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ロシアンチョコレート【後編】 -01-

Category : SS( ロシアンチョコレート 【後編】 )
沈黙が軽音部の部室内を包んでいた。

「あ、あー、美味しかった、なあぁぁ…」
重苦しい沈黙(と私は感じていた)を吹き払うかのように。
我ながら嘘臭い陽気な声でそう言っても、背中では嫌な汗が止まらない。

今日は毎年恒例の冬のイベント、バレンタインデー。
放課後、皆で貰ったチョコの試食会をする予定だった私たちだったが。
しかし出会い頭の不幸な事故のせいで、私と唯、和はいまだ一つもチョコを食べていない状況だった。さらに私の「許婚」でもある澪と、チョコを巡って?さっきから何となく険悪な雰囲気になってきてしまった。

いや、頭ではね「止めろ、止めろ」との警告がガンガン流れてたんだけど。
わかっていても、どうにも止まらない時ってあるじゃん?
そんな訳で只今、澪から私に注がれる鋭い視線を、内心冷や汗かきながら全身で受けている私です。ああ、この後どんな惨劇が私に襲い掛かるかと思うと、何だかちょっと寒気が…。

「律」
「な、なんだよ」
表面はなんでもないように装っても、声に動揺が現れる私。あー、どしょ。
「その、それ…」
だが私の予想に反して、澪の声に怒りはまったく感じられなかった。
「ん?」
「だから、それ…そんなに美味しかった?」
澪は妙に恥ずかしそうにしながら、ためらいがちにそう聞いてきた。
「へ?…ああー、すんごい美味しかった。今日始めて食べたチョコだけど、これはアタリだね!」
まだ何か止められない気分の私は、「あー、もうどうにでもなれ!」的にそう言い放つ。
もちろん内心涙目。

「そっか、…なら、良かったけど」
「ああ、もう最高だったね!…て、ん?何が良いんだ?」
あまり怒った様子が見られない澪に、私は不思議に思ってそう聞き返してみる。
よく見れば澪はちょっと頬を赤く染めて、なんだかすごく嬉しそうな感じだ。あれ?
「いや、そんだけ美味しいって言ってもらえたら、作った甲斐あったし…」
ん?ん?

「良かったわね、澪ちゃん」
「うん。…ありがとう、ムギ」
やっぱりムギが選んでくれたチョコの素材が良かったんだ、と嬉しそうに話す澪に、そんな事ないわよと笑って答えるムギ。
あれ、もしかして今食べたの…。
「トリュフはちょっと自信がなかったんだけど。うまく出来てよかったよ」
にっこりと笑みを浮かべる澪を見て、私は内心ようやく腑に落ちた。
これ、澪が作ってくれたチョコだったんだ…。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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