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追憶の紋章【11】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【11】
リッちゃんはユイちゃんと。
ムギちゃんはアズサちゃんとお話していた時。
ミオちゃんは一人で考え、悩んでました。

リッちゃんが無事に帰ってきてほっとしたのも束の間。
どんどん思わぬ事態が起こり、困惑するミオちゃん。
さらに知らなかったいろいろな事実を知り、悲しむお姫様。

しかし決意を固めた騎士が、悲しむ姫君をいつまでも放っておきはしませんよと。

それではまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章【11】王女の苦悩と騎士の決断」を読んで頂きありがとうございました。
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ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -11-

Category : 追憶の紋章【11】
「で、どうやってお姫様を連れてここから出て行くの?」
「う」
固い決心をする私の横で、ユイがのんびりとそう聞いてきた。
なんてゆうか、具体的な考えはまだちっともまとまっていないんですけど…。
「無鉄砲だなあ」
押し黙る私にユイが呆れたように言う。
「…なんかユイ言われると非常に癪だな」
しかし無計画なのは認めるしかない。とりあえずはムギと連絡が取りたかった。

「ムギに会えたらいいんだけど」
「ムギ?」
「王女付きの魔法騎士だ」
ユイに簡単にムギのことを教える。私とミオの王宮内で唯一の協力者。
「ムギ、ムギ…」
私の説明を聞きながらも、ユイは何かを思い出そうとしているのか、しきりと首を振る。
「知ってるのか?」
「えーと、どうだったかな…」
やれやれ。やっぱりどこか抜けている魔法使い。

「まあ、とにかくそのムギさんと連絡を取りたいんだね」
「まずは」
「OK、OK!それくらい訳ないよ」
「え?」
ちょっと待ってて。
それだけ言うとユイはまたも堂々とドアから出て行った。
忘却の魔法とやらは、見張りの兵士に対してまだ効いているのだろうか?

ユイが消えて一人になったこの贅沢な監獄の中で、私は深く決意していた。
必ずミオを連れてここから出る。例え王を敵に回しても…。
静かな闘志みたいなものが胸の中に湧き起こる中、私の左手で右肩の下の方に触れる。

近衛騎士の正装を着ている私の右袖には、「赤枝の騎士」の紋章が縫い付けられている。
同じ近衛騎士でも、その紋章を身に付けることが出来るのは現在私だけだ。
王国の騎士であることを確かに証明する、私だけが持つ事を許された紋章…。

私は紋章部分を手で掴むと、強引に服から引きはがした。
糸の切れ端が残るそれを、一度ギュッと握りしめた後、私は紋章を床に叩きつけるようにして投げ捨てた。

To be continued…

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追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -10-

Category : 追憶の紋章【11】
「リッちゃん、ここから逃げる気なら手伝うけど?」
思い出す作業をあきらめたのか、一人考え込む私の手の内を読んだように、ユイがどこか楽しそうな表情を浮かべてそう聞いてくる。
「…一人では行けない」
そうだ。ミオを置いてはいけない、いや、私が離れたくないんだ。
私は心の中で強くそう思うと同時に、目を閉じて今までのことを思い出していた。

兵士になっていろんな戦場で戦ったこと…。
近衛騎士になってミオと再会したこと…。
誰もが認める功績を得るために志願したドラゴン退治…。

走馬灯のようにいろいろな情景が脳裏に浮かぶ。
様々な記憶を思い出す中で、月の光で輝くミオの姿が最も鮮やかに浮かび上がった。
…ミオ!

「この国の王女をさらう」
もう、我慢する気はない。私はそう決意した。
もしかして隣国の王子の許に嫁いだほうが、ミオにとっては幸せなのかもしれない。だけど…。
「へえ、そう」
私の言った言葉の重みなど、たいした事でもないかのように答えるユイ。
「意味わかってる、ユイ?」
「ん?うん、もっちろん~」
どうなんだか。ユイののんびりとした態度には、毎回ちょっと苦笑させられる。

…そう言えばドラゴンはあの石によって、騎士との意思疎通を図っていた、とユイは言っていたけど。だが、それは友好的なものだったのだろうか?あの石によって自分の意思とは別に、強制的に精神を支配されるような、強いられたものだったのではないだろうか?
ふと私はそんな事が少し気になって、ユイに尋ねてみた。
「…どっちもかな」
「どっちも?」
「騎士と心を一つにして共に戦った竜もいれば…」
「…そうでないものもいたわけか」
少し言いよどむユイの言葉を、私が引き継いだ。

人であろうが、モンスターであろうが、もちろんそれが最強のドラゴンといえども。
その者の意思を無視し、精神を強引に支配するなんてことは絶対許されていいはずがない。
今の私は、それをひどく痛感させられる。

たとえ王家に忠誠を誓った王国の騎士といえども、私の意思や心を誰かから強制的に支配されたくはない。ミオもそうだ。王女といえども、彼女の意思は彼女のものだ。
王族だからといって、王や国から強制や支配されていいはずがない。

「いろいろ教えてくれてありがとう、ユイ。私は…」
とにかく私のもう心は揺るがない。王女だろうが、王族だろうが。
他人の思惑や勝手な都合に振り合わされるのは、もううんざりだ。

ミオを連れて、ここを出る。

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追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -09-

Category : 追憶の紋章【11】
自ら選択したのか、それとも自然に力尽きたのか。
「…それはわからないけれど、ドラゴンのほとんどはもう人知れぬ場所で深い眠りについていて、後は死んでいくだけだから」
そう言ったユイの顔は無表情だった。いつもはほんわりとした笑顔を浮かべている彼女とは思えない、なんの感情も読み取れない表情。
ユイは静かに眠りながら朽ちていくドラゴンたちに、深く同情しているようだった。

「リッちゃんはあの石を、王女様から渡されたから」
王女様の祈りが真実だから、石が青く輝くんだよ。
ユイの言葉に私はドラゴンと戦った時の事を思い出す。
確かに槍先に入れた石は、青く輝いていた。
「私はそれにちょっと便乗させてもらって、あのドラゴンの意識に入らせてもらっただけ」
「…いや、ありがとう」
ユイが居なければ、あのドラゴンとの死闘はまだ続いていたかもしれない。
私はひょんな事から知り合った、この能天気なように見えて豊富な知識を持つ魔法使いに出会えた幸運を、心から感謝していた。

「それにしても、ユイは本当にいろいろよく知ってるんだなあ」
あの石の事も、すぐにわかったわけだし。
「え?ああ、それはねえ。えーと、…むかーし誰かに、なんかあの青い石の事を詳しく聞いたような…」
その誰かを思い出そうとしているのか、腕を組んで「うーん」と考え込むユイ。
「…思い出せそうか、ユイ?」
「うーん…、ちょっと今は無理かなー、いや、でも、気になるー。思い出したーい」
「ま、頑張って下さい」
私は苦笑交じりに、適当な応援を彼女に送った。

いまだ必死に思い出そうとするユイの事は、私は一時放っておくことにするとして。
ユイにはずしてもらった縄の後が残る手首をさすりながら、私は考えていた。
ユイの話は興味深いが、今の私にとっては青い輝石の過去の話は二の次だった。

まずは私がこれからどうするか、だ。
王の思惑も、魔法士たちの訳のわからない研究も。私にはどうでもいいことだ。
だがこのままでは、王は私の身柄を今後どうするかわかったものではない。
王女の過去を知り、魔法士たちの失敗を知っている私を黙って見過ごすとは思えない。

赤枝の紋章を持つ王国の近衛騎士。
ドラゴンを倒したドラゴンスレイヤー。

そんな肩書きなど、王の一存で吹き飛んでしまうのはもう理解できた。謁見の間でみせたあの強引なやり方で、今後どんな冤罪を持ってくるかわかったものじゃない。
もうここには居られない。
私はそれをはっきりと理解していた。そして居たいともまったく思えなかった。
ただこのままでは、ミオが…。

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追憶の紋章 【11】 王女の苦悩と騎士の決断 -08-

Category : 追憶の紋章【11】
***

ドラゴン討伐の論功行賞の場から一転、訳もわからぬままに部屋に軟禁されてしまった私。
突然の事態に私はどこか身の危険を感じながら、今後どうするかと考えていたとき。
見張りの衛兵など居ないかのように、自然に監視されていた部屋に入ってきたユイから、王の思惑や魔法士たちの失敗など、私は思いもよらなかった話を聞かされた。

ドラゴンが街を襲った理由。
それをユイから説明された私は、しばらく何かよくわからない喪失感みたいなもので、胸が一杯になっていた。だがいつまでも、そんな気分でたそがれている場合じゃないって事くらいは、ちゃんと現状を把握していた。
「ユイ」
「何?」
「あの青い石は今もちゃんと持っててくれてるよな」
「もちろん。アズにゃんがね」
「…まあ、ちゃんと管理してくているんなら、それでいい」
帰ったら石はすぐにミオに返すつもりだった。
だけど、今となってはどうしていいか、少し複雑な気持ちだ。
第一、この部屋に捕われの身では、ミオにどうやって会えばいいのか。

「…昔はあの石を使って、竜と意思疎通を図る騎士がいたわけだけど」
石の管理は、いつも女性の神官の役割だったそうだよ。
深く考え込む様子の私を気にもとめないように、ユイがまた昔話を語りだす。
その視線は空中をさまよい、どこか空ろだ。
彼女はすぐに綻んでいく自分の記憶を、なんとか繋いで思い出しているようだった。

「あの石はね、ただ持っていても魔力は発動しないん…だったと思う」
そこが古代の魔術師たちの、研究の限界だったんだよねー。
目を閉じて話すユイの表情は、どこか楽しそうだ。
「持っているだけじゃ、駄目なのか…」
私の問いかけに、ユイはゆっくりと一つ顔を頷かせた。
「騎士となる者に石を渡す乙女の祈りを通して、初めて石の力を発揮するんだよ」
「祈り…」

渡す者の祈り、ミオの祈り。

確かに戦いの最中、私は感じていた、ミオの祈りを。
彼女が私のすぐ側に居てくれているような、そんな気がしていた。

「…ある意味リッちゃんは竜騎士の資格を得た、選ばれた騎士かもね」
祈りの乙女と、青い石を持つ者。その二つが竜騎士の証。
「リッちゃんはその二つを手に入れているからね」
「はぁ。まあ、でも…」
もう騎士を乗せる竜そのものが居ないのだから、あんまり意味ないと思うけど。
「まあ、…そうだね」
何気なく言った私の言葉に、ユイはほんの少しだけ複雑そうな表情をしたけれど、すぐにいつものふにゃとした笑顔を浮かべる。

「それに別に私は竜騎士なんて…」
…でも竜に乗る騎士か。ちょっと格好良さそうだけど。うーん、でもやっぱいいや。
「あんな恐ろしいドラゴンを操って戦うなんて、遠慮したいかな」
私の率直な感想に、ユイはどこか納得したように「うん、うん」と頷いている。

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Author:書き人知らず知らず
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