スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

君の側にある旋律 【18】 黒と白の世界の合間に (前編)-01-

Category : SS( 君の側にある旋律 【18】 )
山に囲まれた盆地にある「古都」の冬は厳しい。
昨日から降り止まぬ雪に、山は白く塗りつぶされていた。

千年以上も歴史あるこの地は、古来より何度も合戦場の舞台ともなっている。
そんな古都に点在する、古い合戦場からも離れた深い山の中で、鎧や甲冑こそは身につけてはいないものの、その昔剣を奮い戦った武士たちと同じように。
秋山家の当主を筆頭とした「協会」に所属する術者たちが、人界に入ろうとする「鬼」たちを止めるべく、命懸けで戦っていた。

***

「長、東の結界が破られたようです!」
協会が山の麓に貼ったテントを本部と定めた。
そこで部下と協議を計っていた秋山家の当主は、伝令の報告を耳にすると僅かにではあるが眉間に皺を寄せる。
「…その場に居た結界師、及び退魔師は?」
「何人かの生存は確認されておりますが、まだ正確には…」
「わかりました」
当主は一度そう言うと、すぐ側に居た部下に東の空いた部分に、新たな術者たちを配置するよう指示を出す。

「人数はどれくらい向けられそうか」
「そう多くは…。どこも己の「陣」を守るのに精一杯の様子です」
「でしょうね。だが、とにかく放っておくわけにもいかぬ」
結界師たちが新たな「陣」を引くまで持ちこたえなければ。
当主の静かな声に部下達は一度頷くと、急ぎ伝令を飛ばし人員の確保に当たる。

「…ん?」
「いかがなされましたか、長」
「いや、律…田井中君はどこに配置されていたかな」
「田井中?…あー、田井中家の娘御ですか」
「そうです」
「あの娘なら、一応北の方へ配置させておりましたが」
そう答えたのは、別の部下だ。

「しかし先程の物見の報告よりますと、命令を聞かずに勝手に東の方へと向かったとか」
「確かに北の方はまだ術者たちが何とか、『鬼』共を踏み留めていますが…」
それでも我らの命令を無視して、勝手な行動を取るなどと。
部下の一人が少し怒ったようにそう言うのを聞きながら、秋山家の当主は手を顎に当てたまま無言だった。

どうやら娘の大事な親友でもあり、自分自身でも娘同様に思っている少女は、結界が破れた東の方の増援に自ら買って出たようだった。
少女の身を心配する当主の胸に、やや不安な気持ちが沸き起こる。
己自身の戦いなら、一度だって不安な気持ちになどなった事のない彼だったが…。
関連記事

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

Comment

非公開コメント

プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
けいおん時計
リンク
ランキング

FC2Blog Ranking

RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。