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先輩たちの事情【3】 - 05 -

Category : SS( 先輩たちの事情 【3】 )
「…え?」
彼女が零した小さな声が、俺に耳に軽く触れた気がした。

「り、律君?」
「おい、律…」
紬や先輩が呼ばれても、俺は何も言わず目で二人に訴えるだけだった。
「…そ、それで本当にいいの?」
「はい、結構です。お騒がせして申し訳ありませんでした」
部長の確認に俺は迷うことなくそう言うと、一度頭を深々と下げた。

「律君、本当にいいの?」
背中越しに唯が心配そうにそう聞いてきたけれど、俺は何も答えなかった。

…これでいい。軽音部の問題で、彼女に迷惑は絶対に掛けられない。

内心で俺は強くそう思っていた。
頭を上げると今度は文芸部の部長から彼女の方へと俺は体を向ける。
「無理言って悪かったな」
そう言って彼女にも一度頭を深く下げた。

「あ、それと部長」
再度顔を上げた俺は、事態の成り行きに少し呆然としている文芸部の部長に声を掛ける。
「な、何かしら?」
「俺から言うのも筋違いとはわかってるんですが…」
良かったら先輩と一度ゆっくり話しあってもらえませんか。
部長の側に行くと、俺は小声で囁くようにそう言った。

「え?」
「先輩、本当はちょっと寂しかったんですよ。部長さんがあんまり会ってくれなくて」
俺はそう言うと、少しだけ二ヒヒと笑った。
「え?あ、そんなこと…」
「先輩案外寂しがり屋なんで。受験頑張らないといけないのはもちろんなんですが、ちょっと甘えさせてやってくれませんか」
「おい、律!お前何さっきからこそこそと話してるんだよ!」
皆には聞こえないように小声で部長と話す俺に、先輩の少し慌てた声が聞こえてきた。

「あはは。別に何でもないですよ、先輩」
「嘘つけ!なんか余計な事言ってるだろ!」
縄でくくりつけられた椅子を揺らす先輩の顔は少し紅い。
まあまあ、と紬や唯が宥める様子を見ながら、俺はふとある事を思い出した。
部室にある長椅子に置いてあった鞄を手に取り、中身を確認する。…あった。

「秋山」
隣で少し顔を紅くしている部長を、ぼんやりと見つめていた彼女に俺は声を掛けた。
「え、なに?」
「これ、返すよ」
そう言って彼女に手渡したのは、この間雨の日に彼女が俺に貸してくれたハンドタオル。
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ジャンル : 小説・文学

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