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追憶の紋章 【18】-あとがき-

Category : 追憶の紋章【18】
「森の賢者」の元で、一時落ち着いた二人。
ムギちゃんの過去や、王都の状況を聞いてそれぞれに想いを馳せます。

そして森を出て五年程過ぎた今。
リッちゃんは隠れていた一枚のハンカチを見つけたことから。
日々の忙しさで忘れていた過去を思い出していきます…。

さて、次回はとうとうラストです。ナガカッタヨー。
もう書けているので、近々UPしまーす。
それではまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章 【18】 森の賢者」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【18】 森の賢者 -11-

Category : 追憶の紋章【18】
ムギや伯爵のお陰で、仲間たちが重い処分を受けることはなかった。
それを聞いて私は心から喜びホッとすると共に、ムギに感謝した。
さらに王女を連れ去ったせいで、隣国の王子との婚約を反故になり、それが元で戦争にならないかと心配していた私は、ノドカからユイの魔法ならぬ、呪いの話を聞いてとても驚いた。

一国全体に「忘却の魔法」をかけることが出来るなんて…。
やはりユイは只の忘れっぽいだけの、どこか抜けた魔法使いなんかじゃなかった。
恐ろしい魔力を持った偉大なる魔法使い。
「昔から魔力と魔法を使う資質は、私たちとは比べ物にならないくらい高かったから」
私が一週間かけて会得した一つの魔法も、ユイにかかれば一時間で物にしてしまうものね。
ノドカがどこか呆れたようにそう言った。

「でもそうやって私やムギの何倍もの速さで魔法を覚えても、次の日には忘れてたけどね」
ノドカの言葉に私はさもあらん、と深く納得する。
「とにかく私たち三人はそれぞれ遠い別の場所で生まれ、種族さえも違いながらも…」
一人の偉大なる魔法使いの弟子となって出会い、長い時間を共に過ごしてたわけ。
ティーカップを片手に持ち、静かな動作で紅茶を飲むノドカ。

「…師が亡くなってからも数年は三人一緒に、魔法の修行に励んでいたわ」
その後修行を終えた私たちは、それぞれ己の目的の為に離れていった。
私自身は師の遺産を受け継ぎ、管理するためこの森に残った。
ムギはいろいろな魔法の痕跡を求めて、ここから出て行った。
ユイも妹を探すといって、アズサちゃんと共に旅を始めた。

「私たちはそれぞれの目的で離れたけれど、師が生きていた時と同様。人間以外の種族に何かを頼まれた際はなるべくその依頼を受けるようにしていたの」
人の目には触れぬ、もう神話の世界のみで生きていると思われていた種族。
私たち魔法使いは、人間だけでなく公正な心を持って彼らの祈りも聞きとげられるように。
そう言ったノドカの声を、私はなんだかどこかとても神聖なものに感じられた。

そうやって森の中でしばらく過ごした私とミオ。
数ヵ月後、「もういいでしょう」とノドカは突然そう言った。
その後で彼女の導きによって船に乗り、私たちはこの島にやってきた。

…あれから五年。
私とミオは毎日目が回るような忙しさの中。
新天地での生活に最初は二人共に戸惑いながらも、頑張って過ごしていた。

To be continued…

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追憶の紋章 【18】 森の賢者 -10-

Category : 追憶の紋章【18】
- すごい、変身魔法?
- まあ、そんなものです。

猫に変身したアズサに驚いて、私がそう聞いたとき。
アズサが一瞬言いよどんだ理由が、今になってわかった。
まあ変身魔法には違いないけど…。

…そんな感じで私たちは森の中に住む間、ノドカからいろいろ話を聞くことが出来た。
ノドカからムギがどうして「永劫を生きる魔法使い」になったのか。
その理由も教えてもらった。ムギの過去の話を聞き終えると、ミオは静かに泣き始めた。
守りたいと想い、祈りを捧げた相手から剣で胸を刺され命を落しそうになった。
そんなひどい目にあったムギの事を思うと、ミオには悲しくて仕方ないようだった。

「ひどいよ、ムギは、ムギは…」
それだけ言うとミオは黙って私の胸にすがりつき、顔をうずめてそのまま泣き続けた。
泣き続けるミオの背中を優しくさすりながらも。
私はムギも悲しいが呪いをかけられた騎士も辛かったのではないか、とそう思っていた。
ドラゴンと戦った騎士も、祈りの乙女の元に戻りたかったはずなのに…。

「でも、もうドラゴンの呪いも解かれたわ」
ノドカが私たちに王家の秘宝である「青い輝石」のことも教えてくれた。
青い石の事をすっかり忘れていた私は、話が出た瞬間「あ!」と叫んでしまった。
思えばユイに、いやアズサに預けたまま、すっかり忘れていた。
だがもうそれは正統な持ち主に返されたのだと聞いて、私はホッとする。
確かにノドカから聞いた話が本当なら。
あれは百五十年前に、ムギに返されていたはずの物なのだから…。

試しにミオが呪文を唱えてみても、彼女の手には何も現れなかった。

***

いつしか私とミオはノドカに頼まれた雑事を終えた後。
ノドカを含む三人で、ティータイムを楽しむようになっていた。
「お疲れ様」と言いながら、ノドカが出してくれる紅茶とお菓子はとても美味しい。
ノドカといろいろ話す機会増える中。
私は王女が居なくなった後の王国の様子も、彼女から教えてもらった。

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追憶の紋章 【18】 森の賢者 -09-

Category : 追憶の紋章【18】
それにしてもエルフに会うなんて…。
ドラゴンやら魔法使い、それにエルフと。
ここ数ヶ月で私は、神話の中だけと思われた神秘的な存在に、どれほど会ったことだろう。

私の背中に隠れるようにしてノドカを見ているミオも、驚いた表情をしている。
「出迎えが遅くなってごめんなさい。疲れたでしょう、私の家で休んで頂戴」
ノドカはそう言うと、私とミオを自分の家に招待してくれた。
それからしばらく、私とミオは彼女の家で世話になった。
森の中で住むのに必要な雑事をノドカから頼まれ、それを二人で手伝いながら過ごす日々。

「迷いの森」とはその名の通り。
普通の人間が入れば、迷い迷って最後には元の場所に戻ってしまう。
王都からの追手の隊も、どうやら私たち二人がこの森に入った情報は掴んだようだ。
私たちが入ったすぐ後に、追手の隊は同じように森の中に入ってきたが、迷い疲れきって元に戻るというのを繰り返し、結局一旦は諦めて王都へと戻ったようだ。

「ここに居る限り心配はいらないわ」
最初にノドカは、私たちにそう断言したのも頷ける。
私とミオは追手に捕われる心配から解放され、短い間だったけれど森の中で穏やかな日々を過ごした。

ノドカは、ユイやムギの姉妹弟子だった。『偉大なる魔法使い』の三人の弟子の一人。
光の賢者とも呼ばれた彼は、晩年になって三人の弟子を持ったそうだ。
「最初は私、次にムギ。そして最後がユイよ」
ちなみにアズサは弟子ではないらしい。
彼女が魔法を使う処を何度か見ていた私は、てっきりアズサも「偉大なる魔法使い」の弟子の一人だと思っていたのだけど。

「彼女も魔法は使えるけど。彼女は師の使い魔なの」
「使い魔?」とミオが聞き返す。
「ええ。私たちの師、『偉大なる魔法使い』の最後の使い魔だったのよ」
ノドカやユイの師匠である彼は、自分の側には常に使い魔を従えていた。
アズサは彼と契約した、最後の使い魔だった。

「師が亡くなった後は、使い魔としての契約は破棄されたんだけど」
アズサは師匠の最後の弟子となったユイの事が、どうにも心配で放っておけないと思ったらしく、使い魔の契約が切れた後はずっと、自分の意思でユイの助手兼保護者をやっているのだとか。

「使い魔って…つまりあの娘は人間じゃないの?」
ミオが信じられないと言った様子で、ノドカに聞いている。
「そうよ。本当の姿は猫なの」
「え!?」
ノドカの言葉に、私は思わず声を上げてしまった。
「魔法使いの使い魔って、大体相場は黒猫って決まってるから」
「…」
アズサは魔法で「猫」に化けていたわけじゃなくて、「人間」に化けていたのか。

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追憶の紋章 【18】 森の賢者 -08-

Category : 追憶の紋章【18】
久しぶりに見た紋章は、「赤枝の騎士」と呼ばれた王宮での日々を思い出させた。
そんな事もあったな、と私は少々苦笑いしてしまう。
しばらく懐かしいそれを見ていると、私の中でどっと封印していた過去の記憶が戻ってきた。

念願叶って騎士になり、叙任式で数年振りにミオと再会した日のこと。
ムギの協力を得て、ミオと隠れて会っていたあの頃。
突然ドラゴンが現れ討伐軍に結成され、私もそれに参加したこと。
途中で忘れっぽい魔法使いに出会い、仲間と共にドラゴンを倒したこと。
王に突然理不尽な罪を着せられようとしたこと。
ミオを連れて王宮から脱出しようとした際に、伯爵や仲間たちが助けてくれたこと。

…「赤枝の紋章」を見ていると、昔の記憶がどんどん思い出されていく。
なんだか随分昔のような気がするけど、まだ五年くらい前のことだっけ。
ほんの五年前までは、私とミオは王都に住んでいたんだなあ…。
そう思うと私はハンカチを一度ギュッと握り締めた。

幼い頃過ごした施設。優しかった園長先生。
街の中を仕事を求めて探し歩いた日々。
ミオが突然連れていかれて、雪の中必死に馬車を追いかけたとき。
王宮の門前で門番に槍でこずかれ倒れていたとき、伯爵に助けられたこと。

伯爵に騎士になるように薦められたことなどが、鮮やかに頭に蘇る。
ああ、何もかもが懐かしい…。

「それからもいろいろあったな…」
追手から逃れ、ユイの指示通り「迷いの森」に入った私とミオは、しばらく森の中を彷徨った。
しかし程なく私たちの前に、「森の賢者」ことノドカが姿を現した。

「…貴方達の事は、ユイから聞いてるわ。私の名前はノドカ」
森の中を風と共に現れた彼女はそう言って、頭を覆っていたフードを脱いだ。
フードの下から現れたのは、端正な顔立ちに紅い眼鏡をかけた、一見私たちと同じ年くらいの少女だった。だが、私たちとは決定的に違う部分がある。
「驚かせたかしら」
「き、君は…」
「そう、私はエルフ。すべての森を守護する種族の一人」
高く尖った耳が、彼女がエルフであることを証明していた。

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Author:書き人知らず知らず
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