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君の側にある旋律Ⅶ -あとがき-

Category : SS( 君の側にある旋律 【7】 )
前編はなんかちょっと説明チックだなあ、なんて思いながら書いていました。

いつもの「退魔師」の仕事と思ってやってきたのに、なぜか今は仲居さんと
なって、アイス星からやって来た唯ちゃんと共に勤労少女となった律ちゃん。

律ちゃんに逃げられ拗ねまくりの澪ちゃんと、澪ちゃんのお父様+協会幹部
及び親族の皆様。それぞれの思惑の中、試験休みはまだ続きます。

後半は一応書けてますので、また近々UPします。ではー。

「君の側にある旋律Ⅶ 私の帰る場所(前編)」を読んで頂き
ありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

君の側にある旋律Ⅶ 私の帰る場所(前編)-11-

Category : SS( 君の側にある旋律 【7】 )
律と唯が思いがけず、旅館で仲居のバイトするはめになった頃。
「お、お見合い!?」
「…だ、そうですよ、澪」
夕食後、しばらくして別荘に戻ってきた父と澪は久しぶりに対面していた。

普段なかなか会えない父と会えたことに澪は喜こび、嬉しそうに父が書斎として使っている和室で一緒にお茶を飲みながら、しばらく学校の話などに花を咲かせる。
しかしそんな楽しい時間も束の間、父がやや苦笑いしながら出してきた物を見て澪は一気に気分が暗くなっていった。今、澪の目の前にあるそれは…いわゆるお見合い写真。

「お見合いだなんて…。父様、前に言いましたけど私、まだそんなの早い…」
「私もそうは思って何度も断ったんだがね…」
申し訳なさそうな顔をする父に、このお見合い話がまた親族の中の誰かが強引に父に薦めてきたに違いないと澪は確信した。
そしてその誰かも大体澪にはわかっていた。
「叔父上がなんとも強気でね」
今度の相手ならお嬢も絶対気に入るぞー、と言って聞かなくてね。
多少苦笑交じりのため息を吐きながら父はそう説明した。澪の予想通り、それは母方の親類である秋山家の長老とも呼ぶべき大叔父が持ってきたようだ。
「…まだ高校生ですし」
お見合いなんて心底勘弁して欲しい澪だったが、大叔父の強引さはよく知っていた。澪は中等部の頃にも一度強引にお見合いさせられたことがあるのだ。

父が開いて見せてくれた今度の相手は見た目は澪より五~六歳年上といった感じで、前よりはそれ程年齢は離れていないようだ。
以前強引にさせられたお見合い相手が澪より二十以上年上だった(男は経済力が大事と、その時大叔父は相手の年齢をそう説明していた)ので、それに比べれば今回はまだマシかもしれないが、澪にとってはそれは大した違いはない。
普段父以外の男性に数えるくらいしか接したことがない澪にとってはお見合い相手が誰だろうと、ただただ気後れするばかりだった。

「まあ、私からももう一度叔父上に断っておくよ」
だがあの叔父上は強引だからね、悪い人ではないんだが。
父は少し目を細くして、顎に手を当ててやれやれと言った感じだ。
「だがまあ叔父の顔も立てて、澪も一応写真くらいは見ておいておくれ。まあ、澪がその気になったなら問題はないがね。でも嫌なら無理強いするようなことは私がさせないよ」
「父様…」
ニッコリと笑ってそう言ってくれた父に、澪はホッとしたようだった。

「さて、この話はここまで。ところで澪、どうやら律君は今回のお休みではこちらにはこないみたいだね」
「え、ああ。そうです。律の奴、急にどっかの山の中にある旅館のバイトに行ったみたい」
そう言った娘の表情にありありと不満が浮かんでいるのを見て、父親は僅かに顔を綻ばせた。
「バイトね。相変わらず学費や最低限の生活費以外は自分で…と思っているみたいだね、彼女は」
それはとても偉い考えだけどね。
座椅子に背中を預け、腕を組んでいる澪の父は感心したようにそう言って微笑んだ。

「そうだけど…」
父の言う通りだが澪としては寮に居た時も思ったように、律にあまりお金の事で無理して欲しくなかった。
それに今回みたいにバイトに行ってしまっては、せっかくのお休みのなのに…。
「まあその件は私からまた律君に話をしておこう。それにあまりバイトばかりしていては澪が寂しがるからとも、ね」
「な!と、父様!わ、私は別に律が居なくても…」
「まあまあ。澪、それより高等部では軽音部…だったかな?とにかく部活動は楽しいかね?」
慌てて否定する娘の様子を内心微笑ましく思いつつも、父はそれ以上は何も言わずさりげなく話題を変える。
「え?あ、部活はとても楽しいです。でも皆なかなかちゃんと練習してくれなくて…」
弾むような声で嬉しそうに部の活動や仲間の話をする娘の姿を、父親は先程よりずっと顔を緩ませながらじっくりと話に耳を傾けていた。


To be continued…

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君の側にある旋律Ⅶ 私の帰る場所(前編)-10-

Category : SS( 君の側にある旋律 【7】 )
「つーか、いったいどういう事なんですか、師匠!」
「まあ、まあ。落ち着け、律」
憤る弟子に済ました顔でそう言うと、師は目の前の杯を美味しそうに一口飲んだ。

旅館に着いた途端に夕食もとらず仲居として働かされ、ようやく客が全員部屋に戻り忙しさも途絶えた頃。やっと食事にありつけた律と唯は山の幸をふんだんに使った豪華な食事に、今までの労働も報われたとばかりに食べまくった。
そうして食事後一息吐いた後、今は師匠と一緒に三人で旅館にある温泉に入っている。

「いやー、労働の後の美味しい食事と温泉は最高だろう、律」
「それはそうだけど。てかなんでいきなりこんな山奥の旅館まで来た途端に仲居さんの格好して、食事運んだり皿洗ったりしなきゃいけないんですか」
缶ビール片手に機嫌良くそう言ってくる師匠に律はまだ不満顔だ。
「なんでって。バイトしたいって言ったのはお前の方じゃないか。だからここを紹介してやったんだろう」
長い髪をタオルで巻いて上にあげ、ホロ酔い気味に頬を染めている己の師匠。
「それは言ってましたけど。私がそれはいつもの『仕事』ですかって聞いたら、そうだって答えたじゃあないですか」
それにしてもこの人は私が子供の頃から見た目、ちっとも変わらないなー。
一体今幾つだっけ?
話ながらも湯気越しに己の師匠の姿を見て律はそう思っていた。
「ん、そうだったかな」
「惚けるのはナシですよ、師匠。それに『修行』にもなるいい仕事だって言ってたでしょうが!」
「これも修行の一環だ、律。人生経験という名の深い修行で…」
「誤魔化すなー!」
「りっちゃん、静かに入ろうよ~」
二人の横でのんびり湯に浸かっている唯が、なんとも腑抜けた顔をしながらそう言った。

「どうかな、唯ちゃん。ここの旅館自体はま、ちょっと古いかもしれないけど露天風呂は大したもんだろう」
「そうですねー、りっちゃんのお師匠さん」
「お湯もそれはいろいろ効果ってあってな。特に美肌効果が…」
「それはいいですから。で、師匠。師匠は私に仲居をさせるためにわざわざここに呼んだんですか」
「まあ、どうかな。…なんだ、そんなにこのバイトは嫌なのか、律は?」
「…いや、別に。構いませんけどね」
でも修行も兼ねて来たつもりだったからなあ…。
律は小さくそう呟くと、お湯の中に深く体を沈める。

「ま、修行なら私が見てやるよ。それならいいだろう」
いやー、ここの旅館は今まで退魔の仕事で使わせてもらってたんだけど、今年はいつになくお客が来てくれてるそうで大繁盛らしくてな。
「猫の手も借りたい状態なんだそうだ。ま、ちょっと力貸してやってくれないか」
バイト代ははずむぞー。
二本目の缶ビールに手を伸ばして楽しそうにそう言う師匠。
「へいへい」
「唯ちゃんはどうだ?」
「お風呂上りにアイス食べたいなー」
「おお。それならバイト代以外にもこの旅館にあるアイスクリームを好きに食べちゃってもいいぞ」
「誠心誠意ご奉公させて頂きます!」
「よしよし」
「…唯」
アイスもらえりゃそれでいいんかい。
寮に居た時「どんなバイトなの?え、退魔の仕事?なら私も行きたいな。いやいや、平沢家の人間としてはそれは当然の義務なんだよ。連れてってよ、りっちゃん」と言っていたのは誰だ。
湯に浸かり一日の疲れを落とす律は内心唯にそう突っ込みながらも「まあ、いいか」と思っていた。
仲居のバイトと「退魔の仕事」じゃ随分報酬が違うけど。とにかくお金は稼げるしな。
「ふー。先に上がりますよ、師匠。唯、上がらないかー」
「おー」
「はいよ。私はもうちょい飲んでる」

ほどほどにしてくださいよ、師匠。
律は一言師匠に注意した後、露天風呂から唯と二人で出て行った。

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君の側にある旋律Ⅶ 私の帰る場所(前編)-09-

Category : SS( 君の側にある旋律 【7】 )
乗り換えに継ぐ乗り換え。長時間の鈍行列車とバスの旅終えて律と唯が目的地にようやくたどりついたのはもうすっかり日が暮れた頃だった。
山奥の中にあるそこは、周囲の自然は豊富なれど建物自体はちょっとばかりしなびた和風旅館だった。

「やっと、着いたー」
「うし。さっさと入ってまずは夕食でもゴチになろうかねー」
荷物を持ってヘタりこみそうになる唯の体を支えながら、律は玄関ホールに入り意気揚々と受付に置いてあるベルを鳴らした。
「ん、誰も出てこん…」
「居ないのかな~」
数度ベルを鳴らしても何の反応もない。
「…ふむ。これがホラーなら実はこの旅館にいる人はもう皆死んでいるか、ゾンビになってるとか」
「もしくは殺人事件の犯行計画真っ最中で。今私達が入ってきたのは犯人にとっては計算外のことで…みたいな?」
「うーん、それもアリだな」
ムギが居たら喜びそうな展開だ。
つい暇潰しにここに誰も居ない理由を、ホラー物かはたまたサスペンス物かとちょっとばかり想像してケラケラと笑う二人。しかしいつまでもこんなバカな話をしている場合ではなかった。
ぶっちゃけ律も唯もお腹が減っているのだ。

「お邪魔しやーす」
「おばんです~」
大きな声でそう言ってみても、やはり反応がない。
「うーん、誰も出てこない」
「これは、りっちゃん。殺人事件の方かもしんないねえ」
唯が妙に楽しそうに言う。
「まあ、それはないと思うけど…」
そんな能天気な会話をしている二人に、奥から突如大きなお盆にたくさんの料理を載せた仲居姿の女性が、バタバタと音を立てて目の前を通りすぎていった。
「あ、あれ?」
通り過ぎていった女性は律が実によく見知っていた顔だったのだけど、あまりに一瞬だったので声をかけるタイミングを失ってしまった。
「りっちゃん、知ってるの?」
「いや、知ってるも何も…」
唯に説明しようとして、さっきの女性が今度は盆にたくさんの空になった皿を載せてまた二人の前を通りすぎようとした。
「あの、ちょっと!ちょっと、すいません!」
「あ、いらっしゃいま…ん、おお、律か!」
「はあ、師匠。お久しぶりです」
長い黒髪を結って上げている女性は律を懐かしそうに見て顔を綻ばせた。
目の前の居る仲居姿の女性は子供の頃律に剣術、呪術、体術。およそ『魔』や『鬼』と戦い勝つ術を教えてくれた律の「師匠」だった。

「いやいや、よく来てくれた。待ってたぞ、律」
「はあ。ところで師匠、何してるんです?」
律は久しぶりに会った師に恭しく一度頭を下げ挨拶しながらも、なぜ仲居の姿で料理を運んでいるのかわからずそう聞いてみる。
「いや、説明は後だ。さあ、律もそっちの子もすぐに着替えて」
「へ?」
急に自分の方に目を向けてそう言ってくる律の師に、唯は意味がわからず間の抜けた声を上げてしまう。
「いや、師匠。着替えるって何に…」
「決まってる。旅館で働く女性の戦闘服ともいうべき、この仲居の着物にだ」
「はあ!?な、なんであたしらが仲居の格好しなくちゃいけないって、…てゆうか手伝うってことですか、もしかして!?」
「もしかせんでもそうだ。四の五の言うな、律。事態は緊迫している。この昨今ちょっぴり不振を極めていたこの旅館に大勢の団体客が来ているのだ」

ここは稼ぎ時なんだ。

そう言って「ああ、忙しい、忙しい」口にする律の師。
「な、師匠。師匠はいつから仲居に転職…」
「いいから、ほれ、こっちだ。あー、あんたも。てか名前は?」
「ひ、平沢唯です」
「唯ちゃんか。よし二人ともビジュアルもばっちりだ。きっと客受けはいいぞー」
「ちょ、ちょっと師匠。何させる気ですか!」
「いいから、ほら。こっちに来い!時給はばっちりはずむぞー」
二人の手を取って強引に連れて行く仲居さん、ならぬ師匠。
「ちょ、あたしらまだ夕飯…」
「後で死ぬほど食わしてやる。ほらキリキリと労働して尊い汗を流そうか、律、唯ちゃん!」
えー!!と叫ぶ二人の声を無視して、律の師匠はさっさと仲居姿になることを二人に強要し、渋々着替えた二人に早速アレ持っていけ、コレはあっちのテーブルとテキパキと指示し始めた。

「なんなんだー!」
「お腹すいた~」
訳もわからず働かされる二人はぶちぶち文句を言いながらも、結局夜遅くまで仲居姿で旅館の中を走りまわるハメになるのだった。

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君の側にある旋律Ⅶ 私の帰る場所(前編)-08-

Category : SS( 君の側にある旋律 【7】 )
時間通りに迎えに来た車に乗り込み、澪は学園から少し離れた秋山家の別荘へ到着していた。澪が内心「ちょっと恐い…」と思っている迎えに来た黒服のスーツ姿の男性二人は、彼女を護るように左右に付き従っている。
閉ざされていた門を開けると、恭しく一礼して男性二人は澪から離れていった。

「お帰りなさいませ、澪お嬢様~」
門の左右に本家から来ている巫女たち一列に並んで、秋山家の一人娘を恭しい礼と共に迎えてくれた。
「皆さん、お久しぶりです…」
小さい頃から知っている巫女たちと久しぶりに会って、澪は少しホッとした。
「お嬢様もお元気そうで何よりです」
巫女の中で最も年長な女性が、穏やかな笑顔を浮かべながら澪に声を掛ける。
「…父様はもう来てるんですか?」
「お館様は今は出掛けておられますが、夜にはこちらに戻られると思われますよ」
「そうですか」
「お嬢様も来たばかりですし、お部屋で少しお休みになられます?」
「うん。そうします」
澪の子供の頃の記憶よりちょっとだけふくよかになったけれど、昔と変わらない優しい目をした巫女に付き従われて、澪はいつもの自分の部屋として使っている和室に向かった。

「部屋の手入れはしておりますのでご心配はいりませんよ」
「ありがとう」
「あ、そうそう。お嬢様の願い通り律さんの部屋も整えておきましたけど。今日は律さんはどうしましたか?」
「え、あ」
律と一緒にこっちに来るつもりだった澪は、事前に巫女に律の部屋も掃除しておいてあげてとお願いしておいたのだが、どうやらそれは無駄骨だったかもしれない。
「ごめんなさい、律はこないから…」
「あら、珍しい。律さんがお嬢様の側から離れるなんて」
巫女は少し驚いたように片手を頬に当ててそう言った。澪が小さい頃から長年秋山家に仕えているこの巫女は二人の仲を良く知っている。

「別に、珍しくなんかないよ…」
澪は巫女から目を逸らし、小声でちょっとだけ拗ねたよう声でそう言った。

巫女にお礼を言って自分の部屋に入ると、澪はすぐに和室にはあまり似合わない大きな木のベットにゴロリと寝そべった。
小学生の頃に使っていたベッドは高校生になっても充分のその広さを保っていた。

子供の頃はここで律と一緒によく眠ったっけ…。

ゴロゴロとベットの上でころがりながら、澪は幼い頃のことを思い出していたけれど。
ふいに頭の中にさっきのもぬけの空となっていた部屋の様子を思い出すと、澪はピタリと動くのを止めた。

「律のバーカ。バイトでもなんでも勝手にすればいい」
ベットの側に置いてあるくまのぬいぐるみを両手に抱えた澪の声は、広い和室に静かに零れ落ちていった。

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

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