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君の側にある旋律 【20】黒と白の世界の合間に (後編)-02-

Category : SS( 君の側にある旋律 【20】 )
「もう一度言っていい?」
「言って欲しい、かな」
そう言ってクスリと律の耳元で笑う澪。
「うん、わかった。…澪、十五歳の誕生日おめでとう」
「…うん」
「生まれてきてくれてありがとう」
「…うん」
「私と、私と出会ってくれてありがとう…」
律はそう言うと、澪の背中に回す両手にほんの少し力を入れた。

「…律」
澪をまた、律の体をギュッと抱きしめる。
「あと、澪が私の只一人の使えるべき主になってくれてありが…」
「律、それはいい」
「え?」
「主とか護衛とか、今はそんなの聞きたくないから」
田井中家が代々、秋山家の護衛係を勤めていることは澪はよくわかっていた。
だから幼い頃、父が私に律を会わせたことも。
だがそんな昔の家同士の身分の違いがどうこうなんて、澪にはなんにも関係ない。
澪は律とはいつだって対等でいたいと願っているから。

「いや、でも一応澪は私の…」
「いいから」
澪は律の話を強引に遮る。そんなの聞きたくない、と彼女は心からそう思う。
律が幼い頃から私の側に居るのは家の、秋山の現当主である父様のお願いだからだろうか?
自分や弟の聡の学費や、その他の諸々を援助してくれている父に遠慮してるのでは。
…以前から時々澪はそう考えてしまうことがある。
けれどいつだってそんな考えを、必死になって振り払うのだ。
「…み、澪しゃん」
拗ねたような表情を浮かべる澪に、律は少々苦笑しているのを見ながら。
澪はけっしてそんな事はないと、自分で自分に言い聞かす。

こんな雪が降る寒い中。
私の誕生日のお祝いの言葉を言ってくれるために、大変な思いをしてここに戻ってきてくれた彼女を澪は信じたかった。律がけっして誰かの命令で私の側に居るわけじゃなく、自分の意思で居れくれているということ。

それだけでいい。プレゼントはそれだけでも、充分なんだからな、律。

澪は心の中でそう思いながら、律の体をギュッと抱き締めた。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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