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追憶の紋章 【14】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【14】
とうとうユイちゃん達とも離れ、二人きりになった騎士とお姫様。
二人は一路「迷いの森」へと向かいます。

二人が森へと向かう間、王宮は王宮でいろいろあったり。
ムギちゃんの本来の目的もまだ果たされてませんので。
次回はそちらの方を。

それではまた次のお話で。ではー。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -11-

Category : 追憶の紋章【14】
「ニャー」
「お幸せに~」
二人の声を背に受けながら。
ゆっくりと走り出す馬の背に乗った私は、リツの腰にしっかりと両手を回していた。

私は自分達を助けてくれた、素晴らしい魔法使いとその助手さんに、もう一度だけ手を振ろうと後ろを振りかえった。
…でももうすでに、後ろには誰もいなかった。
木々が微かに吹く風に、ユラユラと揺れているのが見えただけ。
不意に少し寂しい気持ちが胸をかすめた私は、リツの背中に顔を押し付けた。

「ミオ?」
「…なんでもない」
リツの暖かい体温が、私の心から寂しさを消してくれる。
これからはずっと、私はこの人と一緒に前に向かって進んでいくのだと、改めて教えてくれる彼女の背中。

幼い頃のように、一つのパンを分け合ったあの頃にように。
これからはずっと二人で一緒に…。

黒馬は蹄を高く鳴り響かせながら、冷たい風を切って走り続ける。
ユイが教えてくれた「迷いの森」へと、私たちを導くように。

To be continued…

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追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -10-

Category : 追憶の紋章【14】
…不思議な魔法使いに促されて、私とリツはまた馬上の人となった。

「幸せにね」とユイ。
「お気をつけて」とアズサ。
「ありがとう、ユイ、アズサ」
「ありがとう、魔法使いさんとその助手さん」
リツと私は心から彼女と彼女の助手さんに御礼を言った。

「あのもし…もしできるならムギに伝えて欲しいんだ」
ムギにありがとう、本当にありがとう、て私が言っていたと。
彼女が何者であろうとも、私は構わない。
窮屈なお城の中で、只一人心許せた親友。
もう会えないかもしれない親友を思うと、私の心は張り裂けそうだった。
彼女に会えなくなるのは辛かった。でももう戻れないし、戻る気もなかった。

「うん、ちゃんと言っておくよ」
ユイはあっさりと、私の願いを請け負ってくれた。
「ありがとう、お願いします」
なんだかほわほわとしていて、一見頼りがいがなさそうに見える彼女だけど。
リツと魔法の契約を交わした後は、忠実にその契約を守り私たち守ってくれた彼女は、他のどんな魔法使いよりも頼もしく信頼できる『偉大なる魔法使い』だ。

お父様。
そして母は違っても同じ血を持つ幼い弟、自分を慕い懐いてくれた王子。
…どうかお元気で。

「さよなら、ユイ、アズサ」
「またな」
リツはそう言って手綱を引くと、黒馬がまた大きく嘶いた。
「またね、リッちゃん、ミオちゃん」
どんな経緯で知り合ったかはまだ聞いていないけれど、ドラゴンを倒すため、リツと共に戦ってくれた魔法使いとその助手さん。

きっとまた会えるような気がする。

そうだ、またいつか。きっとムギにだって会える。
ユイの言うようにムギが本当は人間ではなくて、永劫の時を生きる「魔女」であったとしても、私はちっとも構わない。彼女は私の親友。かけがえのない友。
リツと共に頑張って生きていれば、必ずまた大事な親友に会える。
私はなぜかそう思えて仕方がなかった。

「お二人ともお元気で」
そう言うとアズサは猫の姿に変わった。
ユイの肩に乗って、私たちを見送ってくれる。
「…本当にありがとう」
私は馬上から、最後にもう一度二人に御礼を言った。

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追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -09-

Category : 追憶の紋章【14】
「それに契約を守るのは、魔法使いの鉄則だからねー」
「契約…?あー、あれ?」
「あれ、リッちゃん忘れてたの?」
「いや、なんとゆうか気軽な気持ちだったから」
そういえば、そんな事してたっけと今更ながに思い出す私。
「あはは。駄目だよー。リッちゃん」

…それが善であれ、悪であれ、魔法使いとの契約は絶対だよ。

「何十年、何百年たっても。交わした契約が果たされるまで永遠に続くんだよ。だから今後は軽々しくしちゃ駄目だよ」
私みたいに、と笑って付け足すユイ。

「ユイさん、軽々しくしちゃ駄目って言いますけど…」
でも今回はユイさんからリツさんに、契約しようと持ちかけたんでしょ。
アズサがすぐにそう突っ込んできた。
「あはは。まあ、そうなんだけどねー」
「軽々しいのはどっちですか…」
アズサに言われて、また少し笑って誤魔化すユイ。

私は二人の会話を聞きながらも、ユイの方をじっと見詰めていた。
いつものおちゃらけた口調でアズサと話すユイの様子は、何も変わりないように見える。
だがついさっきユイが私と話をしている時に、ほんの僅かに彼女の瞳が紅く染まるのを見て、なぜか私は一瞬ゾクリと背中を震わせた。

昨日の夜、ユイと話しながら私が推測したように。
百五十年前から生きる魔女のムギと姉妹弟子でもあるユイは、只の魔法使いだけではなく、普通の人間ですらないのだろう。
私の自分の推測を裏づける何かが、彼女の瞳の中に一瞬垣間見えたような気がした。

「…わかった」
だが彼女が何者であっても、私の感謝と信頼の気持ちは少しも揺るぎはしない。
馬上で契約を交わしたあの時は、それ程深く考えていた訳ではなかったけれど。
ユイと…この不思議な魔法使いと契約した事を、今となっては自分で自分を誉めてあげたいくらいの気持ちに、私はなっているのだから。

ミオと二人で再び馬に乗りながら、私は心からそう思っていた。

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追憶の紋章 【14】 魔法使いとの別れ -08-

Category : 追憶の紋章【14】
「…ミオ」
「誤解しないで。私はリツと一緒に王宮を出たこと、一つも後悔なんてしてないよ」
私が何か言う前に、ミオは慌ててそう言ってきた。

「ただあの子は、母は違っても私のたった一人の弟だから…」
僅かな期間しか一緒に居れなかったけど、私を姉として慕ってくれた幼い子。
「弟が無事に王になれるか…」
いいえ、別に王になんかなってくれなくてもいいんだ。
ただ幸せに、元気に暮らしてくれれば。
「今更私が心配しても、もうどうにもならないことなんだけど…」
ミオはそう言いながら、少し寂しそうに笑った。

「心配なのも無理ないですけど。…それはあの子の運命です」
アズサは弟を身を心配するミオの肩に優しく触れながらそう言った。
「ま、大丈夫だよ。あーの王様が、黙って弟さんから玉座を奪われるような真似はさせないよー、きっと」
相変わらず暢気な口調を崩さないユイ。
「クス…そうかな」
確かにお父様なら、そう簡単にしてやられないはしないでしょうけど。
二人からそれぞれの励まし?の言葉を聞いたミオは、そう言って少し笑った。

「大事な人達の事を心配するのは無理もないけど」
今はリッちゃんもミオちゃんも、自分たちの幸せをまずは考えないと駄目だよー。
腕を組んで説教ぽくそう言うユイに、私は少々苦笑させられる。
「…わかった」
「ありがとう、ユイ」
私とミオはまた視線を合わせる。
ユイの言うとおりだ、もう賽は投げられたのだから。
結果はどうでるかわからないまでも、私たちは私たちの幸せを考えなくてはいけない。
それが私たちの為に戦ってくれた伯爵や仲間たち、さらにいろいろと手を尽くしてくれたムギやユイたちにできる、唯一の恩返しなのだから。

「はい、じゃあ、そう言う事で。さあ、さあ。話はここまで。そろそろ行かなきゃ」
「私たちはここで追手を最後まで食い止めておきます」
リッちゃんたちはとにかく「迷いの森」に急いで向かって。
ユイはそう言って、私たちに出発の準備を急がせた。

***

「…ユイ。何から何まで本当にありがとう」
荷物をまとめ、黒馬の手綱を引いた私は、最後に心から不思議な魔法使いに御礼を言葉を口にする。
「ドラゴン退治の時もリツを助けてくれたみたいで、…本当に本当にありがとう」
ミオもユイを抱きしめながら、何度も御礼を言う。
「いいよ、いいよ。リッちゃんは私やアズにゃんの命の恩人だしねー」
魔法使いは一度受けた恩義はとことん返すのです!
フンスと胸を張るユイ。

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