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君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-02-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
「無茶はしないでくださいよ、律君…」
「は?長、何か?」
「いえ、何でもありません。さて、そろそろ私も出ましょうか」
「え?いや、長、それは…」
「私は元来前線向きでね。じっとしていられないタイプなのですよ」
当主はそう言いながら、外へ出る支度を始める。

「後の采配はまかせていいですかね?」
テントを出る直前。「協会」の長はニッコリと笑って後ろに居た人物にそう聞いてみる。
長からそう聞かれた相手は、彼と同じ年くらいの男性だった。
「どうぞお任せ下さい、長」
どこか品のある貴族然とした優雅な笑顔を浮かべながら、鷹揚とした口調で答えた彼は、協会の幹部の一人であり、秋山家の一人娘が通う学園の学園長でもある。

「それでは、よろしく」
そう短く学園長に継げると、秋山家の当主は本部を慌しく出て行った。
長から指揮権をまかされた学園長は、次々と来る報告に冷静に対応し始めた。

***

木々に振り落ちた雪が音を吸い込んだかのように。
普段から人気のない山の中は、本来ますます静寂を増していくようはずだった。
だがそんな静寂を打ち破るかのように。
時折木々の合間に響いてくるのは剣を振る風の音と、術者たちの詠唱の声。

「駄目だ、これ以上は持たぬ!」
「食い止めろ!これ以上行かれれば、人里まで進入されてしまう!」
結界師たちの悲鳴のような声にかぶさる、退魔師たちの叫び声。
そんな彼らをあざけ笑うかのように、黒い影はますますその勢力を増していた。

黒い影は夜の闇がどんどん深くしていく。
一度崩れた山の東側を守る陣営は、統制を保つのが難しくなっていた。
「魔」との戦いに有能な術者たちも、深い闇と明らかな人数不足による術の弱さに、総崩れになりつつあった。
「本部に連絡は!?」
「すでに伝令は飛ばしてある!増援が来るまで何とか持ちこたえさせろ!」
「そうは言っても…」
東の陣営は今や壊滅状態となりつつあった。

「はー、新年最初の仕事はハズレだったかな、こりゃ」
普段はフリー契約で戦う壮年の退魔師が、苦笑気味にそうぼやいた。
「確かにそうかもな」
新年早々ぼやくハメになった退魔師よりは、やや年が若く見える「協会」に属する結界師も、味方の崩れていく様を見て思わず同意してしまう。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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