした笑いを浮かべながら、学園内で堂々と昼間姿を現すヴァンパイアは、少しも同情した様子もなくそう言った。
「はぁ、何が?」
「お前はあの姫君のために、それこそ日々命張って頑張っているというのに」
それらがまったく秋山家では評価されもしない。
それどころかお前の失脚を狙って、同級生のスパイまで送られる始末だもんなぁ。
いちごはそう言うと、クスクスと笑い始めた。

「気の毒になぁ」
「…ちっともそう思っているようには見えないけど。一応お気遣いいただいてどうも」
いちごの態度を少々苦々しく思いながらも律はいつものこと、とさして気にもしなかった。
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ジャンル : 小説・文学

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