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スカイハイ【12】 - あとがき -

Category : スカイハイ【12】
とうとう生まれ育った街を出る決心をした律ちゃん。
ブレイクなハートを抱えながらも、夢は東京でメジャーデビュー!
しかねーよ、もう…と半泣きで思ってる律ちゃんです。

律ちゃんと澪ちゃんの今後は如何に?
たぶん次が最後になると思うのですが、ど、どうかなぁ…。
とにかくまた次のお話でー。

「スカイハイ【12】」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

スカイハイ【12】 - 12 -

Category : スカイハイ【12】
今にも雨が振りそうな曇り空のせいか。
休日の昼間だというのに子供の姿が一人も見えない公園内で、私は一人笑い続けた。
笑い過ぎで涙が出てきても、私は笑うのを止められなかった。

「自惚れもイイトコだぞ、田井中律」
笑いすぎて息が苦しくなってきた私は、なんとか息を整えながら自分自身の馬鹿さ加減に呆れるようにそう言い放った。私はもうとっくにフラれてたんだなぁ、なんて。
今更気づいた鈍すぎる自分にまた笑いが込み上げてくる。

「あはは、あー、おかし」
まったくおかしい、笑える、本当に笑えるのに…なんで泣いてるんだよ、私は。
笑いながら、でもポロポロと零れ落ちるように出てくる涙を不思議に思っていた。
タイミングいいというべきか、ポロポロ零れる涙と合わせたかのように、ポツリ、ポツリと雨も降ってきた。空模様からして時間の問題だとは思っていたけど、なんだか出来過ぎだね。

最初は弱かった雨も、段々雨足が強くなってくる。
ポツリ、ポツリから、ザーという雨音に変わっても、私はそのままブランコに座ったままだった。
雨に濡れた髪がしっとりと私の頬に水滴を垂らす。

しばらく雨に打たれるまま、微動だにしなかった私は、おもむろにポケットにいれておいた携帯を取り出した。携帯の黒いボディに水滴が落ちるのを見ながら、私は機械的にボタンを押していく。
耳元に当ててしばらく待っていると、向こうで「もしもし」という声が聞こえてきた。
「唯」

- りっちゃん?
「待たせて本当にごめん」
皆を待たせた事に、私は本当に唯だけではなく、梓やムギにも申し訳ないと思っていた。

- 決めたの?
「うん」

- どうするの、りっちゃん。
それはいつもの能天気な唯には珍しい、どこか恐る恐るといった声色だった。
「行くよ」

- え?
「行くよ、東京。皆で行こう」

- りっちゃん…。
「いろいろあったけど、決めたよ」

- 本当にいいの?
「いいも悪いも、もう決めたんだよ」
そうもういいんだ。もういい。

もうこの街には何も未練はないから…。

そう言った私に、唯は何も言わなかった。
冷たい雨が、なぜか今の私には心地よかった。


To be continued…


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ジャンル : 小説・文学

スカイハイ【12】 - 11 -

Category : スカイハイ【12】
ギーコ、ギーコ。

家の近くにある小さな公園。
そこにある少し古びたブランコの錆びた音が、私の耳に妙に響く。
あれからどこをどう歩いたかは覚えてないが、気づいたら私は疲れた足を休めるようにここに座っていた。ここに来るまで、私の頭の中はひたすらさっきまでの出来事を繰り返したままだ。

あの男は誰だろう。澪はあいつと一緒に車でどこに行ったんだろう。
てゆうか、あいつとどういう関係?
休日に車に乗ってどっか行くのは、やっぱデートかな。
いいんです…て、あいつに澪はそう言ったけど、何がどういいんだよ。

ぐるぐると同じ事ばかり考える。
自分の足りない頭で今日までいろいろ考えてきた。
なぜ澪と急に連絡が取れなくなったのか、いや、もっと正確に言うなら澪が私を避け始めたのか。
それはきっと澪が私に遠慮しているからだと。
自分のせいで私が夢をあきらめてしまうと思ったから。
だからあえて身を引いたのだと。
ずっとそう思っていた。澪は「私」の事を思ってそういう行動に出たのだと。

でもそれは、もしかして単なる自惚れだったのか…?

本当は澪は私に呆れていたのかもしれない。
真面目に働く、バンドはもう止める。
いつもそう言いいながら、実は裏ではしっかりオーディション受けたり、スカウトされたりと嘘ばっかりの行動を取っていた私に。

それとも実は他に好きな人が出来たからとか。
最初の頃よりすっかり大学生活にも慣れて、女友達以外にも男友達とかも増えて。
…そういえばバス停で待ってる時も、なんだか友人たちに囲まれてる感じだったな。
暗い山の中であった事を思い出す。澪は同じ大学の友人たちと一緒だった。
「大学では和くらいしか仲の良い人はいない、て言ってたのにな」
私はフッと息を一つ吐くと、何を吹っ切るように一度頭を軽く振った。

それで、かな。…まあ、澪は可愛いからな。
誰かに告白されたって全然不思議じゃないし、それで誰かさんに告白されて、さ。
「でもさっきの奴は、大学生ぽい感じじゃなかったけど…」
何となく社会人らしい雰囲気があった。
門の中にいたから見えなかったけど、多分澪の親父さんぽい男の人の声も聞こえていた。
澪の親父さん(たぶん)は、何だか妙にあの男と仲の良い雰囲気だった。

「頑固で硬い親父さんも認めた好青年、てやつ?」
ポツリとそう呟いた後、私はなんだか妙におかしくなってきた。
最初はク、クと小さく笑う程度だったのに、だんだん何がおかしいやら、大きな声で笑い始めた。
アハハ、ハハハ。

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スカイハイ【12】 - 10 -

Category : スカイハイ【12】
「えーい、ここまで来て悩むな、田井中律!」
頭の中で一人自問自答しながらも、ようやく意を決した私は玄関へ向かおうとしてハッと足を止める。門の向こうから人声を聞こえてきた。一人じゃなく複数だ。
玄関に向かっていた足が、急カーブさせて門から少し離れた場所で私は止まった。

会話の内容までは聞こえないが、なんとなく雰囲気で誰か客でも来ていたらしいことはわかった。
そういえば、玄関の横に車が止まっている。今来ているお客さんの車だろうか。
人の話す声を耳にしながら門の方を見ていると、スッと人が出てきた。

「あ…」
門から出てきたのは、今日必ず会ってもう一度話をしようと思っていた澪だった。
思わず声を掛けようとした私の声は、澪の後に出てきた見知らぬ男性の存在を確認して空中に消えていった。澪の隣で彼女に親しげに話す男。
スーツを着ている彼は学生、といった感じではなかった。
あれは…。

さらに私からは死角になっていて見えないが、澪と隣に居る男の後ろからも声が聞こえる。
男は私には見えない後ろに居る誰かと、楽しそうに話している。
なんとなくではあるが、多分澪の父親ではないかと私は思った。

思わぬ事態に声を掛けそこねた私は、しばらくぼんやりと目の前の光景を見つめた。
澪はスーツを着た男に勧められるままに、車に乗り込もうとしている途中、ハッと気づいたようにこちらを向いた。互いに重なりある視線。私も澪を一瞬ビクッと体を震わせた。
そのまましばらく私たちはお互い無言で見つめ合ったまま、その場に立ち尽くしていた。

本当なら今すぐにでも彼女に駆け寄って、話したい事や聞きたい事がたくさんあった。
もう一度話し合いたい。いや、その前にその男は一体…。
そう思っていても、私の足はピクリとも動いてくれなかったし、口の中はカラカラに渇いている。
そんな私を見る澪の表情は、悲しいような、困ったような、なんとも複雑な感じだった。

「澪さん、お友達?」
立ち尽くす澪の様子に、隣の男も気づいたようだ。
もちろん彼女の視線の先に居る私の存在にも気づいているからだろう、澪にそう聞いてきた。
「…いいんです」
澪はそれだけ言うと、私からスっと視線を外したかと思うとそのまま車の中に入っていった。
男は一瞬不思議そうな表情を浮かべたが、私に軽く頭を下げるとすぐに運転席の方に乗り込んだ。それからすぐにエンジン音が鳴り響いたかと思うと、澪を乗せた車はさっさとその場から走り去って行ってしまった。

視界から車が消えた後も、私はしばらく呆然とその場に立ち尽くしていた。

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スカイハイ【12】 - 09 -

Category : スカイハイ【12】
実家に泊った次の日、私は早目に起きて出掛ける準備を始めた。
「どこに行くの?」と聞いてきた母に、「大事な処」とだけ答えると私はそのまま家を出た。

久しぶりに歩く家の近所。あまり変わりばえはないけれど、何となく新鮮だった。
二年前までここに住んでいたのに、なんだか随分久し振りに帰ってきた気分になる。
出掛けに見た天気予報では、午後は傘マークがついていたから雨が降るかもしれないが、今はとてもいい天気で空は晴れ渡っている。

そういえばあの時も、こんな風によく晴れていたっけ…。
ふと卒業式に見たあの空を思い出した私は、何となくもやもやした気分になりながらも、歩いて五分をしない内に目的の場所に着いた。

「それにしても、広いや…」
洋風の門を前にして、私はまたもや一人言にように呟く。
想像以上に、澪は結構イイトコのお嬢様だったのかも。
なんとも広い敷地前で私はそう思いながら、少し委縮した気分になりつつも、一度大きく頭を振るとなんとか気分を奮い立たせた。

もう一度だけ澪と話をしなきゃ。
そう思いつめた私は昨日から実家に戻って、今日はこうして彼女の家の前に立っている。
…のだけれど。インターホンを押そうとして止め、また押そうとして逃げて、と。
そんな風に澪の家の前で行ったり来たりしながら、すでにもう三十分くらいたっていた。

「今更何をびびってるんだ」
ことここまで来て躊躇する自分に、かなり情けない気持ちが湧いてくる。
澪の両親に会うのが怖いのか?
澪にはっきりと別れを告げられるのが怖いのか?
「もちろんそのどっちもだけどさ…」
秋山家から少し離れた場所に立ち、ひたすら自問自答を繰り返す私。

あの時、大学のバス停前で話をした時。
澪の手を取ることは出来なかったけど、納得出来た訳じゃなかった。
未練がましいのはわかっていても、まだ彼女を諦めきれない。
バンドも澪もどちらも選べない今の自分を死ぬほど情けなく思いながらも、どうしてもふんぎりをつける事が出来なかった。正直、怖いのだ。
きっと今日でいろいろと何かが決まる事がわかっているから、怖い。
でも、でもとにかくもう一度会って話を、それからじゃないと。

…なぜ、だろう?
休日の静かな住宅街の片隅で、私はまた疑問を自分に投げかけてしまう。
澪ともう一度話をしないと駄目なのはなぜだろう。
彼女はもうあの時はっきり私に言ったじゃないか、応援している、夢をあきらめるな。
私は、待てない…と。私もちゃんとそれは聞こえていたのに。

自分で選べない未来を、私は澪に選んでもらうつもりなんだろうか。
自分の事なのに。自分の夢や未来なのに。
「情けね…」
心から今の自分の状態を悔しく思いながらも、私はやはりこの場を離れる事が出来なかった。

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

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