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君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-05-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
平沢本家の長女、唯とは律は以前一度だけ共に「鬼」退治をしたことがあった。
それは律がまだ初等部に居た時で、実戦に出てまだ間もない頃だった。
唯も同じように、まだそれほど実戦慣れしてはいなかったが、すでにその名は裏の世界では知られていた。

「魔封じの一族としては名門の、平沢家の長女だからな」
秋山家の眷属とはいえ、他の者からほとんど関心を寄せられることもなく、実戦では放っておかれることが常であった律は、少し吐き捨てるような口調でそう言うと、ますます体をお湯に深く沈めた。
徐々に熱くなってボウとしてくる中で、律は有名な一族の本家の長女として生まれた少女の、別れ際に言った言葉を思い出していた。

***

律が「狗神使い」を倒し魔界に押し返したと同じ頃。
残っていた狗たちを全て、「封魔の円陣」に封印した唯。
二人は静かになった山の中で、白い息を吐きながら間を取って話していた。
「すごいね、りっちゃん。あんなに疲れた様子だったのに魔族を倒しちゃうなんて」
「…おたくも。あれだけの狗たちをもう全部封印したのか」
互いを讃えながらも、どこか張り詰めた空気が二人の間を行き来する。
どちらも裏では有名な、若き退魔師と封魔師の二人。

「私は本部に戻る。おたくはどうする」
「あ、私はここで失礼しまーす」
「…長に何も言わなくていいのか」
「うん。ちゃーんと協会の長さんには話してるから」
「そうか…」
「うん。会ったばかりでもうお別れなのは残念だけど。またね、りっちゃん」

名残惜しそうにそう言う唯に、じゃあと短く言うと律は彼女に背を向けて歩き出そうとした。
だが律は少し躊躇った後、また唯の方を向き直る。
「ん?どしたの、りっちゃん」
振り返って自分を見詰める退魔師の少女に、唯は少し首を傾げる。
「いや、その…」
「なになにー?」
無邪気に聞いてくる唯に、律はどこか気が抜けてしまう。

「いや、…今回は助かったよ」
「え?」
「だから、一応御礼言ってんだよ。あのしつこい狗たちにはちょっとばかり苦労してたからな」
少しだけ頬を紅く染めながら、律はぶっきらぼうな口調でそう言う。
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ジャンル : 小説・文学

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