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いいなづけ 第十三作目Ⅱ - あとがき -

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅱ】 )
今回は五人の視点でそれぞれお話を進めてみました。
けっこう難しかったす…。

さて、いいなづけシリーズもそろそろ終盤に入ってまいりやしたー。

このお話は律ちゃんも澪ちゃんもそれぞれ自分たちの『許婚』の関係を
改めて考えるようになっていく…みたいな感じで書いていこーと思ったのに
なんだかドタバタ話に。

とにかく今回の一番の被害者は梓ちゃん。再度ごめんね、あずにゃん。

いいなづけ -01- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅱ」読んで頂き
ありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

いいなづけ -08- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅱ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅱ】 )
あら、梓ちゃん?

そんな二組の幼馴染二人を「不謹慎かしら…」と思いながらもつい楽しく見ていると、
ふと私は軽音部唯一の大事な後輩さんの存在を思い出して周囲を見回した。
梓ちゃんは、唯ちゃんと和ちゃんのキスを巡った熾烈な攻防戦のすぐ側に立っていた。
梓ちゃん、いつの間に…。
「ちょ!唯、離れなさいって…、え、中野さん?」
「和ちゃーん、むちゅちゅーって、あれ、あずにゃん?」
すぐ側で顔を俯かせて立っている梓ちゃんに気付いて、二人とも一瞬動きを止めたわ。

「「梓?」」
律ちゃんや澪ちゃんも口論を一旦止めて、さっきから微動だにしない梓ちゃんに二人して
声を掛けた。ぴったり声が揃ってるところがさすが『許婚』同士。
「どうしたの~、あずにゃん?」
そんな梓ちゃんの様子を見て、少しだけ和ちゃんのことを忘れたかのように、いつもの
ふんわりとした声で梓ちゃんに近づく唯ちゃん。
「…唯先輩」
顔を俯かせながら唯ちゃんの名前を呼ぶその声は小さかったけれど、どこか低くて重い。
唯ちゃん以外はなんとなく惨劇の予感がして、じりじりとその場を後ずさる私たち。
「なになに~?」
残念ながらそんな予感はまったく働かなかったらしい唯ちゃんが、梓ちゃんの口元に自分
の耳を近づけたの。
「唯先輩の…」
「え?」
「唯・先・輩・のー」
ワナワナと震えだす声。大きく振りかぶる梓ちゃんの右手。

このオタンコナスー!!!

ガコン!!
「ぐぇ!」
梓ちゃんの叫びと同時に聞こえた打撃音+唯ちゃんの悲鳴。
音楽室の床にバタっと倒れる唯ちゃん。ああ、いつもならその役は律ちゃんなんだけど。
「はあはあはあ……今日はもう帰ります」
唯ちゃんを殴った後、少し乱れた息を整えていた梓ちゃんが一言そう言って私たちに
向かって頭を一度下げると、踵を返してスタスタと部室を出て行った。
「あ…」
「お、お疲れ様…」
律ちゃんと澪ちゃんが力なくもう誰も居ないドアに向かってそう声を掛けた。

しばらく呆然と固まってしまった私たち。
律ちゃんがふと何かに気付いたように倒れている唯ちゃんの側に近づき、床に片足をつけて彼女に声を掛けた。
「…あー、唯、生きてるか?」
何も答えない唯ちゃん。

…返事がない。ただのしかばねのようだ。

律ちゃんが真面目な顔をしてそう言うと、澪ちゃんと和ちゃんが「はぁぁ」と一つ溜息を
ついたわ。今の言葉、何?何かのお約束なのかしら…。
「あ、あずにゃ~ん、なんで…?」
今だ倒れたままの唯ちゃんがそう呟くのを聞いて「催眠術は解けたのかしら」と私は内心で
そう思っていました。それはともかく床に倒れたままの唯ちゃんを律ちゃんと一緒に抱き
起こして長椅子に寝かせてあげることに。ごめんね、唯ちゃん…。

その後はもちろん、律ちゃんや和ちゃんと一緒に澪ちゃんのお説教を神妙な面持ちで
聴くことになった私は、もう催眠術を使うのは絶対に止めようと心に誓ったのでした。
…でもとってもいいものが見れたわ。
とこれまた内心で不謹慎にもそう呟いてしまいながら、私はやっぱり軽音部へ入部して
本当に良かったわあ、なんて澪ちゃんのお説教を聴きながらつくづくそう思うのでした。

三年生の二学期最初の日の部活動は、こうしてドタバタ劇の中で幕を閉じたのです。

それにしても私ってもしかして催眠術の才能があるのかしら…。

end

オマケ
…お嬢ちゃん。そこのお嬢ちゃん。
そう髪を左右に結った、うーんツインテールって今は言うんだっけかね。とにかくそう、
そうだよ、ギターを担いでいる可愛い小さなお嬢ちゃん。そうさ、あんたの事だよ。
ああ、ごめん、ごめん。お嬢「ちゃん」はちょっと子供扱いしすぎだったかねえ。
いやね、お前さんは今、恋愛のことで悩んでいるんじゃないのかねえと思ってねえ。
あー、いやいやそんなに興奮しないで。今日何かあったのかえ?若いねえ。
とにかく今あんたは相手の気持ちより、自分自身の気持ちがよくわからなくて悩んでいる
んじゃないかね、そうだろう。顔に出てるんだよ。
…おや、図星かね。ホホホ。まあまあ、そんなに紅くならなくても。
どうだい、ちょっと占ってみないかい。
いやいや。お代は今、お嬢さんが出せる分だけでいいよ。お嬢さんが出してくれた分の
占いは精一杯させて頂こうとするかね。いや、なにこう見えても私はなかなかお客様に
とって、いいアドバイスが出来る占い師だと自分では思っているんだけどねえ。
ホホホ……。

オマケ end

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いいなづけ -07- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅱ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅱ】 )
唯ちゃんに再度催眠術をトライしてみてから約十分後…。
「ごめん、遅くなった」
「遅れました」
たぶん来る途中で偶然に合流したのでしょう。澪ちゃんと、梓ちゃんが一緒に部室に
入ってきました。二人の姿を見ながら私と律ちゃんも内心ひどく焦っていました。
ああ、どうしましょう。

「あれ、どうかしたんですか?」
梓ちゃんの不思議そうな声に続いて、澪ちゃんも律ちゃんの方を向いて首を傾げました。
「…律?なんで唯を後ろから羽交い絞めにしてるんだ」
「き、気にするな。ちょっとプロレスごっこを…」
「はあ?」
「和先輩。どうしてムギ先輩の後ろに隠れてるんですか?」
「ええ、まあ、たいしたことじゃあないんだけど…」
どう見てもおかしな様子の私たちに、二人とも腑におちないような顔をしてる。
「りっちゃん、はなせー!」
「いや、唯、私が悪かった。とりあえず話し合おう」
律ちゃんの手から逃れようとジタバタと体を動かす唯ちゃん。そんな唯ちゃんを落ち着か
せようとする律ちゃんは大変そう。
「律、唯から手を離さないでよ!」
「わかってるけど、ちょっとキツい」
「唯ちゃーん、ちょっともう一度長椅子の方へ戻らない?」
「何、やってんだ。おまえら…」
私たち四人のあまりにも挙動不審な様子に、澪ちゃんが訝しげに聞いてくるのも無理も
ないわ。
「和ちゃ~ん!!」
そんな緊迫した状況を一言でぶち壊す唯ちゃんの和ちゃんを呼ぶ声。

「わ、唯」
「唯ちゃん、ちょっと落ちついて…」
「唯、正気に戻りなさい!」
三人がかりでそう言っても、瞳をキラキラとさせながら和ちゃんを見つめる唯ちゃんには
何も聞こえてないでしょう。
「和ちゃん、好き!大好き!アイラブユーだよー!!」
律ちゃんに手で口を封じられそうになるのを逃れ、大胆にも部室で和ちゃんに愛の告白を
する唯ちゃん。
「え!ゆ、唯!?」
「唯先輩!?」
唯ちゃんの愛の告白を聞いて瞬時に少し顔を紅くさせる澪ちゃんとは対照的に、少し顔が
青醒めたように見える梓ちゃん。
「ば、バカ、唯!」
「唯、しっかりしなさい!」
律ちゃんと和ちゃん二人の声を気にもかけず、好き好きー、ムチュチューと唇を突き出す
唯ちゃん。律ちゃんが止めてなければ、今すぐにでも和ちゃんに飛びついているに違いない。
催眠術にかかってもやっぱり唯ちゃんは天然さんね、なんて思う私。

「ムギ!」
「は、はい!」
そんなことを思っていたら、澪ちゃんに呼ばれて私は思わず直立になって返事をしてしまう。
ちょっと怖いわ、澪ちゃん…。
「唯に何した!?」
「あ、あの…。さ、さ、催眠術…」
さすがに今朝反省したばかりなので正直に言うのが怖いのだけれども、言わなければ
もっと怖いような気がします。ごめんなさい、澪ちゃん。
「またー!?」
そう言って声を上げたのは澪ちゃんではなくて梓ちゃんの方だった。
「なんでまたするんですか!」
「あ、唯ちゃんが自分は絶対かからないからって言ったら、律ちゃんがもう一度やったら
絶対唯もかかるからって、それでお願いされて…」
「和がそう言ったんだー!」
「私は疑問に思っただけよ」
律ちゃんから矛先が自分にきたのを即座に返す和ちゃん。
「でも和ちゃんも私が催眠術するの止めなかったのよ、…ね」
「…ノーコメント」
私の言葉に和ちゃんは目を逸らしてそう答えた。
私はやっぱり和ちゃんも興味があったのね~、とか思ったわ。

「和!?」
「…それにしてもお酒を飲まなくてもかかるなんて。唯の方が催眠術にかかりやすい
体質なんじゃないかしら」
澪ちゃんの叫びを無視して、私の後ろに隠れながらそんなことを呟く和ちゃん。
言われてみればそうかもしれないわ。
「おお、やっぱり!」
唯ちゃんを抑えながら、和ちゃんの言葉に律ちゃんは満足したように何度も頷いてる。
「律…。お酒って何のことだ?」
そんな喜びも束の間、澪ちゃんの質問にハッとなって固まる律ちゃん。
「え、いや、別に、なんでも」
「律!」
「え、いや、その、ごめんなさい!」
澪ちゃんの怒りを含んだ声に驚いて思わず反射的に謝った律ちゃんは、うっかり唯ちゃん
から手を離してしまった。
「の・ど・かちゃーん!」
律ちゃんの手から逃れて自由な身となった唯ちゃんは、これが噂に聞いたルパンダイブ
(服は脱いではいないけど)なのかしらと私が思うくらい、勢いよく和ちゃんに飛びかかって
きた。別に構わないんだけど和ちゃんの前に立つ私の存在は見えているかしら、唯ちゃん?
「ちょ、ちょっと唯!」
「和ちゃーん。好き好きー!」
唯ちゃんはある意味器用に私を避け、和ちゃんに抱きつくと「好き」の言葉を雨あられと
ばかりに振り落としながら、キスしようと和ちゃんに迫ります。
「だから正気に戻りなさいって、唯!」
絶対かからないって大言壮語を吐いていたのに、口程にもなさすぎよ、唯。
唯ちゃんの頭を両腕で抑えて、キスの嵐を防ごうとする和ちゃん。
「私は真剣だよ!」キリ。
「催眠術にかかった後で言われても、ちっとも説得力ないから…」
そんな漫才みたいな二人の遣り取りを見ながらも、視線を少し脇に逸らすと向こうでは
澪ちゃんがさっきのお酒のことを律ちゃんに問い詰めていた。
「お酒は禁止って言ったろ!」と言う澪ちゃんに「だから、父さんがー」と律ちゃんは
必死に言い訳?していました。

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いいなづけ -06- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅱ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅱ】 )
今部室には私、律ちゃん、唯ちゃん、和ちゃんの四人だけ。
澪ちゃんはさわ子先生に呼ばれて職員室に行っていて、梓ちゃんはまだ来ていない
けれど二人とももうすぐやってくるでしょう。二人がきたらすぐお茶を出せるように
お茶の準備に余念のない私。

「そう言えば、律はその番組を見てないの?」
「え。…ああ、ちょっとだけ見たよ」
三十分くらいだったかな。
律ちゃんはその時のことを思い出すように視線を上に向けた。
「でも、あんまし興味なかったし。それになんか急に眠たくなってきたから寝たよ」
「ああ…なるほど」
律ちゃんの話に和ちゃんは大きく頷いています。
「なんだよ、和」
「律、もしかしてその時にもうかかってたんじゃない?催眠術」
え?と和ちゃん以外の私を含む三人が声を揃えた。
「そ、そんなことは」
「だって急に眠くなったとこが怪しいじゃない」
和ちゃんに言われて「え、いや、それは…」とか意味不明な声を上げる律ちゃん。
「何?」
「いや、それはその、眠くなったのにはちょっと理由が」
「え、なになに~、りっちゃん」
和ちゃんに聞かれて言いにくそうにそう言った律ちゃんに、唯ちゃんが興味深々とばかり
に聞いてくる。
「あー、その…」
み、澪に絶対内緒だぞ、と律ちゃんが少し声をひそめてそう言った。
「いや、その番組見てるとき、ちょっとお酒飲んでてさ…」
指で頬を掻きながら、律ちゃんは私たちから視線を逸らしてそう言った。
「律、あなたまた…」
「りっちゃん、お酒の失敗はもう止めようってあれほど!」
お酒という単語を出た途端、二人から責められる律ちゃんは大慌てでその時の状況を
説明した。

その日たまたま眠れなかった律ちゃんが、暇潰しにリビングでTVでも観ようと思い
部屋を出て下に降りていくと、律ちゃんのお父様が一人でTVを観ながらお酒を飲んで
いたとのこと。しばらくお父さんと一緒にTV(つまり催眠術の番組)を観ていたけれど、
昼寝しすぎて眠れないんだーと律ちゃんがこぼすと、じゃあ軽く一杯飲めーとお父様が
それは気軽にお酒が入ったコップを渡してくれたのだそうです。
「すぐに眠くなるぞーって言うから」
前のこともあって一瞬躊躇した律ちゃんだけど、まあ家の中だし一応親が勧めてきたの
だからいいかなっと思ったらしい。…律ちゃんのお父様酔っていらしたのかしら。
「軽く飲んだら、確かにすぐに眠くなってきたんだよ」
だから急に眠くなったのはお酒のせいで、別に催眠術のせいじゃあ。
律ちゃんの話を聞いて和ちゃんはまた何か考えこんだかと思うと、ぼそりと「そのせいかも」
と呟いた。
「え?」
「だからお酒を飲んでちょっと意識が朦朧としたせいで、番組の催眠術にかかったんじゃ
ないかしら」
普段から飲んでるならともなく、慣れないお酒を飲みながら観ていたので催眠術にかかり
やすくなっていたのかも。番組の催眠術が律の意識に残ってて、ムギの素人催眠術の
せいで呼び起こされた…。
「そ、そうかー?」
「なんてね。ま、私の勝手な推測だけどね」
今一つ納得できないように首を傾げる律ちゃんと、さして本気で言ったわけではないのか
和ちゃんもそれ以上は持論を展開することはせずに、静かに紅茶を飲んだ。

「そうなのかなー。りっちゃんが催眠術にかかりやすい体質なんじゃない?」
「そんなことねーよ」
唯ちゃんの言葉にムキになって否定する律ちゃん。
「あはは、そうかな~。まあ、どっちにしろ私には催眠術は効かなかったわけで」
「あら、それはどうかしら、唯」
「へ?」
フンスとなぜか催眠術にかからなかった事実を胸をはって言う唯ちゃんに、和ちゃんが
疑問を投げかけた。
「ムギにしてもらったとき、唯、眠ってしまったんでしょう」
それって番組を見た後の律と同じじゃない。
そう言ってフォークでケーキを適量に切って上品に食べる和ちゃん。
「…もしかしてもう一度したら、唯ちゃんもかかるのかしら、催眠術?」
「そうだ!ムギ、もう一回唯にやってみてよ!」
「ええ!?」
和ちゃんの推測を元に何となく呟いた私の言葉に、律ちゃんが机の前に乗り出さん
ばかりに体を前に出してそう言ってきた。
「私だけ催眠術にかかりやすい体質なんて言われるのは恥だ!」
「え、でもそれはあくまで推測で…」
「ムギ、頼む!」
律ちゃんが両手を合わせて私にお願いしてくる。
そんな律ちゃんには申し訳ないけれど、今朝澪ちゃんに会った時に深く反省した私。
やっぱりそのお願いに応えるのは…ねえ、とためらった。
「ごめんね、律ちゃん…」
「私はいいよ~、ムギちゃん」
断ろうとした私の言葉を遮って暢気な口調で唯ちゃんがそう言いました。
「唯、ずいぶん自信あるのね」
「だーいじょうぶだよ、和ちゃん。催眠術なんて私は絶対かからないよ~」
スコーンを食べている唯ちゃんの顔は、緊張感が0といった感じ。
「言ったなー、唯!よし、ムギさっそく頼む!」
「え、でも…」
前回皆に迷惑をかけたことでもあるし、それに催眠術の解除法がまだ判っていない
私としては、二人からそう言われてもまだ躊躇していた。

どうしようかと悩む私に、唯ちゃんが部室にある長椅子にいつのまにやら寝そべって
「準備OKだよー」と気軽に声を掛けてきます。…本当に自信満々ね、唯ちゃん。
「よーし、覚悟しろ、唯!」
「…何言ってるのよ、律」
どこか勘違いしている律ちゃんに突っ込み入れる和ちゃん。
今日はメモは持ってきてないけれど、前回ので要領をまあ覚えているから出来なくはない。
和ちゃんですら案外興味があるのか二人を止める様子はない。
なんだかもう後戻りは出来そうにないような…。
「カモーン、ムギちゃん!」
能天気な唯ちゃんに私は内心ちょっとだけ溜息をつきつつ、それでもともかくやってみま
しょうかと心を決めて、唯ちゃんが眠る長椅子の方へと近づいていったのでした。

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ジャンル : 小説・文学

いいなづけ -05- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅱ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅱ】 )
皆さんこんにちわ、「軽音部のティーマイスター」こと琴吹紬です。
紅茶ではなく稀にコーヒーを淹れる際には「軽音部のバリスタ」と名称が代わる、
琴吹紬です。

夏休みが終わり、新学期が始った今日は二学期の始業式でした。
HRも終えた後すぐに部室に来た私たちはいつもどおり、私が持ってきたケーキを楽しみ
つつまったりとした時間を過ごしてしました。今日は昼食も兼ねてスコーンやケーキなど
ボリュームのあるアフタヌーンティーといった趣向で皆をおもてなしです。

「りっちゃん、澪ちゃんとどうやって仲直りしたの~」
「ノーコメントだ、唯」
スコーンにたっぷりジャムをつけながら、二日前に起こった「催眠術田井中邸殺人事件」
の真相をりっちゃんに聞いていた唯ちゃん。私自身もそれはとても気になっていたわ。
澪ちゃんが出て行ってからしばらく律ちゃんの家に居た私たちだけど、夕方になって
律ちゃんが「大丈夫だから」と笑って言ってくれて。私たちは釈然としないまま、でも
どうすることも出来ず結局その日はそのままお開きになったんだけど。
「…とにかく、私次第なんだよな、よーし!」
帰り際、ぼそりとそう呟いた律ちゃんの声に気付いて私が振り返ると、ちょっと真面目な
顔をしている律ちゃんの姿が私の目に映っていた。
澪ちゃんのことは律ちゃんにまかせるのが一番だけど、今回ばかりはやっぱりちょっと
心配だった。

「なんなの、ムギ。その催眠術殺人事件って?」
一緒にお茶でもどう?と軽音部室にお誘いした和ちゃんが、ケーキを食べる手を止めて
私に聞いてきた。
「てゆうか殺人なんてなかっただろ、ムギ」
すぐ二時間物サスペンスドラマ風にするな、ムギは。
苦笑しながら紅茶を飲む律ちゃんに私は「えへへ」と笑って誤魔化した。

私の心配を他所に、やっぱり律ちゃんは大事な所では頼りになる人で。
その日の夜にはメールで「心配かけてごめん」と澪ちゃんからのメールが全員に届いた。
今朝登校中に会った時も「ごめん」と謝ってくれる澪ちゃんに私は申し訳なくてたまら
なかった。だって元々は私の催眠術が原因だもの。
「いいよ、いいよ。あーんなのにかかるなんてほんと、律は単純なんだから」
ペコペコと謝る私に、澪ちゃんは笑って許してくれた。
その時の澪ちゃんは心なしかなんだか機嫌が良かったような気がする。
何かあったのかしら?
「それより梓に申し訳ないことしたなあ、って思ってさ…」
梓にはメールだけじゃなくて電話でも謝ったよ、と少し自重気味にそう言う澪ちゃんを
見て「重ね重ね申し訳ございません」と内心で深く反省する私。律ちゃんも梓ちゃんに
電話で謝ったとのこと。私も後で梓ちゃんにもう一度謝っておこうっと。

「また、喧嘩でもしたの。律」
私が内心深く反省していると、和ちゃんは「ふう」と一つ溜息つきながらも少し笑って
律ちゃんにそう聞いてきた。
「唯と同様和にもノーコメント…と言いたいとこだが」
夏休み入った直後に、誤解とはいえ澪ちゃんとの喧嘩を仲裁してもらった和ちゃんには
律ちゃんもちょっと気を使っているみたい。律ちゃんはこの間、自分の家で私の催眠術に
かかってしまった話を簡潔に和ちゃんに説明した。
「へえ。催眠術ねえ」
「ああ。そんなものにかかってしまったなんて我ながら一生の不覚」
律ちゃんは右手の拳を握り締めて悔しそうにそう嘆いた。
「私がかけられてたのねえ~」
暢気にあいかわらず天然な言葉を吐く唯ちゃん。
「うるせえやい」
唯ちゃんの言葉に憮然とした表情で言い返す律ちゃん。
「そうよねえ。どうして唯じゃなくて、律がかかったのかしら?」
「さあねえー」
興味なさそうに素っ気無く答える律ちゃんをよそに、和ちゃんは「うーん」と考えている
ようだった。

唯ちゃんはつい律ちゃんが催眠術にかかっていることを知らなかったとはいえ、売り言葉に
買い言葉で前に唯ちゃんのお友達の家に泊まり行った時の話を蒸し返してしまったことを
澪ちゃんからメールが来た後、電話でひたすら謝ったと私は今朝唯ちゃんから聞きました。
もちろん唯ちゃんはりっちゃんにもちゃんと謝ったそうです。
ただ二人ともそんなに怒っていなかったよー、と唯ちゃん。
…やっぱり何かあったのかしら。
律ちゃんに至っては「いや、私の方もなんか言っちゃったみたいで…。悪かったな、唯」と
逆に謝られた唯ちゃんは「なんのことだろ?」と首を傾げていました。
鈍いのか、単なる天然なのか。唯ちゃんは謎の人です。

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
こちらはけいおん二次創作SSサイトです。

ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

当サイトはリンクフリーですのでリンクをしていただけると嬉しいです。相互リンクもよろしければ大希望です。

当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

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