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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-05-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
とにかく、たまにこうやって自分の幼馴染が呼ばれるそれは不定期なもので。
いつも突然にと言った感じで彼女は呼ばれていた。
大概は親族からの、半ば強制的な指示によるものが多いのだが。
今回は父から折り入っての頼みらしい。でも、それって何だろう?
澪はそう想いながらも、父からは何も聞かされていない事に、内心ひどく不満を感じる。

「だから私は明日から学校休んで、本家の方に行くから」
「…」
何も学校を休んでまで…。
澪はそう思い、どこか釈然といかない気分になる。
「お手伝い…て何をするか知らないけど、それいつまで掛かりそうなんだ?」
まさか、一週間も二週間もかかるようなものではないだろうけど。
澪はそう思いながらも、とりあえず聞いてみる。

「あー、まだはっきりとは」
でもまあ、そうだな。今週一杯かちょい過ぎるかくらい?
律は視線を上に向け、考えるようにしながらそう答えた。
「今週一杯、て?そ、そんなに?」
明日にも出て、今週一杯かそれ以上なら一週間くらいはあるじゃないか。
何するか知らないけど、そんな簡単に長期で学校を休んでいいものなのか?
思ったよりも長い日程に、澪は内心そう思わずにはいられなかった。

二人が通う桜ヶ丘学園は、幼稚園から大学まであるエスカレーター式の学校だ。
基本的には余程成績が悪いとか、出席率がまるで足りていない等の理由がない限り、全員そのまま高等部へと上がる。そのせいか受験が迫っている他の高校受験生とは比べ物にならないくらい、この時期桜が丘の生徒達は、学園内でのんびりと過ごしていることが多かった。

そりゃあ確かに。私たちは中学三年生と言っても、他の学校の子たちのように受験があるわけではないけど。でも、だからと言って…。
さらに今回父からの頼みというのが本当ならば、父から学園長に話は伝わっているはずだ。
律の学校を長く休んだとしても、問題にはならないだろう。
澪はそう思うと、ひどく居た堪れない気分になってきた。

律自身はこうやって急に「お手伝い」なるものを頼まれても、嫌な顔一つしない。
だがそれは自分の学費や弟の聡の面倒を見てもらっている負い目から、わざとそんな態度を取っているのではないか?
そう澪は前々からそう思っていた。
律は本当は内心すごく嫌だったとしても、それを少しも出さないようにしているのでは、と。

いや、きっと嫌に決まっているはずだ、と澪は思い直す。
夏の間や、その他にも何かしらあって律を連れて本家に戻ると、そこに居る親族たちはいつだって律を邪険に扱っている。なぜか伯父叔母は皆一様に、あからさまに律に嫌悪の態度を見せるのだ。

澪はいつだってそんな親族たちにとても腹が立てていた。
だけどそんな親族たちに、文句一つ言い返せない自分が情けなくて悔しかった。
そして悔しいのと同じくらい、悲しかった。
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