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いいなづけ 第十三作目 - あとがき -

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅰ】 )
…もう短く書けなくなってきた「いいなづけ」シリーズ。
もういいやー。良ければお付き合いお願い致します。
てなわけで二部構成でご覧下さい。

今回は五人それぞれの視点で、夏休みの終わりをちょっぴり
切ない気持ちになりながらも、楽しい一日を過ごしていただこうと
思っていたのに、なぜかこうなりました。皆ごめんね。特にあずにゃん。

Ⅱは一応書けてますので、また近々UPします。ではー。

いいなづけ -01- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅰ」読んで頂き
ありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

いいなづけ -08- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅰ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅰ】 )
「ムギ先輩、どうです?」
私が催眠術の凄さに感心している横で、さっきからムギちゃんはりっちゃんがかかってしまった催眠術の解き方を探しているのだけど、あずにゃんが聞いても力無く笑うばかり。
てゆうかムギちゃん。解除法も知らずに私に催眠術かけようとしたの?
「番組でも解除の話してなかったから…」
うわ、やっぱりムギちゃん知らなかったの!?だったら後どうする気だったの…。
「ムギ先輩」
「うう。ごめんなさーい」
そんな感じでこっちで三人あれこれ話していると、向こうではりっちゃんと澪ちゃんが二人でなにやらお話をしていました。

「律!いい加減、正気に戻れよ!」
「え?いや、だから…」
苛立つ澪ちゃんの剣幕に押されてたじたじになっているりっちゃん。
「わ、私たちは!」
「う、うーんと。親同士が決めた『許婚』だろ。いや、それはわかってるんだけど…」
二人の話はどこか平行線になっているみたい。
わかっているけど、わかってないりっちゃん。
催眠術のせいとわかっていても歯切れの悪い答えをするりっちゃんに苛立つ澪ちゃん。
「『許婚』だから大事だけど…。でも、梓も」
そう言ったりっちゃんに、とうとう澪ちゃんがキレたのかワナワナと体を震わせたかと思うと、震える手で握り拳を作り高々と上にあげたのです。

ああ、前みたいにまた惨劇が!

私の部屋で屍と化していたりっちゃんの姿が私の脳裏にリアルタイムに浮かび上がる。
そんな過去の悲劇を思い出しながら、私はたぶん最後の「梓も」の部分がきっと澪ちゃんの堪忍袋の緒が切れた最大のポイントかな、なんて勝手な推測をしていました。
「も」がね、ポイント。

でも私の予想に反して、りっちゃんの頭から前回のような大きな打撃音は聞こえてはきませんでした。かわりにパンと小さな、頬を打った音。
「澪…」
頬に手を当てて呆然としているりっちゃん。
「…バカ」
澪ちゃんは左手をぎゅっと握り、顔を俯かせ小さな声で呟くようにそう言った。
私は澪ちゃんの涙が一筋頬を伝っていくのが見えて、心臓が一つドキリと鳴ったのが聞こえたのです。
「あ、み、澪先輩!」
「澪ちゃん!」
しばらくして澪ちゃんは体を翻して部屋から出て行こうとした。
あずにゃんとムギちゃんが慌てて澪ちゃんに近づき、出て行くのを止めようとしたけれど、澪ちゃんは二人に構わず、避けるようにしてドアを開けて部屋を飛び出して行った。
残された私たちはただ呆然と立ちすくむだけ。

「え、あれ?あれ?ええ、あれ、なんだー!?」
しばらく沈黙に包まれていた部屋の中で、最初にそう言って動いたのはりっちゃん。
「あれ、私、今何してた?てか澪は何で出て行った?イテ。あれ、なんか頬が痛いー!」
急に頭を数回左右に振ったかと思うと、私たちの顔をそれぞれマジマジと見つめてくる。
「律先輩!」
「正気に戻ったの?律ちゃん!」
「え?え?」
律ちゃんはあずにゃんやムギちゃんに聞かれても、何がなんだかわからないっといった感じ。
「りっちゃん!」
「え、な、なんだよ、唯?」
「りっちゃんは澪ちゃんの事、愛してるよね!」
「へ?そりゃあ、まあ…アイシテルケド…て!い、いきなり何の話だよ!」
「良かった~。りっちゃん催眠術が解けたんだねえ!」
そう言ってりっちゃんに私は抱きついた。真剣な表情で突然私に質問にされて、うっかり素直に答えてしまったりっちゃんの顔は真っ赤だ。
「な、意味がわかんねえよ!」
いきなり私に抱きつかれて慌てるりっちゃんに、ムギちゃんがようやく説明し始めたのです。

全ての説明を聞くとりっちゃんはしばらく呆然としていたかと思うと、突然「ははは」と力無く笑ってベッドの上にペタンと座りこんだ。
「り、律ちゃん?」
「律先輩…」
ムギちゃんとあずにゃんが心配そうに声を掛ける。
そんな二人の声を無視して、両手で顔を覆って「ふふふ」と不気味に笑い出したりっちゃんに、私たちは脅えて部屋の隅の方に後ずさった。
「…………マジ?」
笑うのを止めて力なく顔を上げ、どこか空ろな瞳で私たちにそう聞いてくるりっちゃん。
「「「マジ」」」
声を揃えて答える私たち。
「ふふふ、あははは、はーって!うわーん、こんなの不可抗力中の不可抗力だー!!」
理不尽だー!と叫ぶりっちゃん。ごもっともだと思います。
「つくづくりっちゃんは今年は厄年だね」
世の不条理を嘆くりっちゃんに同情してしまう私でした。
「唯先輩、一応言っときますけど律先輩が厄年なら唯先輩も同じですよ」
同じ年の生まれでしょ、と呆れた顔でそう言うあずにゃん。あれれ、そだっけ?
あずにゃんに言われて、ところで厄年っていつだろうなんて考えていた私は、ふとさっきりっちゃんに言ってしまったみいちゃんのことを思い出した。
それと同時に、脳裏に浮かびあがるさっきの澪ちゃんの涙。
ま、まずいよねえ。ど、どーしよ。
とんでもないこと言ってしまったかもしれないと、今頃になって顔が青醒めていく私。

そんなわけで。
受験勉強から解放された楽しい一日は、興味本位で始めた「催眠術」とやらのせいで、とんでもない波乱を巻き起こして私たち五人を襲ったのでした。
「てゆうか一番の被害者はやっぱりっちゃんかな?」
「私です!」
ぼそっと呟いた言葉にあずにゃんの突っ込みが即効で入りました。そ、そうだね。
ああ、それにしてもまずいこと言っちゃった。ごめんね、澪ちゃん。…反省。
「どうしたの、唯ちゃん?」
ムギちゃんの肩に手を置かせてもらって、反省のポーズをする私。
そんな風に深く反省している私の横で、りっちゃんが急に何かに気付いたようにハッとなって叫んだのです。

「ああ、これか!これが女難の相ってやつかー!!」

…と。

To be continued…

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いいなづけ -07- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅰ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅰ】 )
「チェストー!!」
後少しでりっちゃんの唇があずにゃんの唇に触れそうなところで、私の必殺チョップが二人の間をすっぱりと裂き、引き離すことに成功しました。
「ゆ、唯先輩!」
「わ!唯。いきなり何すんだよ!」
りっちゃんはちょっと怒り気味に、あずにゃんはほっとした表情で私を見てる。

皆さん、おはようございます。
…もうお昼は過ぎていますが、一応起きたばかりなので。
夏はアイスをこよなく愛し、クーラーは遠慮したい平沢唯です。
ちなみにアイスは夏だけではなく一年中愛している、平沢唯です。

今日はりっちゃんの家に遊びに来ていて、ついさっきまで皆とアイスを食べながら、のんびりお喋りをしていたんだけど、ムギちゃんがTVで見た催眠術なるものをかけてもらうために、りっちゃんのベッドに横になっていたらなんだか眠くなってきちゃって。
どれくらい眠ってたのかはわからないんだけど、目が覚めて体を起こしてあずにゃんにおはようの挨拶をしていたら、なぜかりっちゃんがあずにゃんの後ろから抱きついてきてそのままチューをしようと…。ってええええええ!?
てなわけで驚いた私はそれを阻止すべく、ベッドから飛び起きて二人の真上から垂直にチョップを打ち下ろして、りっちゃんの暴挙を敢然と喰い止めたのです!フンス。

「あずにゃん、大丈夫!」
「あ、は、はい…」
「危ねえなあ、唯」
少し顔を紅くしているあずにゃんと、チューをするのを邪魔されて不機嫌そうなりっちゃん。
私はりっちゃんから守るように手を広げて、あずにゃんの前に敢然と立った。
「りっちゃん、あずにゃんに何しようとしたの!」
「は?、いやそりゃキスを…」
「なんですとー!」
私はりっちゃんの言葉に真剣に驚いて叫んでしまいました。
「り、りっちゃん、澪ちゃんという『許婚』がありながら何てことを…」
「あ、唯先輩。律先輩は催眠術に…」
「見損なったよ、りっちゃん!りっちゃんは澪ちゃん一筋だと思ってたのに、よりによってあずにゃんに手を出すなんて!」
「いえ、だから唯先輩、律先輩はですね…」
あずにゃんが後ろで何か言ってるけど、私は興奮してしまって聞いていなかった。

「りっちゃんの女たらし!」
「なんだよ、たらしなんかじゃねーよ!」
「あずにゃんにチューしようとした!」
「ああ、それが悪いかよ。てゆうか唯、なんかえらい剣幕だなあ。ハハーン、お前やっぱり梓のことが好きなんだろう」
「ふぇ!」と驚きの声を上げたのは私ではなく、あずにゃん。
「な、何言ってるんですか、律先輩!」
あずにゃんは真っ赤になって私の背中越しに猛然とりっちゃんに抗議した。
「そうだよ!あずにゃんのこと好きだよ!」
「えええ!唯先輩!?」
「だってあずにゃんは私の可愛い後輩さんだもん!」
驚いた声を上げるあずにゃんに、私はそう言いながらさっと振り返って爽やかな笑顔を振りまいた。どう、後輩を守る素敵な先輩ぽいでしょ、あずにゃん!
「…あ、そういう意味ですか」
頼りになる先輩への憧れの熱い眼差しを予想していた私の期待に反して、あずにゃんは無表情でため息混じりにそう呟いた。

あれ、あずにゃん?なにか怒ってる?なにか間違った?

でもあずにゃんは大事な大事な後輩さんで…。あれ、大事な大事な女の子かな…。
あれあれ、なんだろ?と、とにかく『許婚』の澪ちゃんの目の前であずにゃんにチューしようなんていい加減なりっちゃんには渡せないよ!
なんだかあやふやな部分があるような気がするけれど、ともかく私はそう決意する。

「後輩ねえ」
ニヤニヤしながらそう呟いたりっちゃんの声に、私はまた視線を前に戻す。
「とにかくりっちゃん、あずにゃんに手を出さないで!」
「なんでだよ!私は梓が!」
「わあ、聞きたくなーい!りっちゃんのたらし!やっぱり前にみいちゃんの家にお泊りしたとき、本当はみいちゃんが抱きついたんじゃなくて、りっちゃんから何かしようとしたんじゃない!?」
律ちゃんの言葉に、つい興奮して前に私の中学時代の友達の家にお泊りしたときの話を蒸し返してしまった。そんなことありえないんだけど、つい…。
「馬鹿!私がそんな事するか!あれは不可抗力だ!大体私には澪が…」
怒り気味に話していたりっちゃんがそこまで言ってハタっと口を閉ざした。
「あれ、そうだ、澪が…。あれ?」
片手でおでこを抑えて少し考え込むように視線をふらふらと左右に揺らすりっちゃん。
「どうしたの?」
「唯先輩、実は…」
りっちゃんのおかしな様子に私が首をかしげていると、あずにゃんが説明してくれた。

「…へ?催眠術?」
「ええ。なぜか律先輩にかかっちゃったみたいで…」
あれ?ムギちゃんに催眠術をかけてもらったのは私…だよね。
「ムギちゃん?」
「ごめんなさい。私にも何がなんだか」
ムギちゃんに説明してもらおうと思って、さっきからメモを見たり、携帯でどこかに電話していたムギちゃんを見てみると、ムギちゃんは困ったようにそう言った。
視線をりっちゃんに戻すと、まだ頭を押さえて何やらブツブツと呟いているりっちゃん。
そんなりっちゃんに心配そうに寄り添っている澪ちゃん。
「律、しっかりしろ」
「ううー。あれ?そう澪が私の…だよなあ、あれ、でも…」
澪ちゃんが声を掛けても、まだどこか迷っている風なりっちゃん。
なかなか強力な催眠術ですなあ。私はかかってないけど。

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いいなづけ -06- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅰ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅰ】 )
「先輩、落ち着いてください。なぜだかさっぱりわかりませんが、催眠術にかかったのは仕方ないとしても、このままではお互い大変不幸になるのが目に見えておりまして…」
特に律先輩、正気に戻ったら恐ろしいことがどちらかというと、私より貴女を待ち受けていることになるんですよ!
私は極力澪先輩を見ないようにしながら、なんとか説得を試みた。

「は?何言ってんだ、梓。いいからこっちこいよー」
そんな私の話など完全スルーで、両手を広げてにじりよってくる律先輩。
勘弁してください!
「梓」
「あ…」
穏やかな笑顔を浮かべて私の名前を呼ぶその声は、いつも律先輩が澪先輩の名前を呼ぶ時と同じ、優しくてとても落ち着いた声。その声に思わず逃げようとした体が固まってしまう。
澪先輩はいつもこんな感じで呼ばれてるんだなあ、なんてちょっとだけなんだか…。
「おい、律!」
いえ、何も思ってません!ちょっとだけ羨ましいなあなんて、これっぽっちも!
またもや澪先輩の声に正気を取り戻す私。もうやだー。

「澪。悪いけど静かにしてくれよ」
「駄目だ!いいから早く元に戻れ、律!」
「私は元々こうだよ」
「ち、違う!律は、律は…」
体を震わせ、左手を胸の前でぎゅっと握り締める澪先輩。
「私が何だよ?」
そんな澪先輩の様子を不思議そうに見ながら聞き返す律先輩。

ああ、律先輩本当に催眠術にかかってるんだ。

私はそう確信した。
だっていつもならあんな様子の澪先輩を律先輩は放っておいたりしない。
ちゃかしたり、からかったりしてはいるけど、いつだってあんな悲しそうな澪先輩の顔を見たらすぐに笑わせようといろいろとしていた律先輩だもの。
「そ、その、つまり律は…」

わ、私のこ、こ、恋人で『いいなずけ』だから…。

私が催眠術の威力に驚いていると、澪先輩は顔を真っ赤にして顔を俯かせながらもはっきりとそう言ったのです。

「「おおー!」」パチパチパチ。

澪先輩の言葉に驚いて思わず声を揃えて拍手してしまう私とムギ先輩。
あの人一倍恥ずかしがり屋な澪先輩が私たちの前でそんな事言うなんて。
今まで律先輩との『いいなずけ』のことを言われると否定はしなくても、照れて顔を俯かせて黙り込んでしまうような澪先輩がですよ。…レアなものを見てしまった。
「澪ちゃん、素敵よ!」
「それは同感ですけど、いいから早く解除の方法を調べて下さい、ムギ先輩」
いつのまにか私の隣で胸の前で両手を合わせて感動しているムギ先輩に、私は冷静にそう言った。
「…はい」
さっきまで慌ててメモを見てたのに。ムギ先輩は本当においしい場面は見逃さない人だ。

「………………」
澪先輩の言葉に急に律先輩は黙ってしまった。
しばらくして片手を頭に添えてなにやらブツブツ呟くのが聞こえてきました。
「あれ、そうだな…。澪は私の…」
「律!」
「律先輩!」
おお、澪先輩の愛の告白?が効いたのか。
またブツブツと呟きながら、頭を何度か振る律先輩。正気に戻ってくれたんですか!
ああ、これでやっとこの地獄から解放されると思って安堵する私の耳に「ふぁあ」と大きな欠伸をする唯先輩の声が聞こえました。
「あれ~、私眠っちゃってた?ごめん、ごめんー」
…なんとも能天気なその声が、今の私の神経にかなり障ります。

「あれ、どうしたの、皆立ったままで?」
…ええ、唯先輩はご存知ないでしょうが、さっきまで修羅場だったもので。
「もう。唯先輩、なんで寝ちゃいますかねー」
「あははー、ごめ~ん。あずにゃ~ん。おっはよー」
もう昼もずいぶん過ぎた時間に惚けた挨拶をしてくる唯先輩を呆れながら見ていると、突然背中に何か温かいものが。
「え、律先輩!」
律先輩が私の後ろからまたもや抱き付いてきました。あれ、催眠術解けてない!?
「ちょ、離してください!」
「照れない、照れない」
必死に離れようとする私に、ニヤリとした笑いを浮かべてそう言いながら、律先輩が顔だけ振り返った私に、な、な、なんとチューをしてこようとするのです!
「梓」
さっきのイケメンボイスで私の名前を呼びながら、顔を近づけてくる律先輩。
「え、あ…」
ちょっとだけボウとなる私…ってマズイマズイマズイ!

中野梓、16歳。ただいま人生最大のピーンチ!

だ、誰か助けて!
心の中で助けを呼ぶ私などお構いなく、律先輩はどんどん近づいてきたのでした。

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いいなづけ -05- 軽音部の愉快な仲間たち-Ⅰ

Category : SS( いいなづけ 【13-Ⅰ】 )
「律ちゃん、どうしたの?律ちゃんは澪ちゃんの『許婚』でしょ?」
そうです、そうです!もっと言ってやって下さい、ムギ先輩!
「え?………あれ、そうだった、よな」
「そうだったって…」
ムギ先輩の言葉にまたもや迷い顔になる律先輩。これは一体…。
様子のおかしい律先輩に、私はさっきから何かが引っかかっているような気がした。
澪先輩は律先輩に言葉に驚きつつも、おかしな様子をみせる律先輩に困惑気味だ。
「あれ、でも。…ええとー。悪いな、澪。私は梓が好き、なんだ」

うおおおおおおおおい!何言っとんすか、このデコ部長はー!!

だから澪先輩、落ち着いてください、そんな目でこっちを見ないでください。
これは何かの間違いです、陰謀です!
あー、なんだか眩暈がしてきた。まずい、本気で死にそう。

「律先輩、本当にどうしたんですか?もしかして熱中症か何かになったんじゃあ」
それで意識が朦朧として訳のわからんことを口走ってるに違いない、そうです。
そうでありますように!そうでないと私、真剣にヤバイです!
ちらりと横目で見た澪先輩の顔は真っ青になりながらも、律先輩と私を交互に見ていました。その視線が真面目に怖い!
「熱中症なんかなってねーよ。梓」
だから、何、そんな爽やかな笑顔を私に向けてくるんですか!いらないですから、そんなの!
…み、澪先輩、お願いですから般若のような顔でこっちを見ないで下さい。
「律ちゃん、まさか…」
「ん?なんだよ、ムギ」
困ったような表情を浮かべるムギ先輩に、律先輩が爽やかスマイルのまま聞き返す。
「ムギ先輩?」
「もしかして催眠術に」
「は?」
催眠術。ああ、そういえばそんなのしてましたね…。
そうだ。さっき何かひっかかると思ってたのはそのことだった。
「でも、それは唯に…」
澪先輩はちらりとベットの上で眠る唯先輩を見た。
そうだ、確かにムギ先輩が催眠術をかけたのは唯先輩のはず。てゆうか唯先輩、こんなに周りが騒いでるのにまだ寝てるんですか!
「そうなんだけど。でも律ちゃんの様子からして…」
「なんだよ、三人して変な目で私を見て」
唯先輩を除く三人からまじまじと見つめられて、ちょっと照れたように笑う律先輩。
「でも、梓が私を見てくれて嬉しいよ」なんてのを笑顔で付け足さなくていいんです!
いや、だから澪先輩、お願いですから…。

「どんな催眠術をかけたんでしたっけ?」
とにかく原因を解明すべくムギ先輩に聞いてみる。
「あ、あの、それはー」
言いにくそうなムギ先輩。
「ムーギー!」
「は、はい!あのね…」
澪先輩に怒りを含んだ声で名前を呼ばれて素直に白状するムギ先輩。

目が醒めて最初に見た人を好きになる。

「という催眠術を唯ちゃんにかけてみたんだけど…」
それがなぜか唯先輩はそこでぐーすか眠って、後ろで見ていただけの律先輩にかかってしまったようだった。…確かに、律先輩が目を開いたとき私が目の前に居た。

「ムギ~」
「ご、ごめんね、澪ちゃん」
でも律ちゃんがかかるなんて思わなくて。
半泣きの澪先輩にそう言いながらも素直に謝るムギ先輩。
確かになんで唯先輩ではなく、律先輩が催眠術にかかってしまったのだろう?
「とにかく、ムギ先輩。催眠術を解く方法はあるんですか?」
「え、えーと、ちょっと待ってね」
メモに書いてたかしら…と慌てて持ってきたメモを見直すムギ先輩。大丈夫かな…。
「おい、なんだよさっきから。三人してこそこそとー」
いつのまにか部屋の隅に移動して小さな声で話し合う私たちに、律先輩が除け者にされたと思ったのか、少し拗ねた口調で文句を言っている。
「な、何でもないよ、律」
そう言ってさりげなく律先輩に近づこうとした澪先輩をスルリとかわして、また私に抱きつこうとする律先輩。
「こ、こないで下さい!」
すぐに律先輩のその動きを察知して逃げの態勢に入る私。
律先輩にあっさりかわされた澪先輩は、背中をワナワナと震えせています。
怖い!ものすごく怖い!

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

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