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追憶の紋章 【15】-あとがき-

Category : 追憶の紋章【15】
ああ、ムギちゃんの過去話が長くなっていく…。

この後も王様と伯爵、ムギちゃんと三人の会話が続きます。
ユイちゃんには、もうちょいムギちゃんの過去話の話し手になってもらってと。
しっかしもうちょい短くまとめたかったんですけど。トホホ。

それはまた次のお話で。ではー。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -10-

Category : 追憶の紋章【15】
一人はだいぶ年を取ったお爺さん。
旅の途中で財布を無くしてしまったその人は、食事を取ることが出来ずお腹が減って座りこんでいました。学校の用事で街へ出かけていた女の子は、帰り道で力なく座り込むお爺さんを見つけると、学校へと連れて行く事にしました。
そのお爺さんは女の子が居る神学校に用事があって、遠い処から来たのです。

お爺さんはここに来る前には、世界中を旅して回っていました。
お爺さんは自分を助けてくれた彼女に、旅の話をたくさんしてくれました。
本の中では得られない話を、彼女は夢中になって聞いたのです。
そんなお爺さんと彼女は、いつしかとても仲良しになっていました。

もう一人は、若い騎士。
この地方では珍しい黒髪で黒い瞳を持った彼は、モンスターを退治する仕事をしていました。
仕事で怪我をした彼は、神学校の側にある教会で治療を受けていたのです。
神学校の生徒は、時折看護の基礎的な勉強も兼ねて治療のお手伝いをします。
たまたま彼が運び込まれた日に、看護の当番に当たっていた彼女。
そこで出会った二人は、その後何度か話しをする機会があり、どこか似通った処ある二人は急速に仲良くなっていきました。

若い騎士は早くこの南の地方でも、一つにまとまった国が出来ることを望んでいました。
そうすれば無駄な戦も減って皆が平和に暮らせる。
…彼は心からそう願い、いつかそうなると信じていたのです。
心優しく、常に騎士の誇りを忘れない、とても純粋な人でした。

そんな彼に惹かれていった彼女は、誰にも内緒で彼と逢瀬を重ねるようになりました。
しかし神官見習いの彼女が、彼と堂々と会うのはやはり憚られます。
だから学校を囲むように覆う森の中、彼女だけが知っている秘密の場所を彼に教えました。
二人はそこで許される時間の限り共にし、将来の夢や他にもたくさんの話をしたのでした…。

***

…もう遠い、百年以上も前の記憶はどこか淡くてぼんやりしている。
私には彼と会っていたあの時の感情を、もうはっきりと思い出す事はできない。
陛下と伯爵に王家の伝説にも繋がる話をしながら、私はそう思っていた。

彼の顔も朧げで、私の頭の中のどこにもその記憶はなかった。
でも一つだけ、どうにも忘れられないことはある。
それは彼の澄んだ黒い瞳。
思えばミオちゃんも、彼と同じように澄んだ黒い瞳を持っていた。
彼女を見ていると時折、ふと遠い昔の…何か切ない気持ちが私の中に蘇ってくることもあったような気もするけれど…。それでも私は、彼の顔を思い出すことはなかった。

それから彼もリッちゃんと同じように。
突然現れたドラゴンを倒すため、「大丈夫だから」と心配する私に向かって何度も笑ってそう言いながら、戦いの場へと赴いていった。

王女が十六になった時。
施設で一緒だったリツという幼馴染が騎士となって、再び彼女の前に現れた。
赤枝の称号を持つ騎士。
彼女がドラゴン退治に参加するから、私に力を貸して欲しいと頼んだあの日から。

ミオちゃんには、百五十年前の私と同じような思いをさせたくない。

私は強くそう思うようになっていた。
愛する騎士の無事を願い、祈りを捧げる王女の後ろ姿に。
私は自分の過去を重ねていたのだ…。

To be continued…

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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -09-

Category : 追憶の紋章【15】
「それはもう百五十年以上も前のことだよ…」

ユイさんはムギさんから聞いた話を、今はどうやらすっかり思い出したようだった。
猫の姿のままでユイさんの肩に乗った私は。
のんびりと馬を進めながら話す、彼女の声に耳を傾けていた。

「それまで長く栄華を誇っていた帝国が崩壊してから、数十年程たった頃」
一度壊れた秩序は長い時を得て、それぞれに微妙な危うさを持ちながらも、ようやく落ち着きを見せ始めててね。過去に帝国が支配していた版図は、大きく三つの勢力に分かれちゃったんだよ。

西側を海に面した帝国の元版図では、北と東にすでに二つの新たな勢力が興り、王国の樹立を高らかに宣言して新しい国造りに邁進してたんだよね。でも残りの南側だけは統一の気配をまだ見せず、大小様々な公国や諸侯がそれぞれの領地を所有してたんだ。

「ムギちゃんは南側の、それなりに大きな領地を持った公国の領主の娘として産まれたって言ってたっけ」
今はもう滅んだ帝国において、公爵の称号を持っていた家柄。
そこで生まれた彼女は、姫としてそれなりに裕福な暮らしをしてたらしいんだけど…。

***

その女の子は産まれながらに、ちょっと不思議な力を持っていました。
他の人にない力を持つ娘を心配した両親は、信頼していた神官からの薦めもあり、その子を寄宿舎付きの神学校へと入学させました。
神官になる学校だから、それなりに厳しい規則もあるけれど。
おおらかで優しい神官長の元、その学校は意外な程開放的でした。
女の子はそこでのんびりと過ごしながら、学校生活を楽しんでいました。

「その子はとっても頭が良い子でした」
歴史や神学、哲学などの神官になる勉強で優秀な成績を収めながらも。
女の子は学内に付属する図書館に置いてあった、たくさんの物語に夢中になっていました。

勇敢な騎士と美しい姫の物語。
不思議な魔神を使って幸せになろうとする少年。
ドラゴンや妖精たちの話。

その子は物語を読むだけでは飽き足らず、いつか自分自身がここを出て広い世界を旅してみたい。…いつしかそう思うようになっていたのです。

「そんな女の子に大きな転機が来たのは、彼女が十六の頃」
彼女の運命を大きく変える、二人の人物に出会ったのです。
…それまで淡々と話していたユイさんの声に、ほんの少し重みが加わったような気がしたのは、私の気のせいだろうか。

私はそう思いながらも、何も言わずまた彼女の話に耳を傾けていく。

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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -08-

Category : 追憶の紋章【15】
「父はあれには関わるなと言った。余も最初はそのつもりだったが…」
だが王位についてからずっと、隣国との間で長引き膠着する戦況に、王は何か決定打はないかと常々考えるようになっていたある日。

「ふと思いついたのだ。あのドラゴンが使えないかと…」
折りしも魔法士たちから、魔法だけでなく他の方法でモンスターを制御できる方法が見つかった、と報告受けた処だった。
それを聞いた王の心は決まり、すぐに魔法士たちに命令を下した。
完全にドラゴンを制御する方法を見つけ、戦に使えるようにと。

「ちょうどその頃行方不明になっていた娘が見つかったのも、余の心を動かした」
王家の秘宝を隠し持つ王女が発見されたことで、研究は一段と進むのではないか。
…王はそう思ったのだが、青い輝石はそれほど研究には役立たなかった。
前にアズサちゃんにも言ったけれど。あの石だけを研究しても、あまり意味はない。

「今思えば愚かだったかもしれん。神秘の存在である竜を操るなどとな…」
王はやや自嘲気味にそう言うと、またワイングラスを手に取り一気に飲み干した。
「いえ、陛下。陛下が一時期でもドラゴンに執着したのも、始祖の王を受け継ぐ子孫である証です」
やや後悔の表情を見せる王に、私はここに来た理由を話すときが来たと確信する。

「…何のことだ?」
「陛下、伯爵も。どうかしばらく私の話を聞いていただけないでしょうか」
それが今ここに、私が強引に陛下の私室に入った最大の理由だ。
「話?」
「話とはどのような、魔法騎士殿?」
「…古い話です」
「古い?」
「もうずっと昔の、この国が建てられた伝説の時代の話を、この国の現在の王である貴方にぜひ聞いて欲しいのです」
私が静かな口調でそう言うと、部屋の中に沈黙が降りる。
陛下も伯爵も口を閉じ、私をじっと見詰めていた。

静かになった部屋の中で、暖炉の炎が爆ぜる音だけを耳に聞きながら。
私はどんどん頭の中に蘇ってきた過去の記憶を整理し始めていた…。

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追憶の紋章 【15】 魔法騎士の過去 -07-

Category : 追憶の紋章【15】
「陛下、彼ら魔法士たちは最初からドワーフや、ノームの宝を狙っていたのでしょう」
その為に制御実験と偽り、わざわざ街に近いあの廃坑へドラゴンを移したと思われます。
私の報告を聞いて、ますます陛下は怒りの表情を表す。

「魔法士たちは、なぜそんな真似を!」
「…王弟殿下の進言もあって、魔法士たちの研究費も随分減らされていましたからな」
それとも宝石を見て、彼らもその美しさに狂ってしまったのかもしれませんな。
そう言った伯爵は、頭を左右に振りながら溜息を一つ付いた。
「むむむ…」
「陛下、ドワーフやノームの王は、魔法士たちの行動に怒ってはいます」
ですが、ドラゴンを倒したのが同じ人間の騎士団であることから、彼らの気持ちも多少軟化しております。

「すみやかに奪った宝石を返し、魔法士たちに厳格なる処罰を与えるならば、これ以上は何も言わないと私に約束してくれました」
「…もしそうしないと言えば、どうなると言うのだ」
「彼らはこの国の主要な鉱石全てに呪いをかけると言っています」
「の、呪いだと!」
「そうです。彼らは普段は温厚な一族ですが、名誉を傷つけらればそれなりの行動に出ます」
宝石類になる鉱石などはともかくとして、燃料として普段の生活を支える鉱石などに呪いが掛けられてしまえば、国は大混乱に陥るだろう。

「彼らの要求を聞き入れて下さるなら、その後の交渉は私の方で責任を持って果たします」
「そなたが…」
「お任せ下さい。魔法士たちの罪は明白です」
王は私の言葉に一度大きく息を吐くと、乱暴な手つきでグラスにワインを注ぎ、一気にそれを飲み干した。
「…魔法士たちの罪は確かなようだ。それについては余も認めよう」
だがそれと騎士たちの問題は別だ。王宮内で騒動を起こした罪はやはり重い。
そう言いながら、王は少しお酒の匂いが混じった息を吐いた。

「陛下、それは先程も申し上げましたが…」
「…だが王族でもある我が甥や、上級貴族の称号を持つ諸侯たちからの嘆願が出たことは無視できぬ」
伯爵の言葉を遮って、陛下は話を続ける。
「彼らの嘆願を丸っきり無視したとあらば、王宮内で多少の波紋が生じよう…」
「陛下…」
「それに確かに余の誤りもあった。ドラゴンを使えば強力な戦力になる思い、魔法士たちに研究を命じたのも事実だ」
王は言いにくそうに、だがはっきりとその点を認めた。

…数十年程前、隣国との国境付近の山で小さな地震が起こった。
しかし山の一部が崩れたくらいで、周囲にはほとんど被害はなかった。
だが崩れた場所から、思いもよらぬものがその姿を現したのだ。
「それがあのドラゴンだ」
眠るドラゴンの報告を受けた先王(現国王の父)は、触らぬ神に祟りなしとばかりに、山の一部を封鎖し、人を寄せ付けないようにしたのだ。

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書き人知らず知らず

Author:書き人知らず知らず
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

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