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短編 「どゆ意味?」

Category : どゆ意味?
短編です。
よくあるシュチュエーションだと思いますが書いてみました。
律x澪でまだ二人は幼馴染で親友の関係です。
読んでやるぜーという方は下記よりどうぞ。

- どゆ意味? -

人は人生の最中において、何度も迷い決断するものである。
その度に人は己の心の中で天使と悪魔の尽きる事のない戦いを、どこか他人事のように傍観者となって見ることになる。
戦いは天使が物の道理を説き、悪魔が己の欲望を明確してくれる。
その際人は大概悪魔に熱いエールと心からの応援を送るのだが、大抵は天使側の勝利となって終わりを告げる。
残念ながら天使vs悪魔の決戦に、サポーターの応援などなんの効力も持たず「サポーターの皆さんのおかげで今日は勝てました」なんて爽やかなヒーローインタビューは、ほとんど聞く事はない。

正義と不義、理性と欲望。

いつでも相反する心理を抱いて、人々は今日も天使側の勝利を多少ホロ苦い気持ちを抱きながらも納得し、力強く生きていく。
そしてここにも迷い決断を余儀なくされる哀れな子羊が一人。
桜ヶ丘高校軽音部部長、田井中律が現在脳内で繰り広げられている天使と悪魔の大決戦を額に汗掻きながら傍観し、時には応援している。主に悪魔を。

いつもどおり幼馴染の秋山澪の部屋へ何の連絡もなく押しかけて、以前のように枕でも飛んではこないだろうかと警戒してドアを開けて入った律。
人の気配はあっても何のリアクションも起きないのを、クッションのダメージをさけようと両手を前に出してガードしていた律が不思議に思いながら手を下げるとこには眠り姫さながらベットの上でスヤスヤと眠る澪。
「なんだ。寝てるのか…」
身構えて損したな、と呟きながらさすがに起こすのは悪いと思い、静かにドアを閉めてベットの側近くに腰かける。
すぐ側に幼稚園から高校まで一緒にいる幼馴染の穏やかな寝息が聞こえてくる。
律が飛び込んできても少しも目を覚まさないのだから相当眠りが深いのだろう。
「うーん」
さすがにこれではつまらない。
しかたなくとりあえず近くにあった雑誌を勝手に読ませてもらいながら、律はどうしようかと考えていた。ちっとも目を覚ましそうにない澪に今日はもう帰った方がいいだろうかと思いながら、チラリと眠る澪の顔を見て律ははっとなった。
「いかん。見ない方がいいな」
澪を見て0.1秒でそう決断した律は、わざわざ口に出して確認するように言いながら、すぐさま目を逸らし雑誌を読むのを再開した。だがなぜか写真も文字もちっとも頭に入ってこない。
「帰った…ほうが…いいかな」
なぜか口に出さないと落ち着かない律。しかし雑誌から手は離さない。
なんだかだんだん動悸が早くなってきたような気がするな。気のせいかな。
雑誌を持ちつつ先程光の速さで見ない事に決めたのに、わずか数分でそれを破り首だけをほんの少し後ろに回して、チラリとベッドに上に眠る眠り姫を見てみる。

う。やっぱり綺麗だなあ。

見てはいけなかったが見てしまった。
これが鶴の恩返しなら、泣きながら鶴が家から出ていってしまうところである。
しかし人は見るなと言われれば大概見てしまう生き物であった。

よく眠ってるなー。

こんな無防備な澪を見たのは久々かもしれない。いや夏の合宿の時眠っている所を写真で撮ったっけ。おかげで後で写真を持っていったとき澪に両手で首を締められ体持ち上げられる事になるのだが。
でもあの時は唯たちも側にいたしな。
手からはもう雑誌が滑り落ちて、律は体ごと後ろに向けてベットに近づいた。
おーい。澪のすぐ近くでとても小さい声を出してみる。それでも起きない澪。
「い、いたずらしちゃうぞー。な、なんてね」
はっ。とまた律は気付く。
な、何言ってんだあたしは。いたずらって何だよ。
そ、そうだ。顔にらくがきでもしてやろうかな。前に額に文字を書かれた仕返しだ。
そうおちゃらけた気分しようとしても、どこか落ち着かない律。つーと背中に汗が滴り落ちるのを感じる。
いやいやいやいや。なんもやましいことは考えてませんよ。
ちょっと眠る澪から顔をそむける律。少し顔が紅くなってきたのを自覚しつつあった。
そろそろ始まります。
田井中律の脳内で繰り広げられる天使vs悪魔の大決戦が。

カーン!

天使「何考えてんだよ。もう今日は帰れよ。起こしたらかわいそうだよ」
悪魔「いいじゃん、いいじゃん。こんなに音立てても起きないんだぜ」
天使「だったら静かにしてやれ」
悪魔「いやいや、ここは大チャンス!ちょっとくらいなにかしても起きはしないって」
天使「なにかって何だよ」
悪魔「なにかはなにかさ。普段絶対できない事」
天使「だから何だよ」
悪魔「そーんなの言わなくてもわかるだろう。まあ、そうだな。ほっぺにチューくらいはいいんじゃね」
天使「はー。何言ってんだ?」
悪魔「いやいや、無問題、無問題。ばれなきゃ大丈夫だってー」
天使「そういう問題じゃないだろ!」
悪魔「じゃ、どういう問題?」
天使「だから友達同士で。それも寝てる人に」
悪魔「いいじゃん。友達だってそれくらいするさ。それにばれなきゃ大丈夫だよ」
天使「だから!」
悪魔「なんだよ!」
睨みあう天使と悪魔。

「あ、悪魔ファイト!」
思わず戦いの最中に握りこぶしになって悪魔側を応援する本体。

天使「もしばれたらどうするんだよ。ゲンコツじゃあ済まないぞ!」
悪魔「大丈夫だよ~。そりゃ一発くらいゲンコツ落ちるかもしれないけど。所詮ほっぺですよホッペチューくらい。小学生だってよく冗談でやるじゃん」
天使「小学生の方が許されるわ!とにかく寝てる人にだなあ」
悪魔「起きてるときになんて絶対できないだろう、ヘタレなんだから」
天使「うう。ヘタレは認めるけど。それが常識だ」
悪魔「常識なんて時には脆いもんさ」
天使「何、格好つけて言ってるんだ」
悪魔「大丈夫。今、今だけ!」
「そう今だけ」思わず悪魔の言葉をなぞる本体。悪魔側いつになく有利。
脳内会場では甲子園における阪神側と他球団側の応援団の規模の比率くらいに、悪魔側のスタンドにサポーター殺到。
今までずーと惜敗を重ねてきた悪魔側ついに初勝利なるか?
悪魔「よし!いけ、こんなチャンスはなかなかないぞ!」
天使「こら、やめい!ばれても知らないぞ!」
「う。確かに。ばれたらマジげんこつだけじゃ済まないかも…」
怒って口聞いてくれないかも。いやそこまでは…。
悪魔「長年の付き合いだろう。そんなにいつまでも怒りゃあしないよ」

そうかも!

天使「おいおい!」
悪魔「さあ、行こうかー!」
逸らしていた目をまた澪の方に向ける。途端に動悸・息切れ・眩暈が律を襲う。
救ー○、救○。どこかのCMソングが頭の中で流れる。
天使「あほか!なんだこのCMソングは」
ほっぺにちょっと、ちょっとね。
天使のつっこみを無視する本体。
悪魔「いや、別に唇でもいいよ」

え!?

さらに本体の心拍数を上げるように煽る悪魔。
天使「こらぁ、ちょっと優勢だからって調子のんなあ!」
悪魔「いやあどうせならさあ」
唇はさすがにばれたら殺させるかも…。律の額に汗が流れる。
悪魔「どっちでもいいから早くしろよ。目を覚ましちまうだろう」
天使「落ち着け。お前は本当は優しい子だ。郷里のお母さんが泣いてるぞ」
悪魔「これぐらいで泣くとは思えないな…」
確かにうちの母さんなら笑いそう。
脳内の激しいバトルのせいで本体の体は完全ストップ状態。
悪魔「立て、立つんだ、律!」
天使「よし立って部屋から出ていくんだ、律!」
悪魔「違う、そういう意味じゃないぞ!」
天使「とにかく落ち着いて…」

「もーーーー」
思わず両手で頭を抱え、ちょっと叫んで立ち上がる律。
はっとして澪を見る。良かった。起きてない。
これだけ近くで騒いでるのによく起きないなてゆうか、本当に寝てる?
上から澪に近づいて様子を見る律。

パチリ。
真下にある澪の目が不意に開いた。

「………………え?」
「さっきから何やってんだ、律?」
「………………別に」
起きてたの、澪しゃん。
悪魔「あー、時間切れ」
天使「ふー。今回はドローかな」
ふぁと小さく欠伸しながら起きる澪。その横で固まっている律。
「律」
「…ナンデスカ?」
挙動不審な幼馴染の名前を呼ぶついさっきまでの眠り姫。
「ヘタレ」
その声はまだ少し眠そう。
「………………………え?」
「うーん、喉渇いたな。ジュース飲んでこよ」
ちょっと伸びをしながらベットから出て立ち上がる澪。
「み、澪」
「律もいる?」
「あ、う、うん」
律の返事を聞くとそのまま部屋を出て階段を下りていく澪。
「……え?」
どゆ意味?
一人顔を真っ赤にして固まったままの律。

人は人生の最中において迷い決断するものである。
その度に人は己の心の中で天使と悪魔の尽きる事のない戦いをどこか他人事ように傍観者となって見ることになる。だがいつかは必ず決断しなくてはならない。
そしてその決断はけっして他人が決めるものではなく己が最終的に判断しなくてはいけない。
天使の忠告も悪魔の囁きもしょせん自分の内なる想い。
たとえその決断が間違っていたとしても、それを乗り越え人は明日もまた力強く生きていく
…はず。

どゆ意味?
部屋の真ん中で固まる哀れな子羊もその一人。

end

澪ちゃんは実はまだちょっと寝ボケてます。
短編「どゆ意味?」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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