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追憶の紋章 【10】 -あとがき-

Category : 追憶の紋章【10】
いやー、このシリーズもやっと十作目に入りました。
今回は説明混じりの、会話形式ばっかりになっちゃった。

「偉大なる魔法使い」の弟子二人が、数十年振りに再会。
ムギちゃんは実は最初から目的があって、いろいろ工作して王宮に入ったのですが。
姫であるミオちゃんと仲良くなった彼女は、自分の事はすっかり後回しにしていました。

しかし今回、自分と姉妹弟子であったユイちゃんが、リッちゃんと契約を交わした。
久しぶりに会ったアズサちゃんから、そう聞いたムギちゃん。
自分もそろそろ動き出す時が来たと、確信しました。
二人を助け、さらに自分の目的を果たす為にムギちゃんも動き出します。

それはまた次のお話で。ではー。

「追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑」を読んで頂きありがとうございました。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -11-

Category : 追憶の紋章【10】
数十年振りといっていい再会を果たした私とアズサちゃんは、お互いの近況を簡単に説明しあった。ユイちゃんと二人でこの王宮に来た理由や、私が現在この王宮内で魔法騎士として、王女の側近として仕えている事等。

それぞれに理由があって来たこの場所で、私たちは自分たちの問題もさることながら。
互いに縁あって知り合った一人の騎士と、この国の姫君。
偶然にも私たちは、二人の関係をそれぞれ応援する立場になっていた。
二人は幼い頃からの知り合いで、今では人目憚る恋人同士だった。
そんな二人は今、それぞれに難しい立場に立たされていた。

「とりあえず私たちはどうすればいいんでしょうか?」
「私たちは…」
アズサちゃんの問いかけに、私も少し考えてみた。
「…私自身はあくまでの二人の、リッちゃんとミオちゃんの気持ちを尊重するつもりよ」
二人が今回の件でどういう決断をするか、まずはそれを確認してみたいわね。
もう大体予想はついているけれど、と私はアズサちゃんに向けてそう言ってみる。
「二人の願いを聞いてから、それからね、私たちが本格的に動くのは」
王の命令に、ただ唯々諾々とリッちゃんが従うとは思えない。もちろんミオちゃんも。

「そうですか。…まあ私はユイさんの判断を聞いて、それで動いてみますよ」
私に黙って勝手にリツさんと契約を交わしちゃいましたからね、ユイさんは。
そう言ったアズサちゃんは怒っているというより、少し拗ねているように私には見えた。
「あら、魔法の契約を交わしちゃったの?」
「ええ」
「そう。…まあ、今ならそれはますます心強いかもしれないわね」
「どうでしょうかね。すぐに暴走しちゃうから、ユイさん」
昔のことを思い出したのか、少しげんなりした様子をみせるアズサちゃん。
「ふふふ。そうね。でも大丈夫、私もちゃんと見ておくわ」
よろしくお願いします、とアズサちゃんはそう言って軽く私に頭を下げた。

さて、忙しくなりそうね。
私は内心でそう思いながら、「久しぶりに魔法を使ってみましょうか」と少し気を引き締めるつもりで、声に出してそう言ってみた。
…数十年程会うことのなかった頼もしい姉妹弟子とその助手さんが、今ここに居ること。
きっとこれが昔師が私に言っていた、「いつか必ずくる機会」なんだと確信させてくれる。

私が青い石を本当の意味で取り戻す、その機会が来ているのだと…。

To be continued…

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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -10-

Category : 追憶の紋章【10】
私の過去の話は、いずれゆっくりするとして。
「とにかく今はリッちゃんの身が心配なの」
今はまだ一室に捕われているだけのリッちゃん。
しかし陛下は王女の過去を知り、さらにドラゴンの秘密を知る者として、彼女を今後どう扱うか私は心配だった。ドラゴンを倒した英雄を、すぐにどうこうする気はないとしても。

私は陛下が言った「赤枝の騎士は恩賞に不満を抱き、余に切りかかったのだ」等という愚にもつかない話を信じる気は毛頭なかった。
多分陛下は焦っているのだ。
魔法士たちのドラゴン制御の失敗によって、自分の責任を追及される事。
隣国との戦いで強力な戦力になると思われていた、ドラゴンの投入が無理になったこと。
内にも外にも不利になった状況の打開策の一つとして、ミオちゃんの突然の隣国への輿入れを決めたのだろうと私は推測していた。

ドラゴンを使って有利に進めようと思っていた隣国との戦を、一旦沈静化する為。
さらに今回のドラゴン討伐の功績として王弟殿下が、王女を自分の息子の許へと要求してくる事を事前に防ぐためだ。
ドラゴン討伐に行ったのは王弟殿下の第二子息だが、息子の功績は自分の功績とばかりに、いろいろ要求してくるに違いない。王女殿下を第一子息にと、王弟殿下は望まれるだろう。(もちろんそれを陛下に直にお願いするのは、王弟殿下の第二子息だろうけど)
「私の功績を持って、常日頃王女を慕う当家にお迎えさせていただき、ますます王家と当家の縁を強くしたいと願っております」とか何とか言って。いや、言わされて。

「王女殿下と結婚して、さらに王女さまとの間に生まれる子が男の子なら尚いいわけですね」
紅茶を時折飲みながら、アズサちゃんは鋭い意見を言ってくる。
「それもあるけど、たぶん王弟殿下はそれまで待たないわね」
幼少の王子に代わって、王女の夫である我が息子が政務を補助させて頂きたく…とかどうとかこうとか言ってくる可能性大ね。
もちろんそれは陛下だってわかっているだろう。だから先手を打ったのだ。
外では一旦は隣国との戦ではなく共存を選び、内では王弟殿下の思惑を外す為。

「王女の急な縁談は、多分それが原因でしょう」
「迷惑な話ですね、王女様も」
「…ええ、本当に」
どちらにしても、このままではリッちゃんはあらぬ罪をきせられ、ミオちゃんは隣国の王子の許へと連れていかれてしまうだろう。
さて、どうしましょうか。とにかく一度なんとしてもリッちゃんと会わないと…。

「あら、そういえばユイちゃんは?」
ふと私は同じ魔法使いの彼女を思い出した。
祝宴会場でみかけた彼女は、今、どうしているのだろう。
「あー、それなら多分」
「多分?」
「リツさんの処だと思いますよ。恩人の危機だーとか言って飛び出していきましたから」
だからリツさんの方は、ユイさんにまかせておけばいいと思いますよ。
アズサちゃんがのんびりとした口調でそう言った。

「…やっぱりこんな大事な時に、二人がここに居てくれて本当に助かったわ」

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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -09-

Category : 追憶の紋章【10】
ユイの話を聞いた私は、肩の力を抜いて大きく息を吐いた。
やはりユイの魔法が、あのドラゴンを倒す決め手となったんだな。
そう思うと、今日まで心のどこかで腑に落ちないような、落ち着かない気持ちがようやくすっきりしたようだった。

「…やっぱりドラゴンスレイヤーー、なんて大層な称号は私には似合わなかったな」
どうしても自分で倒したという意識が持てなかった私だけど、それもそのはずだ。
「あ、ううん。そんなことはないよ。リッちゃんは立派に『ドラゴンを倒した者』だよ」
ユイが慌てたようにそう言ってきたけれど、今となってはそれはもうどうでもいいことだった。
私がドラゴンを倒す事に固執したのは、あくまでも誰もが認める功績を得るためだったのだ。

だが、今この状況はどうだ。
ドラゴンを退治して勇躍帰ってきたと思ったら、王から訳のわからぬままに罪をきせられ、今は豪奢な部屋の一室に閉じ込められている。
さらにあのドラゴン自体には、なんら罪はなかったんだ。
魔法士たちが利用しようと思わなければ、ユイの言うようにその僅かな命の灯火を、人知れず燃やして静かに消していくだけだった悲しい種。
そんなドラゴンと戦って怪我をし、あまつさえ命を落とした騎士や兵士たちは、一体何のために誰のために戦ったというのだろう。

私はひどく空しい気分になってきていた。

***

私が王家の伝説に繋がる祈りの乙女だった。
そのことに、アズサちゃんはまだ少し驚いているようだった。
「…そういえば、アズサちゃんたちはどうしてあのドラゴンに襲われた街へ来ていたの?」
そんな彼女に、私は最初に聞いてみようと思っていた事を思い出した。

「え、…ああ。私たちドワーフやノームの一族から、調査と交渉を依頼されまして」
「調査と交渉?」
「あの洞窟内に住んでいたドワーフたちが、急にドラゴンがここに住み着いたのはなぜか。それと合わせてドラゴンとの交渉を頼まれたんです」
「ドラゴンとの交渉…」
「はい、ドワーフたちがどれ程ルーン語(古代の魔法語の一つ。ドラゴンなら必ず知っている言語)で呼びかけても、あのドラゴンちっとも反応しなくて困っている…と言われて」
無意識に動いているドラゴンには、どんな言葉も届かなのは当然だったろう、と私は思う。

いきなり何十年も住み慣れていた場所に、挨拶の一つもなく入ってきた無礼なドラゴンに占拠されて困ったドワーフやノームたち。
彼らは協議の結果、以前知り合った偉大なる魔法使いの弟子の一人、ユイちゃんにドラゴンとの交渉人になってくれる事を依頼してきたのだ。

「手紙をもらったユイさんは、それをあっさり承諾したんですけど」
毎度の事で、街へ到着した時はその事すっかり忘れてましたけどね。
アズサちゃんが苦笑交じりにそう言うと、紅茶を口に含んだ。
「でも忘れていてもちゃんと目的の街へ辿り着いちゃう処は、ユイちゃんの凄い処よね」
「ホント、時々感心します。それに一応仕事もこなしてますから」
私たちは互いに少し笑った。抜けているようで、大事な処ははずさない私の姉妹弟子。

「ところでムギさん、さっきのムギさんが祈りの乙女だったってことですけど…」
笑いを治めたアズサちゃんが、上品な手つきでカップをお皿に戻すと、少し身を乗り出す勢いでそう聞いてきた。
「…私の過去を話せば長くなるわね。別に話すのはちっとも構わないんだけど。でも、ごめんなさい。今はこれ以上のんびりと過去の終わった話している場合じゃないわ」
私の過去に興味津々といった感じのアズサちゃんには申し訳ないけれど。

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追憶の紋章 【10】 真実とそれぞれの思惑 -08-

Category : 追憶の紋章【10】
何百年も昔、この大陸を一つにまとめていた帝国があった。
その帝国の中にあって、礼節と強さを兼ね備えた最強の騎士たちが揃っていると讃えられた騎士団があった。

竜騎士団。

竜の背に乗りその上で剣や槍を奮う、無類の強さを誇った騎士団。
彼らが活躍していた時代は、同時に帝国の最盛期でもあった。
しかしいつしか竜と、その竜に乗る騎士が減っていくと同時に、帝国の力も弱まり分裂していった。

「今、いくつかに分かれている国は皆、巨大だったその帝国が分裂した後で、それぞれに小さくまとまっていった国なんだよ」
帝国貴族の一人だった者が建てた国もあれば、商人たちが結束して出来た商業都市。
他大小の公国や諸領がある中で、私たちが生きるこの大陸には、現在不安定ながらも微妙な均衡を保つ三つの国が建てられた。

「この国もその一つ」
「…」
「ま、それはそれとして。とにかく竜と竜騎士がどんどん減っていっちゃったんで、あの石もあまり用をなさなくなっちゃったんだよね」
「あの石は一体…」
「一種の魔法石なんだけど。古代の帝国の魔術師たちが、あらゆる生命の精神を支配しようと思って作った石」
「支配…」
生命の精神を支配する石。
私の内心にひどい嫌悪感が吹き出てくる。誰かを無理に支配しようとするなんて…。

「まだ神話の中に居るような時代だよ。人の力だけでは生きるのが難しい時代」
強力なモンスターもいれば、巨大な魔力を持った邪悪な魔法使いもいる世界。
「非力な人間がそれらに対抗するために、研究された内の一つがあの石なんだよ」
ま、とはいってもね。古代の魔術師たちも、それはそれは研究を重ねたみたいだけど、完璧には出来なかったみたいだね。
腕を組み、少し小難しい顔をしながらユイは話す。

「でも、ある程度なら成功したわけ。それが竜との意思を図り、竜に乗って戦う竜騎士団を生む結果になったから」
確かに、モンスターの中でも最も強いとされるドラゴンと共に戦えるなら、これ以上に心強いことはないだろう。ついこの間戦ったばかりのドラゴンの凄さを思い出して、私は少し身震いする思いだった。

「リッちゃんがあの石をドラゴンの口の中に入れてくれたおかげで、私はあのドラゴンの意識に直接話しかけてみたよ」
「話を?」
「そう。…でもね、駄目だった。あの子はもうほとんど意識もない状態で」
あの石を使っても、満足なコンタクトは取れなかったよ。
「…」
「だから、私はあの石を通して、ちょっと強引にあのドラゴンの意識に入ったんだ」

そしてまた深い眠りに誘ったの。意識も無意識も関係ない、深い眠りに。
もう他の誰も干渉を受けても目覚めないくらい深く。

「…それでようやくあのドラゴンは、本当の眠りにつけたんだよ」
そう言った時のユイの表情は、ドラゴンが洞窟の中で倒れてしまったときにみせたものと同じ、悲しい様子だった。
「ドラゴンは槍を突かれても、剣を刺されてもそう簡単には死なない、しぶとーい生き物なんだよねぇ」
本当に神聖で神秘の存在なんだから、彼らは。
ユイはさっと表情を変えると、ニッコリと笑って私にそう言った。

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Author:書き人知らず知らず
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ジャンルは『けいおん!』律澪
律澪はジャスティス。
いい言葉ですね。

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