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いいなづけ 第九作目 - あとがき -

Category : SS( いいなづけ 【9】 )
高校生になってからなんとなく澪ちゃんとの『許婚』の関係に悩んだり
苦労もしてますが、基本的にはポシティブな律ちゃん。
今さら他の人には渡せんのです。自分なりに頑張る律ちゃん。

澪ちゃんは澪ちゃんでいろいろ心配する事があったりするのですが。
それはこの次の話で。

「いいなづけ 2年生の終わり 田井中律の場合」読んで頂き
ありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

いいなづけ -08- 2年生の終わり 田井中律の場合

Category : SS( いいなづけ 【9】 )
次の日の昼休み。学校の廊下でまた和に呼び止められた。
この間お泊りしたメンバーに、今度の日曜日もまた遊びに行こうと誘われたらしい。
もちろん澪と一緒にだ。で、また私に確認しに来たわけだ。

「…和」
「ごめんなさい、やっぱり一応確認しないと皆が、ね」
なんでまた聞いてくるんだよ!…またなんか笑ってるし。てかそれよりも!
「和、誰が寂しそうだって…」
澪にはともかく、和にそんな事言った覚えはねえ。
「あら何の事?」
「とぼけんな!」
私が怒ってもすまし顔の和。
「律、和」
「あら、澪」
廊下の向こうから澪が私達に気付いてやってきた。
「どうしたの、和。律に用事でも?」
「ううん、大したことじゃないの。ちょっと生徒会からの各部への確認でね」
澪は実は自分が誘われる前に、和が私に確認を取っているなんて事は知らない。
和もわざわざ澪には話したりはしていないので、話の内容を誤魔化した。
「律、またなんか和に迷惑かけてるんじゃないだろうな」
「違う」
てゆうか、迷惑かけられてるのは私の方だ!
「澪、今度の日曜日また誘われたんだけど、どうする?」
和が澪に確認している。まったくそっちの方が先だろ、私に聞くよりさ。
「え、この間のみんなと?」
「そうよ」
澪は一瞬考えているようだったが、視線をちらっと私の方に向けて和に戻した。
「今度の日曜日はごめん、もう予定があるんだ」
「そう。実は私もそうなの。仕方ないわね」
じゃあ、断っとくわ、と和が言うとごめんね、よろしくと澪が答えた。
「律、ありがと、もういいわ。じゃあ、先に戻ってるわよ、澪」
和が澪に軽く手を振って廊下を歩いていく。
「一緒にいかなくていいのか、澪」
「いいよ」
お昼休みの時間はまだ少しある。廊下の窓から外を見ると、午前中は曇っていた空が少し晴れて来て、雲の隙間から光が漏れていた。

「澪」
「ん?」
「日曜日になにか予定があるのか?」
さっき和との会話を聞いてから私は疑問に思っていた。
「…あるよ」
「おばさんと買い物でも行くのか?」
ふとそこまで言ってなんだか小姑みたいに詮索しているみたいな気がして、私は少し澪から目を逸らした。澪はそんな私の様子にさして気にしていないのか、どこか楽しそうな顔をしている。ん、なんかそんなに楽しみな予定が入っているのか?
少しだけ不安な気持ちが私の中に生まれるけれど、いつものように表情には出さない。
「律は今度の日曜日、暇?」
私の内面の葛藤に(当たり前だけど)気付てはいない澪が、唐突にそう聞いてきた。
「へ?…まあ、空いてるけど」
ん、予定があるんじゃないのか?
「じゃあ、二人でどっか遊びに行こう」
「…え?」
「それが私の今度の日曜日の予定」
「…」
「いいだろ、律」
澪がいたずらっ子のような顔で少し笑っていた。
「…ああ、もちろん」
やれやれ、なんだかやられた。まったくそういうのは私の十八番なんだぞ。
まあ、でもいいや。やっぱ嬉しいしさ!
「うーし、どこいこっか、澪」
「ああ、とりあえずこの間皆と行ったお店がすごくおいしくてさあ…」
そのまま私達は昼休みが終わるまで今度の日曜日の予定を話あった。

窓の外に広がる空はずいぶん晴れてきた。
明るく暖かい光を浴びていると、春の到来をもうすぐに感じさせてくれる。
できれば今度の日曜日は晴れてくれるといいな。
私は楽しそうに話す澪を見ながら、そんな事をぼんやりと考えていた。

end

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いいなづけ -07- 2年生の終わり 田井中律の場合

Category : SS( いいなづけ 【9】 )
「それは、…そうかもしれないけど」
俯きながら言うその表情は少し寂しそうだった。
「昨日は本当に寂しかったよ」
嘘じゃないよ、澪。
そう言って私は、目の前で膝立ちになっている澪を今度は正面から抱き締めた。
澪の腰あたりに手を回す。澪はさっきのように体をずらしたりはせず、少しためらった後私の背中に手を回してきた。
「でもやっぱり私は澪にいろんな人と会って、その中で楽しい思い出とか作って欲しい」
さっきのように澪の耳元で囁くようにそう言う。
「律」
「本当はちょっと妬けるし、心配もするけど…。でも」
潰れかけていた軽音部を立てなおして、そこで唯やムギや梓と出会って私達の高校生活はもっともっと楽しくなったじゃないか。
私は澪の体を少し強く抱き締めた。
「でもそれは律も一緒に…」
「今はね」
でもさっきも言ったように、いずれ私達が大人になっていけばそんな風にはいかないよ。
私は少し澪から体を離した。澪の綺麗な髪と同じくらい綺麗な黒い瞳を見つめながら、私は昨日眠る前に考えていたことを思い出していた。

今、こんなにも私の近くに澪が居るのにいつだって心配でたまらない。
いつまでも私の後ろに、誰にも見つからないように隠してしまいたい。
どうか私から離れないで。いや、離したくない。

私のそんな気持ちが『許婚』という立場を利用して澪を縛り付けてしまいそうで恐い。
本当は全然自分に自信がないから、それを隠すために何でもない風を装っているんだ。
「勝手にすれば」って。でも違うんだよ。ごめんな、澪。
さっき澪に言った言葉は本当は自分自身に言い聞かせているんだ。

「律も…」
澪は左手を私の頬にあてて少し撫でるように触れる。
「…なに?」
「律も落ち着かなかったか?」
私が律の知らない子と遊びに行って落ち着かなかったのか。
頬にあてていた手をそっと離すと、私のトレードマークのカチューシャを取った。
パサリと音を立てて落ちてくる私の前髪。その髪を澪が触れる。
「…そうだな。落ち着かなかったかな」
前髪を下ろした髪型が私には似合わなくて落ち着かないようにさ。
「これはこれで可愛いよ」
澪が少し笑いながら、あいかわらず私の前髪を触っていた。
「…おかしーし」
それに昨日は聡と格闘ゲームしても全然集中できなくて、全敗しちゃって今度ジュース奢ることになっちまったんだぜーと、笑って言うと澪も少し笑った。
「それは悪かったな」
「いえいえ」
そのまま二人して少し笑った後、不意に私達は目を逸らして無言になった。
しばらく時が止まったように部屋の中央で固まったままの私達だったが、私がなんとなく視線を正面に向けると澪も同じタイミングで視線を私に向けた。
私達は少しだけ見つめ合った後、自然に体を近づけてそのまま唇を合わせた。

…もうちょっと待ってよ、澪。
なんとか頑張って自分に自信をつけるようにするからさ。
澪が誰とどんだけ仲良くしてても全然気にしないってくらいに自信が持てるように。
どうかそれまで見捨ないで待っていて下さい。
貴女の『許婚』はやればできる子なんです。…たぶん。

キスをした後もう一度澪を抱き締めながら私はそんな事を考えていた。

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いいなづけ -06- 2年生の終わり 田井中律の場合

Category : SS( いいなづけ 【9】 )
澪の顔は見えないけど間違いなく真っ赤になっているに違いなかった。
なんせ今側で見てる耳や首筋が真っ赤ですし。
そしてそれを見た途端、私の顔も一気に紅くなっていくのを感じた。
心臓が軽快にタップダンスを踊り始めた。タンタンタタタンタン。

「て、てゆうかまた騙す気だろー、澪ー」
だ、騙されないぞー、と言いながらちょっと澪から体を離して渇いた笑いを上げる私。
嬉しいんだけどなんてゆうか、あー、とことんこうゆう雰囲気に慣れない私。もはや条件反射でおちゃらけてしまう。もうお笑い芸人でも目指すべきなんだろうか、この習性。
案の定というかこちらを振り返った澪の顔は真っ赤だった。でもその表情は少し怒っているような、呆れているような。
「…律は」
「え?」
「律はどうせそんな事少しも思ってないんだろうけど…」
そう言うと澪はまたプイっと顔を逸らし私に背中を見せる澪。またクッションを持ち直し背中を丸める。その様子はこれまた怒っているような、悲しんでいるような。
「あ、いや…」
「別にいいけど」
全然よくなさそうな拗ねた声。前にも聞いたことがあるような口調。
そうだ。昨年の冬、いろんな人が澪を何かに誘ったり、告白したりする際になぜか私に許可を求めてくるようになった頃だ。確認してくる相手に「どうぞご勝手に」なんて投げ遣りな態度を取っていたら澪に拗ねて泣かれたときもこんな感じだった。
確かにちょっと面倒くさい気持ちがあったから言い方がなんか適当にはなってしまったけど、澪の事「どうでもいい」なんて思って言った訳じゃあないんだよ。

「澪」
私はもう一度澪を後ろから抱き締めようとすると、今度は澪は大人しくしていなかった。
ちょっと体をずらして私の腕から逃れようとする。
「澪」
もう一度名前を呼ぶ。澪は何も答えない。じっとクッションを持って固まったまま。
違うんだよ、澪。そうじゃないんだ。
「私も寂しかったよ」
正直に言うしかないよな、この場合。
「…嘘つけ」
そう言われるのも無理ないよな、けど。
「澪、私たちは子供の頃からずっと一緒にいてさ、それが当たり前みたいになってるけど」
「…律?」
澪が顔だけ私の方に向ける。
「二人でいるのは当たり前みたいになってるけど、でもいつまでもこのままってわけにはいかない」
「り、律!?」
澪が慌てて振り返り私に近づいてきた。
「違うって、誤解するなよ」
澪は私が『許婚』を解消しようとか、別れようとかそんな事を言おうとしているのだと勘違いしているのがすぐにわかったので、慌てて否定する。
んなこと死んでもいいません。…私からは、と心の中でそう呟く。

「つまり、澪も私もこれからもっといろんな人と出会って遊びに行ったり、将来は他の人たちと一緒に仕事したりなんかして、うーん、なんてゆうか、とにかくいつも二人一緒でってわけにはいかなくなることも増えるだろ。」
それにそろそろ慣れないといけないと思うんだ。
私の言葉に澪はちょっとだけ驚いたような顔をしてから少し顔を俯かせた。

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いいなづけ -05- 2年生の終わり 田井中律の場合

Category : SS( いいなづけ 【9】 )
次の日の夕方。
澪にしては珍しくアポ無しで私の部屋にやってきた。

「よっ、どうだった?」
私は澪が突然部屋に入ってきたことにさして文句は言わず「楽しかったかー」と能天気に聞いてみる。
「りーつー」
昨日一泊した後、朝から皆とショッピングやらカラオケに行ったと澪は教えてくれたが、その声は楽しそうというより、こう、なにかいろいろ我慢してたものが、そろそろ爆発せんばかりといった感じだ。
「なんだよ、楽しくなかったのか?」
だけどそれには気付いていないような素振りで聞いてみる。
わかってるんですけどね、とりあえず言ってみようかと。
「楽しかったよ!でも同じくらい恥ずかしかったよ!」
澪の顔が少し紅くなっている。
「なんだよ、昨日の電話の事か」
うーと昨日と同じように唸りながらも、なんとかなだめて聞いてみると、あの後さんざん皆から冷やかされそうだ。ああ、やっぱね。
さらに、皆からの冷やかし攻撃に助けをもとめようと涙目で見た和までもが「律も私とこの間たまたま今日の話をしてた時、少し寂しそうだったから電話してあげて正解だったわよ、澪」などと言ったのでさらに周囲が盛り上がったらしい。
おい、和ー!
どうやら念が届いてなかったようだな、あの眼鏡っ子!

「律のせいだ!」
私が今度は念じゃなくて呪いをかけてやる、と半分冗談まじりに考えていると、澪が本当に予想通りな台詞を私に放り投げてくる。
「なんでだよ…」
理不尽だが、もう慣れっこです。
「律のバカ、バカバカバカ律!」
「はいはい、すいません…」
もう、とまだ文句を言いながら、私の部屋に来たらいつも使っているクッションを胸に抱えて座り込む澪。はあ。毎度の光景だ。
体を丸めてクッションをギューと抱き締める澪の背中から、まだブツブツと何か聞こえてくる。
その様子に思わず笑ってしまいそうになって、私は慌てて片手で口を塞ぐ。
何回ここで笑ってしまってさらにこじらせてしまった事があるやら。
「みーおー」
「バカ律」
うーん、結構きてるな。声には出さず表情だけで笑いながら、私はそっと後ろから近づいて澪を両手でクッションごと抱え込むように抱き締めた。
「り、律?」
澪は少しだけ体をビクっと震わせたけど、私を振り払おうとはしなかった。
「本当に楽しかった?」
私の腕の中で大人しくしている、ちょっと機嫌の悪い『許婚』にもう一度聞いてみた。
「………楽し、かったよ」
からかわれたけど…。でも皆といろいろゲームしたり、カラオケ行ったりして。
「軽音部の皆とはまた違うけど、でも楽しかった」
「良かったなー」
「…うん」
頷く澪の声はもう怒ってなくて穏やかになっていた。

そのまましばらく私は澪を抱き締めていた。澪はクッションから手を離して後ろから回された私の手の上に自分の手を重ねた。澪の手は温かかった。
「律」
「ん?」
そのまましばらくじっとしていた澪が私の名前を呼んだけれど何も喋らない。
「…なんだよ?」
澪の耳のすぐ側で囁くように聞いてみる。澪の耳は紅くなっていた。
私の頬に触れるさらさらとした綺麗な長い黒髪。
「…冗談じゃないよ」
「なにが?」
なんのことかわからず私はそう聞いてみる。
「昨日の電話で…」
「ん?」
「だから、昨日電話でその…」
「…」
言いよどむ澪の首筋が紅く染まっていく。んん、なに?
「その、律がいないとちょっと寂しいって、…言ったのが、さ」
ものすごく言いにくそうに、小さくかぼそい声だったがちゃんと私の耳に届いた。

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
ようこそお越しいただきました。
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

百合的要素を含みますので嫌いな方や都合の悪い方は見ないことをお勧めします。

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