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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-09-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
ムギは、律は忘れていないと言うけれど…。

「あっちに行ってる間は忙しいから、そんなに連絡は出来ないと思う」
律は以前からそう言っており、「お手伝い」に出ている間はほとんど連絡してこない。
澪も遠慮して、自分から連絡はすることはあまりなかった。

以前からそうだったじゃないか。別に今回だけって訳じゃない。
そう頭では理解して居ても。寮を出る前日、喧嘩したまま出て行ってしまった幼馴染は、今日まで一度も連絡をよこそうともしない。
その事実が邪魔をして、澪はどうにもムギの言葉が信じられなかった…。

***

目の前に落ちてくる白い雪を、律は手のひらでそっと受け止める。
雪は律の手の平に落ちると、ですぐに水へと変わって下に落ちていった。
「今日は何日だったかな…」
思えばこちらに来てからずっと、日付を見ることも忘れていた。

秋山本家の近く、古都の山の一つに突如現れた大量の「鬼」たち。
魔族の影も確認される中、「協会」に所属する者だけなく。
他にも多数の退魔師や結界師たちに要請がけられ、この古の都に術者たちが集合したのだ。

秋山家の眷族の一つ、田井中家の娘である律もその一人。
それは普段、滅多に自ら律に「退魔」の仕事を頼んだりしない、澪の父でもある「長」から依頼だった。それだけ今回一人でも多くの術師たちが必要と判断された結果だろう。
恩義のある「長」からの依頼とあれば、律にそれを拒否するという選択肢などない。
どちらにしろいつだって、律の選択肢は少ないものだったが。

「まだ、間に合えばいいけど…」
曖昧な時間間隔の中で、律はポツリとそう呟いた。
今ならまだきっと間に合うだろう、いや間に合わせなければ。
「いつまでもこんな処で、だらだらとやってられないんだよ、私は」

大事な用があるんだよ、こっちにはさ。

白い息を吐きながら、深い山の中で律は小さくそう呟くと少し笑う。
「間に合わないと、しばらくお姫様の機嫌が相当悪くなっちゃうだろうからなー」
だから絶対に間に合わせないとな、とそう思う律の表情は楽しそうだった。

最初こちらに来たばかりの時は感じなかったが。
今では戦況は、かなりこちらに有利になってきているはずだ。
多数の実戦経験を積んだ律は、肌でそれを感じていた。
「鬼」たちは山を覆っていた邪気も、随分薄れてきている。

「もう少しだな、よし」
息を整え、しばらく気を練り直していた律はそう言うと山を降りようとした。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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