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どっちの君も好き【前編】 -あとがき-

Category : SS( どっちの君も好き 【前編】 )
てなわけで、澪ちゃんが軽音部じゃなかったらどーなるかなーと
思って書いたパラレル話です。たまにゃあ気にせずにだらだら
書いちゃえと思ったらやっぱ長い話に。

後編はもう書いていて、あと少し校正したらアップします。
誤字、脱字が多くていつもアップ後に反省してます。
そしてこっそり直しています。
それでは後編をアップしたら良ければそちらも読んでやって下さい。

「どっちの君も好き【前編】」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

どっちの君も好き【前編】 -11-

Category : SS( どっちの君も好き 【前編】 )
律は今日なんの用事があるんだろう?
中学の頃はお互いの予定なんてわざわざ聞かなくても大体把握していたのに。
高校生になって別々の部活動を始めてから、私たちの世界は少し違うものになったような気がしていた。私も律も、最初の頃はお互いの部活動に夢中になっていた。
高校で知り合った部の仲間との交流も大事だったし、当たり前だけど二人が共有する時間はどんどん減っていった。
それでも一年生の時は同じクラスだったから教室に行けば律と会えたし、すぐに話も出来た。だけど二年生になるとクラスが別れてしまった。
文芸部の友人には否定したけれど、私は本当はそれがとても寂しかった。これを機に律とはあまり会わなくなるかなあ、なんて思って少し落ち込んでいた。

そんな風に私が思っているのが律に気付かれたかどうかはわからないけれど、二年生になってすぐに律が部活の終りに文芸部にわざわざ私を迎えに来てくれるようになった。
「だってこうしないと、学校で澪と話す時間ないじゃん」そう言って。
毎日迎えに来るので最初、文芸部の仲間たちにちょっとだけ冷やかされた私は、恥ずかしくてなってつい「毎日こなくていい」なんて心にもないことを言ってしまった。
本当は来てくれてすごく嬉しかったのに。
「澪がどうしても嫌ってんなら止めるけど…」
律がちょっとおもしろくなさそうな顔をしてそう言うと、私は内心ひどく焦った。
「い、嫌じゃないけど。でも軽音部の皆とも一緒に帰んなくていいのか?」
とりあえず「嫌ではない」ことを強調しつつ、誤魔化すようにそう聞いてみた。
でもそれは前から疑問に思っていたことではあった。
律は軽音部の皆と仲がよくて、とても大事にしているのを知っていたから。
「大丈夫!あいつらはわかってくれてるからー!」
ニヒヒと笑って言う律に、何がわかってくれているんだろうと思いつつも、私はもうそれ以上は何も言わなかった。それに正直に言えば私は律に迎えに来てもらいたかった。
律の言うとおり、放課後一緒に帰らなければ学校でほとんど律と話す機会が無くなってしまう。それは嫌だった。

「素直じゃないよね、私…」
ちょっと反省しつつも、生来の恥ずかしがり屋はなかなか直らないものだ。
素直じゃないけれど文芸部の部活が無い日は図書館に行って本を読みながら、軽音部の部活が終るのを待ってたりする私もいる。律には「読みたい本があるから」とか言って。
まあそのある意味嘘ではないけど、本心でもないそれがどこまで律に通用しているかは定かではないけれど。

楽器店を出てからついでに本屋にも行こうかな、と思っていた私の目に思いがけない
光景が飛び込んできた。慌てて近くのお店に隠れるように逃げ込む。
「律。…と先輩」
遠目に見えた二人はやっぱり律と、私と同じ部の先輩でもある文芸部の部長だった。
お店のドア越しに楽しそうに何かを話しながら二人が通り過ぎるのをみて、静かにお店から出る。私は少し先を歩いている二人の後ろ姿を見ていると、さっきまで私がいた楽器店に二人して入っていった。呆然と立ち尽くす私。
律と先輩がなぜ二人で楽器店に?
律はともかく先輩が楽器に興味があるなんて全然知らなかった。
休日に二人で一緒に楽器店に見に来るくらい仲がいいのも。
「知らなかった…」
さっきお店のドア越しに見た二人の仲睦まじい光景を思い出して私は、咄嗟に左手を痛む胸に当てた。不意にこの間文芸部で友人と後輩がしていた話を思い出す。

- うん。噂では好きな人がいるって話だよー。
- 告白のお断りの言葉がいつもそれなんだって。

好きな人。何度かされている告白を全てそう言って断っている。
律から一度もそんな話は聞いていなかった。

よく告白されているのだろう、とは思っていた。前に律の家に遊びに行ったとき机の上にノートと一緒に置いてあった彼女あてのラブレターを偶然見てしまったことも(てゆうかそんな所に無造作に置いとくのもどうかと思う)あったから。
部屋にいくたびに律の趣味とは思えないぬいぐるみや小物類が増えていたりして、私が聞くと「もらった」と答えることもしばしばあった。でもいつも律はさしてそれらの好意に感謝はしつつも、あまり関心を示している感じではなかった。

「あ」
しばらくどうしようかとその場で考えていると、二人がお店から出てくるのが見えた。
思っていたより早く出てきたので驚きつつもまた隠れようとしたけれど、二人が私がいる場所とは反対の道を歩いていったので、なんとか私がいることをばれないですんだ。
律とほとんど同じ身長の先輩が何か律に話かけていた。律もそれに笑って答えている。
「え…?」
何気なく先輩の手が律の腕を取って、腕を組むようにして歩こうとしている。律はちょっと困ったような顔をしたけれど、さして嫌がっている様子はなかった。
そこまで見て私は急に振り返って二人とは反対方向に早足で歩きだした。仲よく歩く二人の様子をもう見ていたくなかった。勢いよく歩いていると途中でなんだか涙がこみ上げてきた。
「う、うう」
片手で目に溜まってきた涙を拭いながら私はずんずん歩く。
涙を拭いながら二年生になって律が文芸部に私を迎えに来るようになったのは、私なんて口実で本当は部長に会いにきてたのかもしれない、そう思い始めていた。一度湧いた疑惑はどんどん私の涙腺を緩くしていくようだった。

でもそれは仕方ないかもしれない。
だって部長は素敵な人だ。美人だし、優しいし。私の憧れの人だもの。
律が好きになるのも無理はない。そうだよ。

どうしようもなくあふれ出る涙を手で押さえながら私は歩き続けた。ずっと早足で歩いていた私は少し疲れてきて、ビルの隙間に隠れるように入って息をついた。
そのまま私はさっきから止まらない涙を、鞄から出したハンカチでずっと抑えながら声を殺して泣いた。

To be continued…

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どっちの君も好き【前編】 -10-

Category : SS( どっちの君も好き 【前編】 )
「ねえ、澪ちゃん。今度ベース持ってきて一緒に演奏しようよ」
文芸部の活動がない日は、最近ほとんど軽音部にお邪魔させてもらっていた。
その日は軽音部が練習が終るまで(といっても今日もそんなに練習らしい練習はしなかったけど)つきあって皆と一緒に学校から帰っていたとき、平沢さんがふいにそう言った。
「え」
「そうね」
「一緒に演奏しましょうよ、澪先輩」
すっかり軽音部の皆とは仲良くなって、彼女たちは気軽に私の名前の方を呼ぶようになっていたけれど、私の方はまだ皆の名前を呼ぶまでには至らなかった。
「でも」
「いいじゃんないですか。ライブに出るわけじゃなくて、部室で一緒に演奏するくらいなら」
「あずにゃんの言う通り。ねえ、一緒に演奏しようよ、澪ちゃん」
「うん…」
皆からの期待が篭った視線に私は断ることはできなかった。それに本当は私も一度皆と演奏してみたいと内心密かに思っていたから。
「…じゃあ、一度だけ」
「やった~」
「良かった」
「楽しみです」
三人が喜んでくれているのを見て私も嬉しくなったけれど、さっきから律が何も言わないのがちょっと気になっていた。
「律?」
「あ、ああ。うん、いいんじゃないか」
「じゃあ来週ベース持ってきてくれる、澪ちゃん」
「う、うん、わかった、琴吹さん」
「ムギでいいわよー、澪ちゃん」
「…うん」
元来人見知りの私はなかなか人と打ち解けることができない。でも軽音部の皆はなんだかそんな私をほんわりと包んでくれるような気がした。

交差点までくると律以外の皆は信号を渡っていった。私と律に手を振って別れる三人。
いつもの帰り道を歩きながら頭の中では帰ったらさっそくベースの調整をしようと少し浮き浮きとした気分になっていた。
最近弾いてなかったから練習しなきゃ。
そうだ、弦も新しいのを買いに行こうかな。明日はちょうどお休みだし。

「なあ、律。明日空いてる?」
律にも楽器店につきあってもらおうと思ってそう聞いてみたけれど、隣を歩く律はどこか上の空のだった。
「律?」
「え、あ、何?」
「だから明日。明日空いてるかって」
「明日…」
律は少しだけ考えるような顔をした後「ごめん」と謝ってきた。
「明日、ちょっと用事があるんだ」
「そう…」
「ごめんなー。今度埋め合わせするから」
両手を合わせて謝ってくる律に私は軽く笑って「いいよ、いいよ」と答えておきながらも内心では残念に思っていた。それにしてもなんだか律の様子がおかしい。
「用事って…」
「ん?」
「な、なんでもない」
律の用事がとても気になってけれど、結局私はそれを聞くこともなく家の前で彼女と別れた。

次の日。
久々に来た楽器店はなんだか宝物が一杯詰まったおもちゃ箱のように、私はあれこれといろいろ見て回った。中学の時律が中古のドラムを買いにきてからは、私もお小遣いを貯めてベースを買ったり、楽譜や他にもいろいろ小物を見たりとしょっちゅうきていたけれど、高校になって文芸部に入ってからはあまり来ていなかった。
「久しぶりだな」
左きき用の楽器も以前よりずっと充実していて、私は子供みたいに夢中になってそれをずっと見ていたりした。
「律も一緒に来てたら良かったのにな…」
お目当ての物を買って袋を手に持ちながら店を出る時、ついそうぼやいてしまった。
久々の楽器屋さんは楽しかったけど、やっぱり一人より二人で来たかった。

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ジャンル : 小説・文学

どっちの君も好き【前編】 -09-

Category : SS( どっちの君も好き 【前編】 )
私が作った詩を使ってもらうから、てわけではないけれど。
歌詞を持っていった日から私は文芸部の活動をしながら時々、軽音部に顔を出すようになっていた。琴吹さんと曲のイメージを話しあったり、いつもだらけてばかりの律や平沢さんを中野さんと一緒に怒って練習させたりと。
そんな感じで軽音部で過ごしていると、なんだか軽音部のマネージャーのようになってきている自分がいた。そしてそれがなんだか楽しいと思っている自分にも。

「秋山さん」
文芸部に途中から顔を出した私を、部長が手招きをして呼んだ。
「はい?」
「秋山さん、今日遅れてきたのは軽音部の方へ行ってたの?」
「は、はい…」
文芸部は毎日は活動しておらず、週に三回部室に部員が集まるようになっている。
今日はその部活の日で、授業が終ったら文芸部にそのまま行くつもりだったけど、ほんのちょっとだけ軽音部へ寄っていこうと音楽室に行ったら、ついつい話をしていて遅くなってしまった。
「すいません、遅れてしまって」
文芸部はのんびりとした部だったのでそれ程規律厳しいといった部ではなかったけれど、やっぱり時間は守らないといけないと思った私は軽く頭を下げて謝った。

「あ、別にいいのよ。少しくらい。それより学園祭に出す予定の原稿だけど」
あ。
内心で思わず声を上げる。…何もしてない。
「は、はい」
「どう?進んでる?」
優しく微笑んでそう聞いてくる部長に私は内心焦った。
軽音部の歌詞が出来た時点でちょっと忘れていた。
「ええ、まあ」
「そう。秋山さんはお話か詩にするって言ってたけど。結局どっちにするの?」
「ええと」
ん?と微笑みながら顔をちょっと横に傾ける先輩は、やっぱり可愛らしい人だなあと思う。
てゆうか今はそんな事を考えている場合じゃない。
「くすくす。まだ決めてないの?なら詩にしたら」
「え」
「軽音部に歌詞を書いてあげたんでしょう」
その詩を文芸部の同人誌に掲載すればいいじゃない。
文芸部の同人誌の方はまだ何もしていなくて焦っていた私に、部長は少し笑いながらそう言ってくれた。

「いいんですか?」
「ええ」
部長の言葉に私はほっとした。最近はすっかり琴吹さんが作る曲イメージにあわせた歌詞を作るのが楽しくなっていた私は、文芸部の方をすっかりお留守にしていた。歌詞の方でいいなら、もうだいぶ書いているので学園祭の同人誌用には充分間に合うだろう。
「ありがとうございます」
「いいえ。軽音部の部長さんが心配してたわ。貴女がこっちにすごく協力してくれて助かっているけど、そのせいで文芸部の方に迷惑かけるようなことがあったら自分のせいだって」

澪は悪くないから。もしなにかあったら自分の責任だからって、そう言ってね。

部長はその時の様子を思い出しているようだった。
「律が」
律がそんな事考えてたなんて。
部室ではだらだらしてばっかりで、中野さんが(最近では私も加わって)言わないとなかなか練習もしなくて、部長のくせに何も考えてないような感じなのに。

「律ちゃんは優しいわね」
律の気遣いが嬉しくて胸の内が熱くなっていたところに、ふと部長が漏らした一言が私にこの間音楽室に行く階段の下で、部長と律が二人で話をしていた光景を思い出させた。
「あの…」
「なに?」
「部長は律とあの…」
「え、ああ。彼女とは私が部長になってから、部長会議で何度か話をした事があるの」
楽しい人よね、律ちゃんは。
そう言ってはにかんだように笑う部長を見て、急激な不安が私を襲った。
部長はもしかして律の事…。
リボンを直していた部長の表情は穏やかで優しかった。
「じゃあ、それでいいわね」
「え、あ、はい。…わかりました」
部長から離れていつもの自分の席に座る。

「澪ちゃん、どうしたの?」
部室にくるなり部長に呼ばれた私を心配してくれたのか。
席に戻ってきた私に、友達が声を掛けてきた。
「何でもないよ。あ、私は今度の同人誌は詩を書くことにしたよ」
「あ、そーなんだ。うー、私も早く書かないと」
彼女はいろいろ悩んで結局ファンタジー物を書くと言っていたっけ。
頭を抱えて原稿用紙を睨む友人を横目に、私はさっきの部長との会話を思い出していた。

- 楽しい人よね、律ちゃんは。

嬉しそうにそう言った部長の表情が頭から離れなかった。
それにこの間リボンを直してもらっていた律の顔も。

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どっちの君も好き【前編】 -08-

Category : SS( どっちの君も好き 【前編】 )
軽音部の部室が上にある階段の下。
私は一冊のノートを持ったまま、しばらく悩んでいた。

「どうしよう…」
なかなか決心がつかず階段の下でうろうろと歩き回っていると、上から誰かが降りてくる声が聞こえた。思わず慌てて階段の横に隠れてしまう。
「ごめんね」
「気にしないでくださいよー」
あれ、あの声。
降りてきたのは二人で一人は律だけど、もう一人は。
こっそり階段の横から覗いてみるとやっぱり律と…部長?
「そいじゃ」
「ええ。…あ、ちょっと待って」
「なんすか?」
律と一緒にいる人はうちの、文芸部の部長だった。部長は律のリボンをちょっと直してあげたようだ。上着をぽんと手で軽く叩く。
「はい。上着もできればちゃんと着なさい」
「窮屈なんですよ」
しょうがないわね、といった風に軽く笑う部長は可愛らしかった。

「じゃあね、律ちゃん」
軽く手を上げて廊下を歩いていく部長。
「じゃ」
律は軽く手を振って部長を見送っている。
階段の横で隠れながら二人を見ていた私は動悸が早くなるのを感じていた。

律ちゃん?

部長は律といつからあんなに親しい仲になったんだろう。
律がいつも文芸部に私を迎えに来たときも、部長と話をしている所なんて一度も見た事がない。そりゃあ挨拶くらいはしていたけど。それに、なんだかとってもいい雰囲気だったし…。
「澪?」
「え?」
考え事をしていた私に律が気付いて声をかけてきた。
「り、律」
「どした、こんなところで?」
「あ、ええと、その」
こっそり隠れて二人を見ていた事に少しバツが悪くて、我ながらちょっと慌ててしまった。
「ん?もしかして私になんか用か?」
用、そうだ。確かに律に会いにきたんだけど。どうしようか悩んでたんだっけ。
「え、う、うん」
「なんだよ。あー、またムギのケーキが食べたくなったのか?」
「いや、そうじゃなくて…」
「いいじゃん、いいじゃん。今日もムギ持ってきてくれてるから食べてけよー」
律は陽気にそう言って私の手を取って強引に部室へ連れて行こうとする。
「り、律、そうじゃなくて」
「まあまあ」
笑って私を引っ張る律に為す術も無く私は昨日と同じく、軽音部の部室に入っていく事になってしまった。

「おおー」
私のノートを覗き込むと、軽音部の皆が揃えて声を上げた。
「澪、これ…」
「あ、いや、あの。その…」
ああ、やっぱり恥ずかしい。顔が真っ赤になっているのが自分でもわかる。
「あ、あの、えーと、どう、かな…」
軽音部でもないのに、ちょっとあれだったかなあ。でも昨日聞かせてもらった曲が素敵だったんで、つい。あ、い、一応文芸部だから、詩とかはよく書いてて…。
恥ずかしさを誤魔化すために、言い訳がましい言葉を並べる私は顔を上げられないでいた。
「歌詞書いてきてくれたんだ~」
平沢さんが嬉しそうにノートを見ながらそう言った。
「一日で書いちゃうなんてすごいわ」
「本当ですね」
琴吹さんと中野さんも互いに感心したよう私のノートを見ている。
「…う、うーん。まあなんていうか、澪らしいなあ」
ノートの後ろから覗き込んでいる律が、もぞもぞと背中を掻きながらそう言った。
「私らしい?」
「まあ、メルヘンというか、ロマンティックというか、むず痒いといおうか」
そう言ってますます背中を掻く律。

「すごくいい歌詞だと思うよ!秋山さん!」
どこか納得いってないような律の表情に内心ちょっと落ち込みそうになったとき、律の横で私のノートを見ていた平沢さんが目をキラキラさせてそう言った。
「え」
突然誉められてびっくりする。
「そうね。私もそう思うわ」
「ええ、私も」
琴吹さんや中野さんもニコニコと笑っていた。
三人の言葉に私は心の中がぱぁぁと明るくなったような気がして顔を上げた。
「え!?」
「りっちゃん、この歌詞使わせてもらおうよー」
「そうですよ、ちょうど良かったじゃないですか」
「うふふ」
律以外の軽音部全員の希望により私の歌詞を使ってくれることになった。
「いいの!?」
「もちろん!」
「てゆうか、こちらが使ってもいいのかお聞きしないといけない立場ですよね」
中野さんは私に「本当にいいんですか?」と確認してくれた。
「うん。もし良かったら歌詞として使って」
「良かったわね、りっちゃん」
「あー、うん、まあ」
琴吹さんの言葉にどこか曖昧な返答をする律。
「む。律はやなのか」
三人が喜んでくれたのはすごく嬉しいけど、律が納得してなさそうな表情をしているのが、私はおもしろくなかった。

「いやいや。いいんじゃないか、うん」
よーし、この歌詞で学園祭をキメようぜー!
律が部長らしくそうまとめると皆が「おー」と声をあげた。
「他の歌詞もすごくいいと思うから、それで曲作ってもいいかしら、秋山さん?」
「も、もちろん!」
琴吹さんの提案は願ったり、かなったりのものだった。
自分の書いた詩が曲になって歌ってもらえるなんてすごく嬉しい!
「秋山さん、せっかくだしどんな曲がいいかとか、何かイメージがあったらムギちゃんに言ってみたら~」
「そうね。作者さんの意向も聞かないと」
平沢さんの言葉に琴吹さんも頷いて私に笑いかけた。
「え、そんな、別に。曲は琴吹さんにおまかせするよ」
「まあ、とにかく歌詞もできたことだし」
「練習しますか!?」
嬉しそうに勢いこんで先輩たちにそう聞いてくる中野さん。
「とりあえずお茶しよーぜー」
「ええ!?」
真面目な後輩さんの期待むなしく「そうだねー」「そうね」と言って先輩たちはそれぞれの席に座った。そんな先輩たちに文句を言う中野さんも、結局一度お茶してから練習ということに渋々同意した。…やっぱり大変そうだなあ、中野さん。

「じゃあ…」
「秋山さんもぜひ食べていってね」
「おおー、澪も食ってけよ」
目的も果たせたことだし遠慮して部屋を出ようとした私に、軽音部の皆が快く席を空けて座るように促してくれた。
「今日はね、いろいろと持ってきたの」
「やった~」
「さっすが、ムギ!」
「ムギ先輩、いつもありがとうございます。でも律先輩、唯先輩、食べたら絶対練習しますからね!」
へーいとやる気なく返事する二人。うふふと笑いながらお茶を入れる琴吹さん。
むーと二人の態度にちょっぴり怒り顔だったけれど、ケーキを見るとパッと嬉しそうな顔になる中野さん。

昨日と同じように美味しいケーキを頂き、紅茶を飲みながら皆の会話を聞いていた私は、軽音部のちょっと変わっているけれど、この楽しい雰囲気に慣れていくのを感じていた。

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プロフィール

書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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当サイトはまんがタイムきらら原作、アニメ「けいおん!」中心の非公式サイトです。
原作者様、出版会社様、制作会社様とは一切関係ありません。

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