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先輩たちの事情【4】 - 06 -

Category : SS( 先輩たちの事情 【4】 )
「ま、いいや。それでどうかな?」
「え?」
「歌詞だよ。書いてくれるか?」
「…」
琴吹君でも、うちの部長でもない。
彼に正面からそう聞かれて、私はなぜか少し黙ってしまった。
頭の中ではいろいろな思いが、洗濯機のようにぐるぐる回っていてうまく言葉に出来ない。

「一度承諾してくれた後でいろいろあったしな。別に嫌なら気にせず断ってくれていいよ」
「…そういう訳じゃあ」
嫌な訳じゃあないんだけど、でも。
「秋山はさ、小学生の頃はいっつも本ばっか読んでたよな」
「え?…うん」
まとまらない頭を抱えながら、不意に昔の話を持ち出した彼に私は首を傾げる。

「今も文芸部入ってる訳だし。本、好きなんだな」
「まあ、そうだよ」
確かに本を読むのは好き。詩や小説を書くのも。でも私は…。
「俺、この間部室で文芸部の部長には、はっきり断ったけどさ」
「…うん」
「俺らの問題で、秋山に迷惑は掛けたくなかったんだ」
「…」
そう言った彼の声は少し低かった。

それには私だって気付いてた。
彼が私のことを思ってあの時先輩との間に割って入ってくれたのだということぐらいは。
内心そう思いながらチラリと横に居る彼を見たけれど、傘に隠れて彼の表情は見えない。
「でも部長さんも今は認めてくれたし、紬や唯も秋山の歌詞を期待してるみたいだしな」
だから、良ければ頼むよ。
傘を少し横に向け、私に向けて軽く頭を下げる彼。

そんな彼に私は内心では歌詞を書くのは構わないんだよ、と答えていた。
ただ問題はそれじゃなくて、そうじゃなくて…。
「田井中君は?」
「え?」
「田井中君自身は、私に歌詞を書いて欲しいと思っている?」
だって彼はロックが好きで。
私が書く詩は「ロック」に合っているかと聞かれたら…きっとそうじゃないと思うし。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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