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君の側にある旋律 【19】黒と白の世界の合間に (中編)-07-

Category : SS( 君の側にある旋律 【19】 )
「…ひどいな、澪しゃん」
「ふぇ!」
不意に後ろから声を掛けられたので、澪は驚いてと肩を揺らしながら声を上げた。
歩くのを止め、慌てて後ろを振り返ると、そこにはさっきまで澪がぶつぶつと文句を言っていた相手が、体中に雪まみれになりながら立っていた。
「り、律!?」
「ういっす」
律が軽く手を上げると、肩に残っている雪がロビーの床にはらはらと落ちた。

「なんだよ、澪。せっかくこーんな雪の中、慌てて帰ってきた私にひどいお言葉だなぁ」
と、そう言ってよよよ…と泣き真似をする律。
「い、いや、それは…」
「まあ、澪のご要望通り。確かにちょっと雪に埋もれそうになったけどな」
服に付く雪を払いながら、律はニッと笑う。
「そ、それより律、どうしたんだ、こんな時間に。しかもそんな雪まみれで」
今日はもう帰ってこないだろうと思っていた幼馴染がこんな夜遅くに、さらに雪まみれで現れるとは思っていなかった澪は少し困惑してしまう。

「いやー、終電でなんとか帰ってこれたんだけどさ。こっちも随分雪降ってたんだな」
うっかり傘も忘れちゃってさ。まあ、いいかって寮まで歩いたんだけど、全然よくなかったよ。
そう言って、苦笑いする律。
「だんだん雪がひどくなるしさー。時間も遅いからか寮母さんに連絡しても、なかなか玄関開けてもらえなくてー…」
背中に背負っていたリュックを下ろしながら、律は寮に戻ってくるまでの苦労を簡単に澪に説明した。

今日の夕方頃「お手伝い」を済ませ、秋山の本家を出た律。
すぐに寮に戻ろうと、急ぎ新幹線に飛び乗ったのだけれども。
「…いやー、雪で交通機関がちょっと遅れてさ。もうちょい早く戻ってこれると思ってたのに、結局終電ギリギリだよ」
駅に着いたらもう真っ暗だし、雪が降ってるしでちょっと苦労した。
律はそう言いながら、苦笑を浮かべている。

「そうか…」
律から話を聞いた澪は、彼女の体に付いた雪を払ってあげる。
「お、サンキュ」
「これくらいいいけど。でも、こんな時間に無理して帰ってこなくても良かったのに…」
もう時刻も遅いし、さらにんな寒い雪の中。
駅からそこそこに離れたこの寮に戻ってくるのは大変だったろう。
澪はそう思い、明日の朝帰ってくれば良かったのに…と律に言ってみる。

「まあ、そのほうが良かったんだろうけど…、おっと」
律はロビーに掛かっている時計を見ると、何かに気付いたように雪を払う手を止めた。
一度コホンとわざとらしい咳を一つした後。
律は澪の目をまっすぐに見詰めて、彼女の名前を呼んだ。
「澪…」

お誕生日おめでとう。

とても穏やかな優しい声で、律ははっきりとそう言った。
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