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追憶の紋章 【12】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【12】
とうとう王都から出て行く事を決めた二人。
魔法使い二人と助手さんの力を借りて、まずは王宮からの脱出を図ります。

騎士と姫君の駆け落ち?逃避行の始まり始まりー。
二人の運命や如何に!?ドンドン、パヒューパヒュー!

それはまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章 【12】 茨の道」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【12】 茨の道 -09-

Category : 追憶の紋章【12】
「あ、どうもすいません。ご挨拶が遅れまして」
私、魔法使いの助手してまして。アズサといいます。
「お見知りおきを、王女殿下」
そう言って深く頭を下げるアズサ。
王族に対する礼儀に関しては、ユイとは比べようがない程しっかりしている。
「は、はあ」
突然どこからともなく現れた少女に、ミオはまだ困惑しているようだった。

「えーと、それで、ですね。時間がないのでそろそろ準備を…」
「わかった」
私は一度頷くと、アズサは一瞬で猫の姿に変化する。
「え!?ね、猫!?」
目の前の同じくらいの年頃の女の子が突然黒猫に変わってしまったので、ミオは目を丸くさせて驚いている。
「ミオ、気持ちはわかるけど、今は驚いている時間は…」
「可愛いー!」
そう言って梓を抱きしめるミオ。…そういえば小さい事からミオは可愛いものが大好きだった。
母の形見ともいえるうさぎのぬいぐるみを、いつも肌身離さず持っていた彼女だ。

「あの、あの!!」
「猫の姿で喋ってるー!きゃー、可愛い!」
驚いているのか、喜んでいるのかよくわらかない様子のミオ。
「はいはい、それは後で…」
とりあえずアズサをミオの手から救出した後、私は用意してきた兵士の服をミオに渡して、着替えるように伝える。
そして倒れている仲間の兵士から冑と鎧を剥ぎ取ると、身に着ける様にミオに指示した。
ミオにはちょっと重いかもしれないけど、これはいわゆるカモフラージュだ。
それ程重さの無い簡易な鎧とはいえ、初めてそれを身に纏うミオを私は手助けする。
鎧を身に纏ったミオはちょっと落ち着かない様子だったが、何とか様になっている。

「それじゃあ早く行きましょう」
用意が出来た私たちを見て、アズサが猫の姿で軽快に歩き出す。
「早くしないと、ユイさんが調子に乗って、ますます爆弾花火を打ち上げますよ」
王宮内を霍乱させるために、派手に魔法の花火(見かけは爆弾ぽい)を鳴らしているであろうユイの喜々とした姿が想像できる。

「行こう、ミオ」
私はミオに自分の右手を差し出した。
「…はい」
ミオは一瞬だけ、私の手に自分の手を重ねるのに躊躇したように見えた。
だがすぐに私の手を力強く握りしめてくれた。
私もそんなミオの手を、しっかりと握るとゆっくりと歩き出す。

ドアを開けて二人して出て行けば、きっとその先は茨の道だ。

それでも私もミオも。
ためらう事無くドアを開け、外へと飛び出した。

To be continued…

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追憶の紋章 【12】 茨の道 -08-

Category : 追憶の紋章【12】
「どう、する…?」
ミオの返事を聞くのが怖くて、ほんの少し震えながらそう聞いた私の頭上で「パコン」と小気味よい音がした。
「イタ!、な、なに!?」
「バカ、聞くまでもないだろ」
そう言ったミオの口調は、到底お姫様とは言えないものだ。
施設でいじめっ子に負けないために、私と一緒に一生懸命口調を変える練習をした賜物。

「…でも、本当に大変だぞ」
私は少し頭を手でさすりながら、もう一度これからの苦労を想像してそう彼女に言ってみる。
「施設に居た時だって苦労しただろ、だけど私は幸せだった」
そう言うと、ミオは両手を私の首の後ろに回して抱きついてきた。

「確かにお腹はいつも減ってたし、冬は寒いし、いじめっ子も居たけど…」
でも園長先生は優しかった。パンを作ったり裁縫したりするのも私は大好きだった。
それになにより…。
「リツがいた。リツがいつも私の側にいてくれた」
「…ミオ」
「今はお腹は減ることないし、冬も暖かい毛布がある。まあ、貴族の人たちは苦手だけど一応姫だからさ。それなりの待遇受けてたけど」
ミオはそこまで言うと、ふと後ろを振り向いて部屋の中を見回した。
王女の部屋に高級な家具が置かれている部屋。
「リツがいないとちっとも幸せじゃない。だからリツ、ここを出て行くなら私も連れて行って」

ここから私をさらって。

ミオはほんの少し涙を瞳に滲ませながら、私の瞳を見つめて静かにそう言った。
幼い頃に強制的に連れてこられたここは、豪奢で絢爛とした華やかな世界。
でもミオにとっては何一つ自分の意思など尊重されることのない、美しいだけの牢獄だった。

「…わかった」
私は一度顔を頷かせると、ミオはとても嬉しそうな顔になってまた抱きついてきた。
私たちはしばらくじっと抱き合っていた後、少し体を離して互いの目を見つめあう。
そしてそのまま、自然に彼女の唇に自分のそれを合わせようとして…。

「あのー…」
「え!?」
「きゃ!」
横から急に声を掛けられて、慌てて体を離す私たち。
「ア、アズサ!」
ユイと同じ、ドラコン退治を共にした仲間。
よく猫に変化して行動しているが、今は人の姿だった。
それにしてもいつのまに来てたんだ、アズサ。…ちょっとタイミング悪いよ。

「いい処をお邪魔しちゃって、本当に申し訳ないんですけど」
「…い、いやいや。なんだ、アズサ、来てくれたのか」
「ええ、まあ」
「…だ、誰?」
黒髪をツインテールにした小さな少女が、いきなり部屋の中に現れたので、当然ミオは驚くばかりだ。

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追憶の紋章 【12】 茨の道 -07-

Category : 追憶の紋章【12】
***

「ミオ、これから私が話すことをよく聞いて」
私はそう言うと、ミオから少し離れた。
いつまでもこうして抱き合っていたいが、事態はそれを許さない。
「…何?」
ミオも涙を一生懸命堪えながら、私を見つめてくる。
「私はこの国を出る」
「…え」
「もう私は騎士なんてうんざりだ」
王国の近衛騎士になって、王女であるミオにもう一度会う。
それだけの為に戦にも行った、たくさんのモンスターを退治し、ドラゴンとも戦った。
それは全てはミオと一緒にいたかったからだ。でも…。

「…リツ」
「このままだと、ミオは隣国の王妃になる」
私がそう言った瞬間。ミオの顔にさっと、悲しみの表情が浮かぶと同時に、私の袖を握るその手に力が込められた。
彼女のそんな様子を見ながらも、私は少し考えてしまう。

いずれ国王となる王子の許に嫁ぎ、その後一国の王妃になる。

王の言う通り、確かにそれはとても素晴らしい事で、もしかしてミオにとっては、そちらの方が幸せな事なのかもしれないけれど。
それでも私は、ミオを簡単にあきらめるつもりにはなれなかった。

「ミオ」
私はミオの肩にそっと手を掛け、じっと彼女の黒い瞳を見詰めた。
「…私と、私と一緒にこの国を出ないか」
この国を出て、どこか別の場所で二人で一緒に暮らそう。
「リツ…」
突然の私の質問に、ミオは少し驚いたようだった。
「…きっと苦労すると思う」
ここに残れば王女として、さらに王妃となって何一つ不自由のない生活が出来るだろう。
飢えの心配もないし、寒い冬に薄い毛布一枚だけで凍えるような思いもすることもない、裕福な生活。

「ミオが王女としてここに残ると言うならそれでもいい。私は一人で行くよ」
もしかしてその方がいいのかもしれない。黙って私は一人でここを出て行くべきだったのかも。
それでもどうしても一度ミオに聞いてみたかった。
私と一緒に居る方を選んでくれるかどうか。

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追憶の紋章 【12】 茨の道 -06-

Category : 追憶の紋章【12】
「…聞いたのか」
「やっぱり施設はなくなったんだね。ムギからも教えてもらったけど…」
リツが知っている事を確認した今、ますます施設の皆へ申し訳なさが募る。
私さえあそこに居なければ。
たとえ貧しくとも、皆バラバラに別の施設に移されることもなかったはずなのに。

「私のせい…だ」
「違う、ミオ。それは違う」
誰のせいでもないんだ。仕方なかったんだよ、と言ってくれるリツには申し訳ないけれど。
仕方がないことはないと思う。王女である私の体面を保つためだけに、父がそんな強引なことをしていたなんて、私は夢にも思わなかった。
王宮に連れてこられてから今日まで、けっして完全に心を許していたわけではないけれど。
少し大きくなった今では、王としての立場はけっして崩さなくても、父は父なりに私を想い、優しく接してくれていると気付いたのに。…お父様。

「確かに陛下は施設を無くしてしまったかれど。陛下は施設に居た皆には、それなりに援助してくれたみたいだ」
「…え?」
「園長先生も王都から少し離れた街で、同じような施設を運営しているらしい。他の皆も…別の施設に移されたけど元気にはしてるみたいだ」
前に伯爵がいろいろ調べてくれたんだ。
また泣きそうになっている私の様子を見て、リツは私の心を軽くしようとしてか、少し微笑みながらそう教えてくれた。

「でも…」
「いまさら言っても仕方ないことだよ、ミオ。それにさっきも言ったけど、施設が無くなったのはけっしてミオのせいなんかじゃない」
だからもう気にするな。
リツは強い口調でそう言うと、私をまた軽く抱きしめてくる。

「リツ」
「そして私が軟禁されたのも、もちろんミオのせいなんかじゃない」
「…」
リツが捕まったのは私のせい、と己を責めていた私の気持ちをすでに察しているかのように、リツはそう言って私の体を抱きしめる。
「さっきも言ったけど、私は陛下を襲ったりなんかはしていない。裏でいろいろな問題があって、それに巻き込まれてしまった」
「問題って…」
「それは後で説明するよ。今はもうこれ以上話をしている時間はない」
とにかく今はゆっくりと、二人きりの再会を喜びあっている場合じゃないようだ。
私はリツの切迫した口調から、それを理解する。
リツは軟禁されていた部屋から、何らかの方法で脱出したようだったけど。

一体これからどうしようとしているのだろう。
彼女の腕にしっかりと抱かれながらも。
外から鳴り響く爆発音を耳にしながら、次々とくる予想もしていなかった事態に。
私の心は驚きとこれから不安で、ただ乱れていくばかりだった…。

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Author:書き人知らず知らず
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