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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-10-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
音のない静かな山の中で、雪が静かに降り積もっていく。

やや山の奥深くに、一人入り込んでしまった律。
ある程度「気」を練り直した後、律は一旦本陣に戻ろうとして足を止めた。
突然先程までまったく感じなかったのに、急に巨大な邪気が立ち込めるのに気付いたからだ。

律が振り返ると同時に襲い掛かってきた黒い影。
だが若く有能な退魔師は、瞬時にそれに反応した。
後ろに飛び跳ね、黒い影からの攻撃を避けつつ剣を構える。
彼女を襲った黒い影は徐々に塊を作り、犬の姿へと変化していった。

「犬?…狗神(いぬがみ)か」
律が呟くと同時に、黒い影はいくつかに別れ塊を作り始めた。
数秒後には、別れた影はたくさんの黒い「狗」となって姿を現していく。
犬たちの目は闇のように深い黒で、生気はまったく感じられない。

だが低い唸り声は、辺りを震わせるかのように不気味に響き渡っている。
姿形は獰猛ドーベルマンのように、細く引き締まっているように見えた。
雪の白さと黒犬たちの対比が妙にはっきりしていて、律は僅かに目を細める。

「まだ、こんな奴らが残ってたのか…」
東の結界を突破し、人家のある山里へと向かっていた「鬼」たちを何とか押し返し、ここは死守できたと思っていたが。どうやらまだ敵は残っていたらしい。
それもどうやら無数の狗たちを操る「狗神使い」が。

一度は戦いも終わっただろうと、僅かに気が緩んでいた律の身に、「黒い影の犬」たちが再び襲い掛かってくる。
「ちっ、面倒くさい!」
四方から迫る狗たちを駆逐しながらも、律はやや焦りを感じていた。
ここまで来るのに「鬼」たちとの戦いで、すでにだいぶ体力が消耗していた。
先程一旦気を練り直したとはいえ、まだ完全という訳ではない。

倒しても、倒しても襲い掛かる狗たちをまともに相手していては、いずれはジリ貧になる。
この狗たちを操る狗神使いを倒さなければ…。
「狗神使い」の気配はすでに感じている。
そしてその巨大な邪気を発するそれは、只の「人間」ではないことにも。

この気は…魔族だ。

律はそう思いながら、木々の間を駆け巡った。
追ってくる狗たちを払いのけながら、周囲に手持ちの式神を全て飛ばす。
この狗たちを操っている魔族を探し出すために。
そいつは確実にこの近くに居るはずだ。
そう確信しながら、律は雪に覆われた地面でも苦にした様子もなく、式神の一つが反応した方へ飛ぶように駆けていく。その律を追う狗たち。

後ろから執拗に迫る狗を払いながらも。
東の結界から離れたこの深い山の中で、一人孤立した状態になっている。
…律はそのことに、今更ながらに多少苛立ちを感じ始めていた。

To be continued…
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