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追憶の紋章 【5】 迷走する討伐軍 -04-

Category : 追憶の紋章【5】
「…ま、危険だと思ったらすぐに逃げてくれていいから」
「了解!」
「…ユイさん、そんなにあっさり了解しちゃ駄目でしょ」
「あはは。そうだなねえ、アズにゃん」
「まったく。あと、その呼び方止めてください」
「可愛いのに」
「駄目です」
「あー、とにかく明日もよろしく」
漫才コンビのような二人から少し離れて、私は湖の畔の方へ歩いて行った。

…今日は仲間の救出で精一杯だった。
ドラゴンの想像以上の強さに、私自身もただただ圧倒されてしまった。
だがいつまでも怖気づいているつもりはない。
「少人数で、か…」
空に輝く月を朧に映す湖をぼんやりと見つめながら、私は深く考えを巡らせる。
あの恐ろしいドラゴンを倒す方法…それともう一つ、私は考えなければいけない事があった。
今この場に居る、荒ぶる竜を倒すために選ばれた騎士たちを押しのけて、己自身でドラゴンを倒す方法を…。

***

近衛騎士を中心に編成された征竜討伐軍が、ドラゴンの襲撃によって被害を受けた街へ到着したのは三日前の事だ。

街のありさまは思った以上にひどいことになっていて、誰もが驚いた。
倒壊している建物。怪我人が溢れる街の病院。
至るところで人々は疲れた様子で、火事によって炭となった柱や壁が目立つ家から、なんとか少しでも家財道具を取り戻せないかと必死に手を尽くしていた。

街の東に有る廃坑を根城にしているドラゴンは、時折街にやってきてその恐ろしい力を駆使し、街の住人を恐怖に陥れていた。さらにドラゴンが街を襲うようになってから、本来なら森や山に隠れ住むオークやゴブリンたちまでもが、徒党を組んで街に侵入してきていた。

ドラゴンに対処するだけでも大変なのに、それらのオークたちを退治するのに街にいた守備兵たちは苦戦を強いられていた。王都から派遣されたばかりの我々討伐軍も、ドラゴン以外のモンスターとの戦いを余儀なくされる。

そんな状況の中、この街の領主である貴族の屋敷で、全体会議が行われた。
会議の結果、ドラゴンの突然の襲撃で大きくその戦力を失った、守備軍の補強の為に、王都から来た討伐軍の三分の一を、街の防御へ回す事となった。街に残る討伐軍の騎士や兵士は、守備兵と共にオークやゴブリンの掃討に当たることになったのだ。
残りはドラゴンが居るとされる、炭鉱跡地に向かう事が決まった。

新たな編成が敷かれる中、もちろん私はドラゴン退治の方を志願した。
ここでも上位貴族の称号を持つ騎士たちは、隊長と副隊長以外は微妙にドラゴン討伐から外れていた。結局元々の任務であるドラゴン討伐に選ばれた近衛騎士は、下級貴族や私のような平民の騎士が多い。事ここに至っても、なるべく少しでも危険の少ない方を選ぼうとする上位貴族出身の騎士たちに、私は苦笑させられる。

だが私にはそれは好都合だった。手柄を立てる機会が増えるのだから。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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