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君の側にある旋律Ⅸ -あとがき-

Category : SS( 君の側にある旋律 【9】 )
軽音部のメンバー海水浴を楽しんだり、バンドの練習をしていても。
律ちゃんは澪ちゃんへの『護衛』のお仕事は手を抜きません。
いつだって万事抜かりなく頑張っています。

そんな律ちゃんをちょっと意味深に見つめている唯ちゃん。
それは90%は冷やかしですが、残り10%はちょっと別の意味があったりします。
それはまた別のお話になりますが。

ちなみにムギちゃんが二人を楽しそうに見つめるのは100%趣味です。

しかし二部構成にしようと思ったのに、いろいろ詰め込んだらとうとう三部構成に。
中・後編は一応書けてますので、また近々UPします。ではー。

「君の側にある旋律Ⅸ 遅れて来た結界師(前編)」を読んで頂き
ありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

君の側にある旋律Ⅸ 遅れて来た結界師(前編)-07-

Category : SS( 君の側にある旋律 【9】 )
別荘内にある大広間の中央に、秋山家の当主でもあり協会の「長」である澪の父が、ゆったりと座椅子もたれて座って穏やかな笑顔を浮かべながら、娘の『護衛』役である少女と対面していた。
「久しぶりだね、律君」
「お久しぶりです、長」
当主から少し離れた場所に正座している律は、深々と頭を下げながら挨拶する。
そんな普段の彼女からは想像も出来ないほどかしこまった姿に、澪の父は少し苦笑する。
「もっと気楽にしてくれていいんだよ」
「…はい」
長がそう言っても、顔をあげた律の顔はどこか緊張気味だった。

「いつもきちんとした報告書を送ってくれて本当に助かってるよ、律君」
「…もったいないお言葉です」
「それに娘の護衛のことも」
桜ヶ丘の学園長からも聞いてるよ。
この間は澪を狙って学園に侵入した「魔」を倒してくれたそうだね。
長は穏やかな笑顔を崩すことなく、静かに律に語りかけるように話している。
「君の働きには心から感謝しているよ」

ありがとう。

協会の「長」というよりも一人娘を想う父親として気持ちを込めて、彼は律に感謝の言葉を口にした。
「いえ、お礼など…。それが私の仕事です」
「うん、…そうかね」
恐縮した様子ながらも、一切迷いのない表情でそう断言した娘と同じ年の少女を彼は信頼に満ちた目で見つめながらも。まだ若い彼女に危険な仕事を負わせていることに、彼はいつも忸怩たる思いがある。そんな思いが彼の表情を少し暗くする。

「それよりも私の学費だけでなく、弟の面倒もこちらで見ていただいている私の方が、長にはずっと感謝しております」
「そんな事は気にする必要は一切ないよ」
彼女の弟はこの別荘から学園の初等部に通っていた。律は稀にではあるが澪の父に会うと、弟の件を含めて彼に必ず一言そう礼を述べる。
「前にも言ったが、何かお金の面で困った事があれば以前渡した通帳からいくらでも引きおろして構わないからね」
「…ありがとうございます」
そうお礼を言って再び頭を下げた少女が、けっしてその通帳からお金を下ろすことはないだろう、と彼は思うのだが。
「バイトするのも実に結構だが、あまり君がバイトばかりしていたら澪が拗ねてしまうからね」
おっと、これは言わない約束だったんだ。
そう言って彼は誤魔化すように笑った。律も少し微笑する。

「ところでこの間の『バイト』はどうだったかね」
「はい、無事に『仕事を終える』ことが出来ました」
「そうか、なら良かった」
一見穏やかな会話に聞こえるその内容も、その実「魔」を退治する任を帯びた若き護衛と、その護衛が所属する『協会』の長でもある二人の話はけっこう深いものある。

「君のお師匠様からもその件で報告が受けている。…ところでその際怪我をしたと聞いて心配していたんだが」
共に仕事についていた彼女の師匠から「律が少し怪我をしたようですが、まあ、大丈夫でしょう」と書かれた書状を受け取っていた。
しかし少し離れた場所に正座する少女から、どこか怪我をしている様子は見られない。
「はい、実はその件で一つご報告が…」
「ん?」
律は伏せていた目を上げて、淡々とした口調で昨日別荘に戻ってきたときの話を「長」に話し始めた。

To be continued…

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君の側にある旋律Ⅸ 遅れて来た結界師(前編)-06-

Category : SS( 君の側にある旋律 【9】 )
「まったく…」
律が今日みたいに澪に怖い話を聞かせて、ちょくちょくからかったりするように。
最近唯は意識的にか無意識か、澪のことで律にちょっと意味深な言い方をしてくるようになっていた。律がどれだけ「違う、それは誤解だ!」と言っても唯は聞いているようで、まったく聞いていなかった。
「なんか勘違いしてんだよな、唯だけじゃなくてムギの奴も」
どうやら二人は私と澪が只の幼馴染で親友というだけでなく、それ以上の関係であると思っているフシがある。律はそう思うと内心で「やれやれ」とぼやいた。

二人がどう思おうと私はそんなつもりはない。

海の上でぼんやりと輝く満月の一歩手前をいった月を見ながら、律は内心でそう呟いた。

普段はごく普通に何の隔たりもなく澪に接している律も、心の奥底では自分は代々積み重ねてきた「秋山家」の舎人(とねり)の身分であることを忘れたことはない。
舎人とは昔から皇族や貴族に仕え、警備や雑用などに従事していた者のことだ。
秋山家は遠い祖先に皇族の血を持つ由緒正しい家柄だった。

その一人娘の澪は、本来なら律がお目通りをかなうことなど許されない尊き身分の、以前律が澪にはっきりと宣言したようにれっきとした「お姫様」なのだ。
もちろんそんな考え方は平成の今の時代にまったく持って似つかわしくない、とは律自身も思うときがあるのだけれども。
「…でもやっぱり違うんだよなー」
両手を頭の後ろに当てて、律は空を仰いでポツリとそう呟いた。

そんな貴族の姫君だの身分の違いなど。馬鹿馬鹿しいと思う反面、律は内心では強烈にそれを自覚していた。今こうやって澪の側に居てはいるが、それは律の家が代々護衛役だったいうこともあるが、別段護衛の役など他に代わりはいくらでもいるのだ。
秋山家に仕える他の眷属たちを退け、田井中家の彼女が「護衛役」として澪の、姫君のすぐ側に仕えることができるのはひとえに澪の父、秋山家の現当主の口添えあってのことだった。

律は屋根の上で試験休み中、学園近くにある秋山の家が所有する別荘で久しぶりにあった「長」と交わした会話の内容を思い出していた。

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君の側にある旋律Ⅸ 遅れて来た結界師(前編)-05-

Category : SS( 君の側にある旋律 【9】 )
「ふぁぁ」
「唯、もういいよ。部屋に戻って寝なよ」
立て続けに欠伸をする唯に律はそう言って、屋根の上で眠ってしまいそうな同じ「退魔師」でもあり寮のルームメイトの手を取って起こそうとする。
「う~ん、いいの~?」
「ああ、今まで見ててもらったしな」
ここからは私が起きておくからいいよ、と言って律はまた海の方に目を向けた。

「そっか。んじゃあ、そうさせてもらおうかなー」
唯がそう言った後すぐにムフフとどこか含みのある笑い声が聞こえて、律は視線をまた唯に向けた。
「なに、その顔?」
ちょぴりとニヤニヤした顔で自分を見つめる唯に律は鼻白む。
「いやー、さっきまで私、りっちゃんがなかなか来ないからもしかして澪ちゃんとムフフーな状態になってるのかなあ…と思ってたりしてまして~」
「な!?」
「今夜の見張りは私が朝までコース…てのも無理ないかなってあきらめてたんだよね~」
でもそうじゃなくて良かったよ~。
唯が心からホッとしたような声でそう言ったが、顔はまだニヤケたままだ。

「な、何言ってんだよ!」
「だってさー、私が出るときもりっちゃん、澪ちゃんに完全に抱きつかれて離れられそうになかったし~」
「ば、バカ、あれはー」
「うん。私達から怖ーい話聞かされてすっかり怯えちゃった澪ちゃんが、律ちゃんの側から離れなくちゃったんだよねー」
唯はすっかり訳知り顔でそう説明する。
「そ、そうだよ。だから仕方なかったんだよ、あれは」
澪の奴、やたら怖がってなかなか眠ってくれないし…。
ブツブツと小声で何か言っている律を、唯は楽しそうに笑って見ている。

「いやー、それが律ちゃんの作戦だったりして」
「はぁ?」
「澪ちゃんに怖い話して抱きつかれるようにして…」
「…何を言っていらっしゃる唯さん」
「まあまあ、照れなくてもりっちゃん」
「誰が!」
「策士だよね~、りっちゃん。あの後澪ちゃんずーと律ちゃんに抱きつくっていうかしがみついてたと言うか…」

りっちゃん、グッジョブ。ムギちゃんも仲のいい二人を見て喜んでたよ、そりゃあもう、ね。

そう言ってまたニヤニヤしながら親指たてる唯は楽しそうだ。

「…唯、前にも言ったけどお前は何か誤解している。今日こそはじっくり話しあおう」
「んじゃ、私は寝るから。おやすみ~」
「おおい!」
りっちゃん、あんまり大きな声出すと澪ちゃんが目を覚ますよー。
唯は屋根から身軽に体を投げ出し、ひらりと地面に降りた。
「そしたら澪ちゃんがまた泣き出すよ、律がいなーいって」
「な、何言って…」
「じゃあ、後はよろしく、りっちゃん」
少し頬を紅くするルームメイトに一つウインクして、唯はまた欠伸をしながら別荘の中に戻っていった。

別荘の屋根の上に一人残された律は、唯に言いたい放題言われてなに一つ言い返せなかったことに不満一杯だったが、ため息一つと共になんとか気を落ちつかせた。

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君の側にある旋律Ⅸ 遅れて来た結界師(前編)-04-

Category : SS( 君の側にある旋律 【9】 )
四人がムギの別荘に着いたその日の深夜。
「唯」
「りっちゃん」
ムギと澪が静かに眠っている部屋を抜け出し、別荘の外に出た律が向かった先は普通の人間ならそうは滅多にあがらない場所。

「どうだ、様子は」
「うーん、別段おかしい雰囲気は感じられないけど」
海から吹く風になびかせている律の髪は、いつもの明るい茶色ではなくて金色に染まっていた。その瞳も同じ金色に輝き周囲に警戒の目を向ける。
「りっちゃんの式紙にも何も反応してないでしょ」
「うん」
唯は律の返答を聞くと、よいしょっと言って腰をおろした。

「学園の外だからちょっとは何か動きがあると思ったんだけどな」
律はまだ周囲に警戒をしつつも、一人言のようにそう呟いた。
海から聞こえてくる波の音と虫の音、電気が稼動する機械音以外は何も聞こえない静かな夜。
「ま、何も無い方が良いに越した事ないよね」
にしてもここ風が涼しいね~。
唯は肩まで伸びたセミロングの髪を風になびかせながら、のんびりとした様子だった。
「ああ」
律も暑い夏の夜を忘れさせてくれる涼やかな海風に少しだけ身をゆだねた。
二人が今居る場所は別荘の屋根の上。
本来大工や左官等の職人さん以外はなかなか一般の人間は行かない場所から、二人は「魔」や「鬼」存在が近づいていないかを確認していた。
二人は時折夜、学園の周辺に張り巡らされた結界の周りをパトロールすることがある。
それは「退魔師」として二人が学園から依頼されている仕事の一つでもあった。
そんな学園での仕事を現在居るここ、琴吹家の別荘でも行っているのだ。

「でも油断はするなよ、唯」
屋根の上にゴロンと寝転んだ唯に、律は一応そう注意しておく。
「わかってるよー、でも学園よりは防御が手薄になるから、狙い目だと思うのに」
意外に何も起こらないねー。
大きな欠伸を噛み締めながら、唯はのんびりとした口調でそう言った。
「そうだな…。てかなんかそれ、何か起こってほしいような口ぶりだなあ、唯」
律が幼い頃から護る彼女の「主」は、本人は気づいていないが膨大な魔力をその身に秘めており、その能力は今だ計り知れないものがあった。そんな「主」の力を、常日頃から自分の都合の良いように利用してやろうと目論む輩はゴマンと存在する。

今までだって律は当の本人にはバレないように注意しながら、その魔力を多数の「魔」や「鬼」そして欲望にまみれた人間の手から彼女を護ってきた。
ただ「人」はともかくとしても、普段は唯の言った通り強力な結界が常時貼られている学園内に居ては「人外の者」たちも中々手が出せない。だから澪が学園の外に、つまり結界の外から一歩出れば彼女の身に降りかかる危険が一気に増えるのだ。
「別にそんな気ないよ~。さっきも言ったように何もない方が良いにこしたことないもん。それにせっかく楽しい部の合宿に来てるのにお仕事が発生するなんて面倒くさいしねえ」
うーんと屋根の上で伸びをする唯の表情はすっかりだらけきっていた。

一学期終業式の後、唯と共に学園長に呼ばれた律は、合宿中のムギの護衛を頼まれた。
「といっても田井中君は秋山家のお嬢様の護衛が優先するのが当然だろうから、…どうかな平沢君。護衛の仕事請けてくれるかな?」
丁寧な口調で物腰低く、学園の生徒にそう依頼してきた学園長に唯はあっさりと「いいですよ~」と答えた。
「心よく引き受けてくれてありがとう、平沢君。しかし二人にとってもせっかくの楽しい合宿旅行に仕事を持ち込ませるのは申し訳ない気がするからね」

うちで雇っている者もそちらに派遣するようにするから、まあ警戒は怠らないにしても二人自身もあまり仕事に根を詰めずに合宿を楽しんできなさい。

学園長は穏やかな笑みを浮かべてそう言った。

唯と共に学園長の言葉に丁重に頭を下げながら、律は内心で穏やかなその笑い顔がムギにそっくりだなあ、と思っていた。

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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