スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

先輩たちの事情【4】 - 10 -

Category : SS( 先輩たちの事情 【4】 )
「いや、ほら、あの、い、家もこうして近いしさ」
それにもう冬になるだろ、そしたら日が暮れるのが早くなるしさ。
そしたらまた変な親父が出るとも限らないし、危ないじゃん。後さ…。
少し早口になって話す彼の声を聞きながら、私は胸が一杯になるのを感じていた。

「だから、つまり…」
「一緒に帰ってくれるの?」」
「その、へ?あ、うん、もちろん」
「なら嬉しいな。最近日が暮れるの早いから、本当は少し怖かったんだ」
田井中君が居てくれれば、安心して帰れるし。
私は胸の内に広がる動悸を抑えながら、何とかそう言うことが出来た。

「そ、そうか!いや、そのほうがいいよ。最近は物騒だからな」
ボディーガードは任せてください、と彼は傘を持った手の方で力こぶしを作った。
「ほら、そんなことしたらまた濡れるよ」
私はクスクスと笑いながら、彼にそう言うと「大丈夫、大丈夫!」と彼も笑いながらそう言った。

「じゃあ、明後日待ってるから」
あ、紬にケーキとお茶用意させておくから、と付け足す彼。
「え、そんなの悪いよ」
「いいから、いいから。じゃあな!」
そう言うと、彼は歩いていってしまった。
雨のせいで視界が悪くなる中、私は彼の後ろ姿をそっと見つめていた。

しばらくして家の中に入った私は、自分の部屋に戻った途端「キャー」と、小さく叫びながら制服のままベッドに飛び込んだ。
枕を胸に抱えこみ、私はしばらくベッドの上を転がりまわる。
自分でも何をしているんだろうと内心呆れつつも、どうにも止められない衝動。
「また一緒に帰れるんだ…」
そう思うと、ますます胸に抱えた枕をギュッと握り締めてしまう私。
それだけじゃない、これからは彼が居る軽音部にも行く理由がちゃんと出来たのだ。
軽音部が演奏する曲の、歌詞を書くという名目で。

「そうだ、歌詞…」
ようやくベッドの上での無駄な動きを止め、立ち上がった私は机の引き出しに入れておいたノートを取り出した。
それを見ていると、嬉しいのと同じくらいの恥ずかしさやプレッシャーが私の胸を襲う。
それでも今の私なら、なんだかいい歌詞がいっぱい書けそうな気がして、我ながら気合はばっちりだった

「頑張らなきゃ」
私は小さくそう呟くと、制服から部屋着へと着替え始める。
下にママが用意してくれているだろうおやつと、他にも温かいココアを用意して。
それから新しい歌詞をじっくり考えよう、とそう思いながら…。
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

Trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめteみた【書き人知らず】

「いや、ほら、あの、い、家もこうして近いしさ」それにもう冬になるだろ、そしたら日が暮れるのが早くなるしさ。そしたらまた変な親父が出るとも限らないし、危ないじゃん。後さ…。少し早口になって話す彼の声を聞きながら、私は胸が一杯になるのを感じていた。「だから...
プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。