スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-07-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
「…律、ちゃんとあったまってるか?」
深くお湯に浸かりながら、山の中で唯と話したことを思い出していた律。
だがドアの向こうから聞こえる澪の声を聞くと、すぐに意識を学園へと戻した。

「あったまってるよ」
てゆうか、もう熱いくらいだ、と律は内心でそう呟く。
「ならいいけど、私たちのことは気にせずゆっくり入るんだぞ」
私たち、とはムギを含めているのだろう。
「もう遅いのに悪いなあ」
「いいよ。ムギもいいって言ってくれてるし」
「サンキュ。ムギにも言っといて」
お風呂の影で澪が頷いたのを見た律は、もう少し入ったら体を洗おうと考えていた。

「…律」
「ん?まだ、居るのかよ。ちゃんと入ってるってば」
「そうじゃなくて。あの…プレゼントありがと」
「え?…ああ、いや、別にそんな大したもんじゃないし」
雪で濡れてなかった?と聞くと、大丈夫との返事。
律が澪に渡したプレゼントは淡いクリーム色のマフラー。

「なんかすごくあったかいな、これ。肌触りもいいし…」
「そうかな、だったらいいんだけど。まあ、そんな大した物じゃないから」
澪に気を使わせないように、律は気軽な感じでそうは言ったが。
本当は、そこそこに良い値段のする代物だった。
普通の中学生がおこずかいで買うには、かなり無理がある金額。
今回の「鬼」退治の報酬がかなり良かったので、律は結構奮発したのだ。

今、澪が大事そうに手に持っているマフラー。
だがそれは実は、親友がとても危険な仕事をして得た報酬で購入した。
「ありがとう、大事に使わせてもらうよ…」
…そんな事を知る由もない澪は、お風呂のドア越しから嬉しさを隠せないような声でそう御礼を言うと、脱衣場から出て行った。

だがマフラーを購入するまでの経緯はどうであれ、澪の嬉しそうな声を聞いて律は外からだけでなく、体の内側から温かくなっていくような気がした。
「ふふ、あはは」
お風呂の中で、律は何となく笑ってしまった。
ひとしきり笑い、満足した様子の律だったが、ふとある事を思い出すとやや表情を固いものに変える。

平沢本家の長女が今年の春、澪が居るこの学園に入学する。

それを唯本人に直接聞いてからずっと、律の心の片隅に小さく引っかかっていた。
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。