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君の側にある旋律 【19】黒と白の世界の合間に (中編)-01-

Category : SS( 君の側にある旋律 【19】 )
冷たい空気が体温を奪い、深い闇が視界を奪う。
「退魔師」田井中律は、深い山の中を一人でひたすらに駆けていた。

走りながら、律が数枚の式神を飛ばす。
式神を使って気配を追ってみても、「狗神使い」の本体はなかなか見つからない。
それは次々に襲い掛かる狗たちに対応し、さらに先程から休みなく動き回ったせいで、律の体力が落ちてきている事も影響していた。
式神を使う気の練成が、上手く出来なくなってきているのだ。

彼女の金色の髪と瞳が、光を失うように色を落していく。
雪がいまだ降り続く山中で、律はいたずらに体力を消耗させていった。
まずいな…、と内心の僅かな焦りが、剣を奮う動きに微妙な制約をかける。
狗たちの攻撃を、少しずつだがその身に受けるようになってきいていた。
服が裂け、肌に傷が付く。
それがますます彼女の体力を奪っていく。

律は一旦何とか岩陰に隠れる事ができた。
持っていた呪符を使い、怪我を治し回復を図るもそうは簡単にいかない。
「はぁ、はぁ」
息が乱れる。整わない呼吸と崩れる「気」の練成。
一向に変わらぬ事態に、律の中で焦りと苛立ちがますます募っていく。

「このままでは…」
いつまでもここに隠れていられる訳もないし、隠れていられたとしても、このままでは寒さと空腹でますます体力が落ちる。
「動くしかないよな」
律は一瞬の内にそう判断する。迷っている暇はない。
「そうさ、じっと隠れているなんて、私らしくないさ」
一言そう呟くと、律は僅かに灯る弱気を振り払うように軽く笑った。

「それに早く倒して、帰らないといけないしなぁ」
こんな処でいつまでも、ぐだぐだやってる時間はないんだ、私は。

明日までに帰らないといけなんだよ、どうしても。

律は内心強くそう思いながら、隠れていた岩の上にひょいと乗り上げた。
すぐに彼女の姿を見つけ、また攻撃を仕掛けてくる黒い「狗」たち。
「さあ、いくらでも来い!こんのしつこい狗ども!」
律はそう叫ぶと、剣を握り締めた手に再び力を込めた。

***

雪が止むと、山の中は完全な闇へと落ちた。

僅かな休憩の合間に練った「気」も体力も、狗たちとの戦いの奪われていく中。
律はとうとう四方に放っておいた式神から、魔族の発する邪気の場所を正確に捉えた。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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