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先輩たちの事情【3】 - 06 -

Category : SS( 先輩たちの事情 【3】 )
「悪い、すぐに返そうと思ってたんだけど。なかなか機会がなくて」
それはちゃんと洗濯して、アイロンもかけておいた小さなタオル。
俺が真面目にアイロンなんてかけてるから、弟の聡が「似合ねー」なんて言われちまったけど。
「ありがとな、助かったよ」
「…」
俺がそう礼を言うと、彼女は無言でハンカチを受け取った。

「あ、あと傘も返さないとな。借りっぱなしで悪いな」
…せっかくあの時彼女から傘もタオルも借りたのに。
根が不精な俺は、その後の行動が悪くて風邪を引いてしまった。
だがどうやら彼女は俺が風邪を引いたのは、自分のせいだと思ったようだ。

ライブ終了直後にぶっ倒れて保健室に運ばれた俺は、その後の記憶をぼんやりとしか覚えていなかった。保健室のベッドの上でふと目を覚ますと、すぐ側に彼女が居た。
俺はそれがすごく嬉しかったが、彼女はずっと側で泣いていたような気がする。

彼女が泣いているのは、きっと俺のせいだろう…すぐに俺はそう思った。
泣いて欲しくなどないのに、いつも泣かせたり、困らせたりと。
ガキの頃から変わらない、馬鹿な俺…。
だからこれ以上、彼女に迷惑掛けるようなことはしたくなかった。

「…いいよ」
「そうだ、傘は今度家に持っていく…ん?」
そんな風に俺が考えている間にも、話している間ずっと顔を俯かせていた彼女がポツリと何か口にしたが、その声は小さくよく聞こえなかった。

「あ、ごめん。何か言った?」
「傘、なんていいよ」
「え?いや、よくは…」
「別にいい。あげる」
それだけ言うと、彼女は勢いよく踵を返してドアの方へ向かう。
「お、おい」
「お邪魔しました」
短くそう言うと、彼女は小走りになりながら軽音部の部室を出て行ってしまった。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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